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子どもに合った、勉強をうながす言葉って何でしょう…?

私は子どもの発達に関する仕事を主にしているので、
「子どもにどう伝えたら勉強してくれるようになるんでしょうか?」
というご相談を日頃よく受けます。
言っても言ってもやろうとしない、そういうことって多いと思います。

大人側は、勉強についていけなかったら本人が困るだろうからと、心配してあれこれ言いたくなるのですが、残念ながらいくら言っても、子どもにとっては鬱陶しい言葉にしかならないんですね。
やれと言われるとやりたくなくなる、天邪鬼な子どもの方が実は多いです。
言ったら勉強してくれる子は、勉強が好きで、得意だと自覚している子だけです。
言ってもやらない子は、勉強が嫌いで、苦手だと自覚している子です。
嫌いで苦手なことをやれと言われるのは、大人だってイヤですよね。
私も小さい頃は、勉強に興味もないし、得意とも思えませんでした。

そんな私が小さい頃、母に言われたのは
「学校で勉強したことは一発で覚えてこい。予習復習は塾でやってたらできることやろ。学校で習ったこと、わざわざ復習するのは覚えてきてないって証拠や。復習せんでも良いように一回で覚えてこい」
という強烈な言葉でした。
良い大人はこんなことを言ってはいけません(笑)予習復習はとても大事なことです。やればやるほど力になります。
ただ、私の場合は、母の意味不明な言葉でとても悔しくなり、『見返してやるからな!』という気持ちで勉強するようになりました。
不思議なことに、人間はやるなと言われるとやりたくなるんですね。
さすがに一発で覚えることはできませんので、母に見つからないようにコソコソ復習していたことも多々あります。
そうやって頑張っているのに反して、母は自分が言った言葉を覚えておらず、「よく分からないけど、放っておいても勉強してる」と認識していました。
言った側は案外そんなものです(笑)

私の場合は荒療治的なものですが、何がきっかけで勉強するようになるかは一人ひとり違います。
言葉は選ばないといけませんが、何かしら強烈に印象に残る言葉や促し・体験がないと、勉強のきっかけにはなりにくいです。
できればプラスの言葉で、子どもたちが「勉強やらなきゃ!」と思える言葉を一緒に見つけていきたいですね。

私は現在、論語についても学びを深めている最中なのですが、論語の言葉に以下のような言葉があります。

少(わか)かりしときに賤(いや)し。故に鄙事(ひじ)に多能なり。
君子は多からんや、多からざるなり。

(若い頃の苦労は何であれ、将来、貴重な能力を開花させるきっかけとなる。
多才・多能である必要はない。つまらないことでも、目立たないことでも、まずは何でもやってみて努力と経験を積み重ねる。
そのおかげでいろんなことができるようになる。
生きていく上でムダなことは何一つない。)

孔子自身の経験から語られた、努力することに関する『論語』の言葉です。

孔子は、古代中国の哲学者・思想家として有名ですが、もとは低い身分の出身で、両親も早くに亡くなり、貧しい生活の中で育ちました。
そんな中、幼い頃から、自ら勉学に励み、下働きもいっぱいして役人となりました。
出世した時もあれば、うまくいかず辞職せざるを得ない時もあり、浮き沈みの激しい人生でしたが、当時の政治を改革したいという野望を常に持ち、挑戦し続けた人です。
生まれた身分や能力などは関係ない、努力と経験の積み重ねによって人は開花する。
そのことが語られている言葉です。

これからを担う子どもたちにも、こういった努力を惜しまない精神を養って、勉強も日々の活動もがむしゃらに頑張ってほしいなと私は思うのです。

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