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小説「テスカトリポカ」と、読書感想文らしきものと、嗜好性を書いてみた。

どうも、目黒区出身の白河デス。自称おばけ評論家です。少々ビンボーを患っています(関係ねーな)。

noteの自称読書家といえば、川口市出身の川口竜也さん。
いつも読んだ本の感想や、少しセンチな記事をアップされていて、ボクのフォローもしてくれています。
フォロワーの人たちは、川口さんの達者な文章や、夏休みの宿題で苦労した読書感想文をなぜにそんなに毎度見事に書けるのか、記事のアップをきっと楽しみにされているでしょう。
2月からはSEOライターになったとか、もう本業ですね。エライ!

ということで、ボクも今回は軽ーく、読書感想文的なことを書いてみようと思いました。というより、紹介せずにいられなかったから。それがこちらの本。

株式会社KADOKAWA 出版

帯にもあるように、直木賞、山本周五郎賞ダブル受賞をした、佐藤究さんの著作です。
この作品、ボクは直木賞発表前から気になってた。購読している東京新聞の書面で、ブルボン小林さんが取り上げていて、もう直木賞は決まったようなものだ、と絶賛していたのだ。
どんな話かというと、後ろ帯の見事な紹介文を掲載しておきます。

「われらは彼の奴隷
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会う。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へ向かった。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年、土方コシモは、バルミロに見いだされ、知らぬ間に彼らの犯罪に巻き込まれていくー。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国の恐るべき神の影がちらつく。
人間は暴力から逃れられるのか。
誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。」

ブルボン小林さんの予告通り、本当に直木賞を受賞して、何とも気になって仕方なく、高価だけど立ち寄った本屋さんでつい手にとってしまった。
この小説、550ページにも及ぶ大作で、ボクは乱読、本を読むのはスキだけど、それこそ毎日読書するタイプではないから、読み切るのになんと一年ぐらいかかった。
ページ数が多いだけではなく、次のページをめくるのに躊躇するぐらい、内容がエグイことも理由だったかもしれない。
選考会でもその強烈な暴力描写について議論されたようだが、確かに残酷描写が凄いのだ。

半死状態の人間の心臓を抉り出す
窒素で凍らせた腕をハンマーで叩き潰す
顔の皮を剥いで被る

そして麻薬犯罪の恐怖と救いのない臓器ブローカーの犯罪…。
メキシコに伝わる恐ろしい神への信仰と、闇の中で暗躍する犯罪が結びついて、何ともダーク一色のエンターテインメントに仕上がっている。
巻末に記された参考文献の数々が、著者の研究心と執筆の熱量を物語っていて、こういう作品を書ける作家さんというのはタダ者じゃないんだな、と改めて気づかされた。
かつてホラー小説大賞を受賞した遠藤徹の「姉飼い」も読んだが、同列に扱えないにしても、読者に与えるインパクトという点では、ボクにとってはそれ以来だったと思える。

さて、かの自称読書家の川口さんは、
「自称読書家とプロ読書家」
の記事でじつに感慨深いことを書いている。その視点が面白い。
このnoteのクリエイターさんたちは、それこそ自分もそうだが、ほとんどの人が自称ナンタラだと思う。そこからプロになる人もいるだろうが、”自称”であるからこそ、気軽に創作できているし、読めるのだと思う、とも言える。だから自称バンザイなのである。

ちなみにボクは、小説はいわゆる「百合モノ」が大好きなんである。
松浦理英子「ナチュラルウーマン」
仁川高丸「微熱狼少女」
朱川湊人「アンドロメダの猫」
浅倉卓弥「オールド・フレンズ」
綿谷りさ「生のみ、生のまま」
斉藤綾子「ルビーフルーツ」

書きだしたらキリがないのでやめるが、映画もコミックも、そのロマンのある世界観になぜか昔から惹かれてしまうのだ。(けして好奇な動機ではありませんよ)
ボクは性に対してはノーマルだが、エンタメではアブノーマルなものを好む一面がある。真っ当で良いモノよりも、毒があっても面白いモノを評価する傾向がある。
最近、そんなことで少し気になるクリエーターさんからフォローされたので、どんな方なのか、興味津々だったりしている。できれば「百合モノ」の記事もアップしてみたいが、それにしては待機中の記事が多すぎる。自称作家は欲望に洗脳されているから、困るんだなあ。

本のことであんまりこんなことばかり書いていると、きっと好奇な目で見らられてしまうし、いよいよ怪しいヤツなだけになってしまうから、最後にこんな話題作も読んでいると、お茶を濁しときます(笑)。

芥川賞受賞作 今村夏子「むらさきのスカートの女」
これはオモシロかったです。




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