締め切ってたの知らなかった。

第一話の締め切り終わってたんですね。ラグビーに気が行って油断してました。せっかくなんで書いてしまった第一話を載せておきます。こっから二捻りして、無駄を落として寝かせなきゃいけないんでしょうけど。



T「2:50 pm」

○和室
きいろ「この家、あの人達の家じゃない‥」
和室の戸を叩く音。
きいろ、絵をバッグの下に隠し
きいろ「は、はーい!」
ジェミ「ちょっと失礼して良い?」
きいろ「あ、も、もちろんです!」
ジェミ、和室に入り
ジェミ「さっきは、ちょっと取り乱しちゃってごめんなさいね」
きいろ「え?いえいえ、とんでもないです!私が勝手な事したのがいけないんで」
ジェミ「youtuberだっけ?面白そうな所たくさん録るんでしょ?」
きいろ「は、はい。出来れば」
ジェミ、無表情になる。
ジェミ「‥‥‥‥‥」
きいろ「え?ジェミさん?どうしました?」
ジェミ、明るい表情に変わり
ジェミ「YouTuberつったっておマンマ食えてんの一握りしか居ないっしょ?」
きいろ「そ、そうですね。私もまだ全然仕事としては成り立ってませ…」
ジェミ、かき消すように
ジェミ「やっぱさ、やりてえ事やってバーっと反響来て、これもんで金ガー入って来てザギンでシースー行きてえわけじゃん?」
きいろ「え?」
ジェミ「そんでポンギでブルジョワのちゃんにいとリーヤーしーのピースでバイブスな‥」
きいろのN「何何何!?何で急に昔の業界人みたいになってんの!?」
ジェミ、暗い表情に変わり
ジェミ「……でも、あなた可愛いらしいんだから、それを上手く利用した方が良いんじゃない?」
きいろ「い、いいえ、そんな‥」
きいろのN「急に落ちついてる」
きいろ「あのー」
ジェミ「何?」
きいろ「もしかして昔テレビ関係の仕事とかされてました?」
ジェミ「え?やってないけど。全然そういうの興味ないし。何で?」
きいろ「いや、なんか業界人ぽい話し方されてたんで」
ジェミ「あ、降りてた?」
きいろ「え?降りてたっていうのは?」
ジェミ「バブルの頃にブイブイ言わせて遊び倒して腹上死したプロデューサーの霊降りちゃってた?」
きいろ「れ、霊が降りてたんですか?」
ジェミ「まあ、とにかくさ、私YouTuberは詳しく無いけど、あなたの好奇心は何となく分かるから。特に知らない人んちなら、なおさら‥‥‥‥‥」
きいろ「あれ?ジェミさん?」
ジェミ、明るい表情に変わり
ジェミ「獲れ高ありそうだな!つって!どうだキャメラマン良い画獲れたろ!?よし!麻布のプールバー行くぞなんつってドスン!みたいな」
きいろ「また降りてます!?」

C.O

タイトル「知らない人んち」

T「6:00pm」

○リビングルーム
テーブルにきいろ、ジェミ、キャン、
アクが座り夕食を食べている。
きいろ、スマホで3人を録っている。
アク「(笑いながら)そうなんだ。ジェミまた降りたのか」
ジェミ「きいろちゃんに言われなかったら気づかなかったわ」
きいろ「急に喋り方が変わったんでビックリしちゃいました」
アク「でもバブルのプロデューサーが降りて来んのって久しぶりじゃない?」
きいろ「え?そうなんですか?」
ジェミ「確かに。キャンがこの家に来た時以来かも」
キャン「そうだ!あの時私もビックリした記憶ある!」
きいろ「へえー。何でキャンさんが来た時に降りたんですか?」
アク「タイプだったからじゃない?」
キャン「そうかなー」
ジェミ「うん、絶対そうよ。可愛い子入って来ると降りて来んのよ」
アク「ジェミはプロデューサーの伝達手段に使われるんだよな」
ジェミ「そうなのよ。私自身がバブルの頃のデッカい携帯みたいな扱いされてんのよ。失礼しちゃうわよねえ」
きいろ「へえー、ジェミさんも凄いお綺麗なのに」
ジェミ「いやいやいやいや、ベンチャラしなくていいっつーの!」
きいろ「あれ?今のは?」
ジェミ「大丈夫。降りてないわよ」
きいろ「はあ、ビックリしたー」
   全員、笑う。
ジェミ「ごめんね、きいろさん。私もちょっとべらんめえ口調になる時あるから」
アク「紛らわしいですよね」
きいろ「いえいえ、とんでもないです」

T「8:50pm」

○和室
きいろ、スマホで録画した映像を観る。
きいろ「そういえばジェミさんが暗室の前で急に怒り出したのも何か降りてたのかな?」


○(回想)暗室前(2:00PM頃)
   ジェミ、きいろが暗室に近づき
ジェミ「暗室に光を入れるって事は写真の命に危険を晒すって事で写真は私にとって子供みたいなものだから、あたしの子供に対して危害を加えてるようなもんだから、あなたのやってる事は悪魔みたいなものよ」

○(回想終わり)和室
   きいろ、心を決めたように頷き
きいろ「暗室に行くしかない」

T「10:00pm」

○暗室の前
きいろ、忍び足で暗室に近づく。
きいろのN「暗室に光が入ったらどうなっちゃうんだろ?」
きいろ、暗室のドアを力いっぱい捻る。
ドアが少し開く。
女子部屋の中から音がする。
きいろのN「やばっ!」
きいろ、慌てて物置に隠れる。
ジェミ、女子部屋を出て廊下へ。  
暗室のドアが少し開いてるの
に気づき閉める。
ジェミ、舌打ちとため息を吐き、
女子部屋へ戻る。
きいろのN「あっぶねえ…」

T「1:50am」

◯シェアハウスの外
犬が白い手袋を嗅いでいる。

T「2:00am」

◯女子部屋
間接照明のような薄明かり。
ジェミとキャン、ベッドで寝ている。
ジェミ、犬の鳴き声に気づき、
ゆっくりと起き上がる。

T「2:05am」

◯和室の前
ジェミ、和室の戸を少し開く。
きいろが寝ているのを確認する。

◯玄関
ジェミ、犬を玄関に入れる。
きいろが触ったウサギの人形の匂い
を嗅がせ、犬に手でサインを送る。

T「2:15am」

○女子部屋
ジェミ、再びベッドで寝る。
キャン「何してたの?」
ジェミ「え?いや、犬が帰って来たから入れただけよ」
キャン「本当にそれだけ?」
ジェミ「‥うん」

○1階の廊下
犬、和室へと入って行く。

○女子部屋
キャン「ねえ?」
ジェミ「何?」
キャン「きいろちゃんに何かしようとしてる?」
ジェミ「え?‥そんな事無いわよ」
キャン「ジェミ…じゃなくて‥あんたがよ」
ジェミ、不気味な表情に変わる。
ジェミ「‥‥」
キャン「きいろちゃんに何をする気?」
ジェミ「あいつは余計なことをした」
キャン「きいろちゃん、部屋開けちゃったか」
キャン、ベッドから飛び起き部屋を出
る。

○和室
きいろのコートがスタンドの薄明か
りに照らされている。

SE 「ガブリ!」という音
きいろのコートに赤色の液体が飛び
散る。
キャン、和室に入って驚いた表情。

T「2:30am」

F.O

(つづく)


・キャンが和室で泣いていた理由

キャンが泣いていたのは、バブルのプロデューサー霊がキャンに憑依してわざと泣く事により、様子がおかしいと思ったきいろがジェミを呼んで、ジェミが来たらジェミに憑依しキャンを口説こうというプロデューサーのしたたかで回りくどい魂胆だったのだが、八丈島の霊村出身のキャンのセルフ霊媒コントロール(頭の中で呪文を唱える)により、寸手で完全憑依を阻止したのである。プロデューサー霊は、和室に自縛しているので、気に入った子が来たら、相手を介して気に入った子に業界ノリで口説く悪い部分がある。

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