【心のリストカット】止めれるのはあなただけ〜子供目線になれない子育ては脳を侵す〜

「ごめんなさい!ごめんなさい!もうぶたないで!」

虐待を受けた子供が、児童相談所の介入によってDV親から引き離され、児童養護施設へ送られた。

3ヶ月後、親元に戻されたその子が、DV親との出会い頭に言い放った一言はなんだと思う?

「お父さんお母さん、ごめんなさい!

基本的に、生まれながらにして子供は親を優先するように創られてる。

生まれてすぐ立つことすらままならないか弱い赤子が、親に依存しなければ生存の危機に陥るということを知っている。

生まれながらに親を優先することは、人間本来の防衛本能からくる自然現象なのだ。

その親優先な自然の優先順位は子の成長と共に入れ替わり、自分や恋人、妻や我が子といった具合に変化していく。

親からの精神的な自立である。

しかし、

どれだけ成長し、大人になったとしても、いつまでも親を自分以上に優先してしまうケースがある。

なぜか?

成長してからも依存的に親を優先してしまう彼らは、幼少期に避けるべき【悪い】子育てをされてきた可能性があるのだ。


避けるべき子育て

あなたは『マルトリートメント』という言葉をご存知だろうか?

育児専門用語としてよく出てくる言葉なのだが、

マルはフランス語で【悪い】

トリートメントは【扱い】

つまり育児、特に幼児期において避けるべき悪い子育て方法のことである。

あなたは『悪い子育て』と聞くと、どのようなものを想像するだろうか?

虐待(もちろんダメだ)

性暴力(ありえない)

暴言(言葉のナイフ)

ネグレクト(育児放棄)

あなたもさすがにこれらは【悪い】と直感的に理解していただけると思う。

(もしそうでないのなら、子育てをする前に精神科クリニックへ通うべきだ)

ブラックジョークはさておき、ジョークにならないのが、明らかに「悪い!」とは言い切れない【グレーな部分の育児】だ。

マルトリートメントとは虐待、性暴力、暴言、ネグレクトを含む、

・『愛の鞭』と称した小突きや軽いはたき

もう嫌がってるのにこしょこしょを続ける

・言うことを聞いてほしくてワザとドスを効かせた脅し文句

・子供の『構って!』サインを無視したスマホいじり

などなどetc.

あなたが『大したことじゃない』と思ってるようでも子供の側からしたらやめてほしい、傷つくような行為全体を避けるべき悪い子育て=マルトリートメントと位置づけている。

つまりマルトリートメントとは、パワハラやセクハラと同じく、受け手である被害者目線から判断される育児ハラスメントのことである。


脳を変形させる育児

最新の研究では、脳の神経細胞(シナプス同士のつながり)を可視化することに成功している。

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この中で興味深かったのが、マルトリートメントが行われた子供たちの脳が異様に肥大したり、収縮したりと変形しているという研究結果が出ていたことだ。

例えば、

・親からの暴言→聴覚野が増加、変形、肥大

・性的虐待や夫婦間のDVを目撃→視覚野減少

・体罰→前頭前野委縮

・強いストレス→偏桃体変形

長期に渡ってマルトリートメントを受けた子供と、心身健康児の脳を見比べると、明らかにひと周りもふた周りも小サイズなのだ🧠

あなたが心身ともに施した避けるべき【悪い】子育ては、子供の脳を、神経細胞を文字通りダイレクトに切り刻んでいるのだ。

福井大学、友田明美教授はマルトリートメントが長期的に行われた人にどういった変化をもたらすのか、進行順を10項目に分けてチャート化した。


↓①脳が損傷される
↓②我慢が出来ない子が育ちやすくなる
↓③学習困難、学力低下、言語能力低下
↓④言葉で表現できないので反抗的、破壊的
↓⑥やる気や意欲が起きない
↓⑦コミュニケーション能力の欠如
↓⑧自己肯定感(自分を自分で『このままでいいんだ♪』と思える気持ち)の欠如
↓⑨大人になっても健全な人間関係が結べない(コミュ症)
↓⑩非行、依存症、不登校、うつ、統合失調症の原因

長期に渡って子供が受けた不適切なストレスは、チャートのように発展していき、大人になっても社会の中で生きづらさを感じる、後天性発達障害を引き起こすということに他ならない。

発達障害はもはや先天的なものだけとは言い切れなくなり、マルトリートメントによって親が発達障害の子供を生み出すケースが、数多くあり得るということなのだ。


連鎖を断ち切れ!

冒頭の『ごめんなさい!』といった子供は、児童養護施設送りからDV親に送り返されるまでの3ヶ月間、きっと自らを責め続けていたに違いない。

『私がバカだからお父さんは殴ったんだ』

『私がダメな子だからお母さんは叩くんだ』

『私が良い子じゃないから施設に送られた』

『お父さん、お母さんになんて謝ったら…』

そんな考えなくてもいい罪悪感から、施設にいる3ヶ月もの間、自分を責め、心に、神経細胞に何度も何度も見えないカッターナイフを突き刺し続けたに違いない。

心のリストカットを24時間×3ヶ月し続けた子供の、壊れそうな心を、救いを求めて絞り出した一言が、DV親に対する

「お父さんお母さん、ごめんなさい!

という悲痛な叫びとして生み出されたのだと、私は思う。

厚生労働省によると児童相談所への相談件数はここ10年でうなぎ上りになっている。

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特に顕著に増加しているのは、心理的虐待=つまり親からの暴言など言葉による虐待だ。

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人口は年々大きく減少しているのに、要保護児童数の減り幅は少なく、総人口あたりの数は少しづつ増えてしまっている。

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このままでは駄目だ。

このままでは未来が危うい。

子供が活き活きと生きていない国に、どうして明るい未来が来ようか?

マルトリートメントについて学びましょう。

無免許運転のような行き当たりばったりの子育てをやめて、善い情報や子育ての【コツ】を学び、虐待のブラックゾーン、マルトリートメントのグレーゾーンから抜け出しましょう。

私も今、学んでいます。

反省だらけの子育てから、笑顔だらけの子育てにしたいから。

今すぐ変われなくったっていいんです。

少しづつ変わればいいんです。

あきらめなければ良いんです。

子供を持つ前、あなたが夢見た子育てを今、この時からもう一度、目指しなおしてはみませんか?


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