ぬいぐるみはともだちだし家族だし

ぬいぐるみとは小さい頃は会話だってできた。ぬいぐるみの話す言葉がわかった。大好きだったし、好きが故に人格を感じていた。知り合いの家などで雑に扱われているのを見るとそれがわたしのものでなくてもきっと悲しいだろう、痛いだろう、とひやひやした。
でもひとりぐらしになった時からじぶんを含むすべての人間がむりになる日があることに気付いて(親のことは避けられないからたぶん家庭では無理をしていた。学校は平気でサボっていた。)、ぬいぐるみはぬいぐるみである前にお友だちで家族だからやっぱり無理で、それからなかなか買えなくなってしまった。

大丈夫だった時は、留学先でもルームメイトにずっと欲しがってたワニさんをプレゼントしてもらって、毎日添い寝してたのに、今ではもうペットを飼うのか?ってくらいの責任感を感じてしまって、彼氏もかわいいモノ大好きだから一緒に暮らしてた時期はぬいぐるみを増やされるのがかなりのストレスだった。
SNSやかわいいカフェで素敵なぬいぐるみ作家さんを知っても商品ページの写真で満足してしまうから自己嫌悪だった。素晴らしい作品には、絶対にお金と敬意を払うべきなのに、それができないわたしはかわいいと思う資格がないと思った。

写真だけじゃなくて実物でも責任を感じなくてすむならもちろん大好きで、ぬいぐるみ屋さんがあれば入りたくなるし、お店で座席にぬいぐるみが置いてあるところは相席できるとすごく嬉しい気持ちになるし、気に入れば欲しくもなるけどやっぱりこの子をずっと愛せるかな?悲しませたりしないかな?と思うと躊躇してしまう。(新千歳空港のシュタイフの展示はまだあるのでしょうか。人よりも大きなくまさんがいて、すごく楽しいしお店ではないので気持ちが楽なのです。)

5月12日はわたしの推しであるサンリオキャラクター、タキシードサムくんのお誕生日で、今までは小さいサイズのマスコット(これはなんか大丈夫、かわいいし宝物に感じてるけど全然これは雑貨じゃん、と思って飾れるし話しかけない。ボールチェーン的なものが付いているかどうかがミソなのか?愛玩以外の目的を示すものがあればよいのでしょうか?どうぶつビスケットなんてかわいい、おいしそう、以外には全く何にも思わずおいしく食べる。けど、やっぱり数は増やしたくない。)しか持てなかったのに、お店でお誕生日グッズのコーナーにあった大きなサムくんに一目惚れしてしまい、とても迷ったし、すごい心臓がばくばくした(買ったあと20分くらいはこわくてうまく息ができなくなった)けど、最後のひとつなんです、と言われて思い切ってお迎えしてしまいました。

もしやっぱり無理!ってなったら引き取って大切にして会いたい時には会わせてくれると彼氏に約束してもらえたので、自分なりに大切にしてみようとおもいます。これを機に個人作家さんの作品とかも買ってみたい。臓器とかカニとかのやつがいまは欲しいです。でも欲張ってはダメですね、サムくんをまず大切にしなきゃ。まだこわくて袋から出せてないんだから。今夜こそ一緒に眠ろう。

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