とび

色々あって、余裕も生まれ(私なりにですが)ふと気づいたんです。それは、小説家になるとい…

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色々あって、余裕も生まれ(私なりにですが)ふと気づいたんです。それは、小説家になるという夢 noteもまだまだ勉強中です。仲間に入れてください

最近の記事

異形者達の備忘録-30

欠けら 私はユリ、女子高生です。夏休みは、被災地でボランティアです。作業は、瓦礫の整理だ。皆で丹念に、宝探しです。瓦礫には、被災者の方達の大切な思い出が紛れています。欠けらでも、切れ端でも全部拾って洗います。 昼食後、瓦礫を運んできた自衛隊の方が、海岸線を見においで、5人トラックに乗せられるよ、と言ってくれた。ジャンケンをして勝った私達が乗せてもらいました。施設を出てすぐに、『自衛隊は帰れ』と言う横断幕を掲げる理解不能の団体が騒いでいた。戦争反対!とか軍靴の音が聞こえる!

    • ショート 啄木鳥(キツツキ)

      午後4時、梅雨冷えのホームは、人も疎らだ。予定の列車到着まで2時間もある。指定席の切符も準備した。 長く勤めていた会社が倒産し、転職して半年、50代で初めて営業をやってみたが、迷惑ばかりかけてしまい、引越しを機に退職した。 これから向かうのは、故郷だ。両親はすでに他界し、兄弟も居ない、親戚とは、連絡がとれなくなっている。友達と話した記憶はもう20年以上前だ。それでも故郷へ向かうのは、ある目的のためだ。 駅弁とお茶を買ってから、到着した列車に乗り込んだ。ちょと眠って目が覚

      • 異形者達の備忘録-29

        腓返り(こむらがえり) 私はユリリ、女子高生です。4月はずっとお留守番です。両親は、母のリハビリも兼ねての花見&温泉旅行に出かけました。冷蔵庫の中にいっぱいの食料、多めのお小遣いと、初めは開放感で、幸せいっぱいでした。でも春休みは1週間もある。退屈したので駅前の公園に出掛けてみた。 その日は晴天で気持ちよく、カフェとか1人で入ったことも無いし、本と、保温水筒と、ついでにウグイス餅を二つ持って、出掛けてた。公園のベンチは、風が気持ちよくて、しばらく何にもしないで風景を眺めて

        • アッ 風が変わった!

          また、風が変わった 良くなりそうな 予感 合掌!!

        異形者達の備忘録-30

          山高/海深(やまたか/うみふか)第三章

          キングギドラのいる洞窟 エミコの父親は、若い頃、特撮スタッフをしていた。そこで出会ったのが、エミコの母親だ。結婚後、エミコが生まれ、農家の跡取りとして働く現在でも、物置部屋は趣味となった思い出の品で溢れていた。村の子供達は、その部屋に興味津々、飾られたゴム製の着ぐるみが見える窓に、度々張り付いていた。 ある日、テレビで、キングギドラの映画が放映された。翌日、学校は1限目から大騒ぎだった。だって、あの怪獣はエミちゃん家に居るんだもの、授業が終わると、大急ぎで教室を飛び出した

          山高/海深(やまたか/うみふか)第三章

          ショート 定年退職

          私は去年定年退職をした。職種が、広報だったので、退職はしたものの、暫くは外部供託として務めることになった。と言えば、世間体は良いが、実際は退職金の遅延によるものだった。退職の日、妻は晩酌とちょっと洒落た料理を用意してくれていた。 退職金は貰えていないが、妻は何も聞いてこない、それが、苦しくて、話してしまいたくなって、顔を上げたら、別の言葉が口をついて出た、「あれ! 懐かしいなあ、その真っ赤な口紅、似合っているよ」 妻は、フフッと笑って「そう?まだ似合う?良かった」と言った

          ショート 定年退職

          異形者達の備忘録-28

          ひまわりのエプロン 私はユリ、女子高生です。地域の消防署に、ワンゲル部の皆んなで、防災の講習と人命救助の訓練を受けに来ています。先日退職された冴子先生が、彼の看病を1人でしていることに、思いを馳せ、皆んな真剣に訓練を受け、消防の先生に褒められたよ、その時、私思ったんだ、ハイキングも楽しいけど、ワンゲル部の活動の1つとして、ボランティアをやりたいと、そう思った。 岩崎先生に提案してみたら、賛成してくれた。だから部員の前で言ったんだ。 「祈ったり、心配したり、冴子先生の事ば

          異形者達の備忘録-28

          異形者達の備忘録-27

          スクランブル交差点 あと5年 生きてなくても、その5年 共に生きる人になりたいと、先生はそう言って教壇を去りました。 私はユリ、女子高生です。先週、ワンゲル部顧問、吉田冴子先生が退職されました。お別れ会も、さよならする時間さえも無かったです。先生はすでに、チベットに居ます。 登山家の婚約者がチベットで遭難され、救助されたが重症で、意識があるのも数日らしい、ワンゲル部の新しい顧問、岩崎先生から聞けたのはそれだけでした。 私たちの部活は、休止状態となり、時だけが流れて行っ

          異形者達の備忘録-27

          山高/海深(やまたか/うみふか)第二章

          青いゴムの浮き板 リュウイチ・サトシ・エミコの3人が揃って6歳になり、来年は小学生になる、そんな夏休みのことだ。 園長先生が、お寺にあった古いカルタ、『チロリン村とくるみの木』と書かれた箱を持って来た。それなあに?と騒ぐチビ達に、床にカルタを広げて、お話をしてくれた。古いけどキレイな絵のカルタだ。 これはクラスのお姉さんで、ピーナッツのぴー子、この可愛い子が、クルミのクル子ちゃん、これは悪戯小僧で、コン吉、叱られるとコンキリプー!と言って逃げるカッパの妖怪なんだよ、その

          山高/海深(やまたか/うみふか)第二章

          ショート ギミック

          私は年に2回、ビジネスホテルを利用する。期間は1週間、私のマンションを姪に明け渡すのだ。姪は、小さい頃から絵を描くのが好きで、そして上手でした。中学生になると漫画を描き始め、見せてくれるのが楽しみでした。最近では、続きが読みたかったら、買ってくれ! と言われています。 姪は、中学1年生の時、友達にコミケ(コミックマーケット)に連れて行かれ、そこで魅了され。以来夢中で漫画を描き始め、コミケに出店している人にお願いして1点並べてもらったそうです。50円で2冊売れた。それが、相当

          ショート ギミック

          山高/海深(やまたか/うみふか)第一章

          お寺の幼稚園 5歳児だって男の子だ!同じ幼稚園の女子、しかもたった1人に男児2人が、ボコボコにされたらプライドは、ボロボロで、擦り傷よりも心が傷む、夕方の公園で2人、涙も鼻水も止まらない、やっと立ち上がり、お互いの涙を拭き、もう泣かないぞと、肩を組んだ。腕が短いので頭も顔もくっ付くが、そのまま変な歩き方で土手を歩いていると、ばあちゃんが来た。「遅いから心配したよ、あれ、擦り傷こさえて、喧嘩したな、ハハハ男の子だもんなあ、お腹空いたろ、サトシも家で御飯食べて行け」と言った。風

          山高/海深(やまたか/うみふか)第一章

          異形者達の備忘録-26

          パパ起きてー 私は宮内ユリ、女子高生です。放課後には、ワンゲル(ワンダーフォーゲル)部の遠征場所調べを図書室でやる。日帰りなら、一泊ならと、いくつかの候補を出しあって、コピーを取った。私の役目は、それを持ち帰りパソコンでいろいろ調べることだ。大変だけど、楽しい。 教室でワイワイと帰り支度をしていると、また来た! 宿敵オカルト同好会の連中だ。足早に近付いて来ると「さっき図書館で、○○峠に行くって言ってたよな? あそこは止めろ、●▲キャンプ場もダメだ」なんて言い出す。京子が「

          異形者達の備忘録-26

          ショート ネムの木

          菜の花畑の上を通るモンシロチョウ、俺達は気配を消して別々の位置に身を低くして座り、透明なセルロイドの下敷きを顔の前に当てる。来た! 小さなモンシロチョウの群れが俺達を包み、密かな音で過ぎて行く。行った後も、数分固まっていた。下敷きに鱗粉を残し、蝶達が見えなくなってから、歓声を上げた。蝶の通り道は大体決まっている。奴は自慢げに話すのだ。 ネムの木の花はピンクから白のグラデーション、その群生の中を、走って過ぎて振り向くと首を垂れた枝の細い道ができる。遊んで帰る時には道はいつも消

          ショート ネムの木

          異形者達の備忘録-25

          緊急警報 私は宮内ユリ、JK一年生です。母親が足が少し不自由なため、両親はよく湯治と言う温泉旅行に出かける。その影響で、私も旅行大好きになってしまった。一緒に連れて行ってもらうのだが、でも温泉じゃなくて、友達とお弁当を持って山歩きする方が好きだ。 だから、ワンダーフォーゲル部に入部した。部活は、土日や連休を利用して、キャンプに行ったりします。次の連休はキャンプの予定で、部員8人と顧問の先生が1人のチームが決まった。 キャンプ出発の朝、母「何かあったらすぐ電話するのよ」父

          異形者達の備忘録-25

          「#あの記事の後日談」、弟の話続き

          虎きちさんの企画に参加さえていただきます。 弟と別れて、暫くして会社社屋も決まり、様々な手続きも済み、最後に、会社事務所に神棚を取り付け、神様をいただきに山へ行く、俺は暫くぶりに弟に会えることを楽しみに、1人で山寺に向かった。そこで住職に会い必要なものを揃え、必要なものを買い、父親に弟の最近を聞いた。彼は奥の山で修行中だと言うので、邪魔にならない様に、遠くから見てから帰ろうと思い、山を分け行った。 そこで見た姿は、もはや弟では無かった。祈り、駆け回り、唱え駆け回り、片時も

          「#あの記事の後日談」、弟の話続き

          異形者達の備忘録-24

          帰れない人 私は宮内ユリ、駅のすぐ前のマンションで暮らしています。両親は和菓子屋さんを経営している。社長を引退してから、趣味の旅行にしょっちゅう出かけます。私は一年前に此処に養子として迎えられ、暖かくて、やさしい両親を頂きました。土曜日の午後、「じゃあ、ユリちゃん出かけるけど、何かあったらすぐ電話するのよ」と母さんが言う、「大丈夫だって、行ってらっしゃい」窓から下を見ると、2人で手を振りながらタクシーに乗って行った。窓を閉めて机に向かうと、すぐスマホが鳴った。アッ、まただ「

          異形者達の備忘録-24