しょうこりん

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最近の記事

エレベーターのお姉さん

私が勤める街中の駅前ビルには、色々な店舗が入っている。1階はコンビニや飲食店。2階以上は、会社や病院や塾。 ビルの中に、受験塾が2つある。幼稚園・小学受験の塾と、中学受験の塾。私はこのビルで働くまで、お受験の為にベビーカーに乗って塾に通う幼児がいることを知らなかった。 私はそのビルで会社員をしている。よくある会社の、よくある制服。どこにでもいるようなお姉さん。 最近、思うことがある。この会社で働いている人の中で、この業務をするために生まれてきた人は、きっといないだろうな

    • 山を登る

      先日、恋人と有田マラソンのペアマラソンに参加してきた。私は仕事でもプライベートでも、よく考えずに返事をしてしまうところがある。このペアマラソンも、数ヶ月前によく考えずに参加することを決めてしまったイベントだった。 風邪をひく、仕事が多忙など、2月はコンディションが最悪な日々が続いていた。だから、直前になってパスしたい気持ちになった。 けれど、楽しみにしている彼に断り辛い気持ち半分、彼の好きなことを行いたい気持ち半分。悩んだ末、参加することにした。 意気揚々としている彼と

      • 結び目

        夏の終わりに、彼氏ができた記事を書いた。幸いなことに、関係は未だ継続中だ。私はこの記事の終わりに、「彼に対して何も望んでいない。ただ側に居てもらえることが嬉しい。」と書いている。 それなのに…私って奴は…嘘っぱち野郎め。関係が半年も続くと、側に居てくれる以上のことを望むようになってしまった。最近、この記事を書いた振りに喧嘩をした。喧嘩というよりも、一方的に私が機嫌を損ねる事件だったのだが…。 機嫌を損ねたきっかけは、「温泉旅館に行きたい。」という願望を聞き入れて貰えなかっ

        • ムーンライト

          この夏、7年ぶりに彼氏ができた。友達には「逃したら次7年後だよ」と背筋が凍る言葉をもらった。今年の夏が暑くて良かったと思う。 おかしかったので別の友人に話すと、「7年前とか7年後とか、銀河系、惑星の周期かよ」と言われた。私は秀逸な言葉を発する人たちに囲まれているんだなぁと思った。 これまでの7年、何をしていたのかと聞かれると何をしていたんだろうと思う。綺麗にぼやかすと、青春の輝きの歌詞にある“約束事は無しに、気軽な関係で”を繰り返していた。 カレンさんが歌うように、報い

        エレベーターのお姉さん

          文通2通目

          手紙を送り返してくれてありがとう。海を渡ってマンションのポストに届いた手紙を手にした瞬間は、私の人生の中でのちょっとした名場面です。訳は、“とても嬉しかった”になります。 Aくんは、なんでもスマホ一つで連絡できる時代と書いていたけれど、今はなんでもスマホ一つで確認できる時代でもあることに気づきました。手紙を待ちながら。 友達にはすぐに連絡を取れるし、UberEatsでは商品の現在位置まで確認できます。「ふたりはともだち」のお話みたいに、今どこに居るか分からないかたつむりく

          文通1通目

          ひょんなことから高校3年生の時の同じクラスの男の子と文通をすることになりました。私が1通目を書いているのですが、文通ってこんな感じでいいのかな?と心配になっています。もし変だったら、アドバイスいただけると嬉しいです。 以下本文 はじめに、文通の誘いに乗ってくれてありがとう。久しぶりの同級生からの誘いって、一般的に怪しいのに承諾してくれてとても感謝しています。 アーノルドローベルの「ふたりはともだち」の中の短編「お手紙」という話を知っていますか?がまがえるくんがお手紙を待

          地球に残る私

          お久しぶりです。特に大きなニュースもありませんが、更新します。 高校の隣のクラスで、卒業10年後の学級通信が発行されました。隣のクラスに在籍していた友人に読ませてもらい、高校の同級生のその後を読みました。 結婚しました。子どもが生まれました。喜ばしい報告が多い中、私の友人は旅先で感じたことを書いていました。情報を伝えようとする多くの文章の中で、感情が瑞々しく伝わる友人の文章は不思議と私を惹きつけました。彼女と未だに友達で居る理由がなんとなく分かった気がします。 そして、

          地球に残る私