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子どもの心を診る(3)

子どもの心相談医と合う

子どもの心相談医の先生はとても優しく穏やかで、相談しやすい雰囲気の先生だった。

診察を受けた結論から言うと、現状の追認というか、ギフティッドで間違いないですねということと、現在スクールカウンセラーと定期的に相談できているので、追加で大学病院での相談が必要かというと、そうでもないかもしれないですね、とのことだった。

ただ、忘れ物が多い点はもしかしたらADHDの可能性もあるため、長男の了承も得た上で検査をする方針が決まった。ギフティッド児の場合、ADHDや自閉症が同時に考えられるケースもあるため、そういった観点からも調べてみましょうとのことだった。

診察室に入ってからの流れを少し詳細に書くと、最初に長男に聞き取りをしてくれて、今一番困っていることだとか、今後どうしたいと思っているのかとか、知的好奇心はどうやって満たしているのか、友達関係はどうか、等々聞いてくれて、その都度「そうだよね」と寄り添う感じで話を聞いてくれていた。長男としては理解してくれる人がまた一人増えたという感じで良い機会になったようだった。

その後、先生が私と二人で話をしたいとのことで、長男には外で待っていてもらった。30分くらいの時間だったと思う。先生としても、公立の学校では知的好奇心は満たせないでしょうということ、日本だとそれは塾が解決策になり得るということ、それから友達関係は特に問題ないのと、学年が変わって担任との関係が良いので、このまま様子を見ても問題ないかもしれない、とおっしゃっていた。あとは、公立の小学校に通う限り、ある程度の規律を守る必要はありますよね、というお話だった。

中学受験に関しては、具体的な中学校の名前をいくつか挙げてお話されていたのが印象的だった。知的好奇心を満たすためには受験は必要という意図だと解釈した。また、校則が厳しくなく自由な方が良いだろうとのことだった。

家族にそういう方はいますか?

話の中で、家族の中に他にギフティッドだと思い当たる人はいますかという質問があった。これは正直、本当にわからなかったので、「わかりません」と答えた。逆に、遺伝が関係していることが明らかなのであればそう言ってもらいたい気持ちもしたけれど、聞いてどうするんだという気持ちもあって聞かなかった。

おそらく遺伝の可能性はゼロではないのだろう。であれば、長男、さらには長男のパートナーとなってくださる方が将来子育てで同じ状況に直面するかもしれない。その時に少しでも役に立つように、このnoteは書いていきたいと思っている。次男や長女の将来にだって役立つかも知れない。それに、どこかで誰かの目に留まることで、1サンプルとして役に立てば良いなと思う。

診察を受けた感想

子どもの心相談医の先生も私が書いたワード15枚には目を通して下さっていた。当時はまだ状況が良くない中で書いていたので、かなり深刻なトーンになっていたと思う。それでも心の方は、学校のカウンセリングで十分そうで、通院は必要ないかもしれないというお話に、最初は少々驚いた。

色々困りすぎていて、自分でも何に困っているのか一言で言えなくなっていた。それで15枚も書いたので、そこから大変さが伝わって、医師の知見を持ってこちらが気づいていない潜在的なニーズまで汲み取ってソリューションを提供してくれるのではないかと期待していたところがあった。

ただ、医師からすれば、これはギフティッドであって、それ自体治療は必要ないため、環境が変わってストレス症状も快方に向かっているなら、様子見で良いという判断だったのかもしれないとも思った。

頭痛以外の症状はそもそも薬を使って直すものではなく、ストレスを減らすことで自然消滅するものであるらしく、学年が変わって状況が良くなっているのなら、それで良しという事だったのだろう。離人症のような症状については心配で念のため確認したところ、これも薬ではなくストレスを減らすことが一番とおっしゃっていた。長男の場合は、自分で環境を変えたわけではなかったが、たまたま学年が変わって環境が少し良くなっていた。

(4)につづく