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冨久岡ナヲ:卵子凍結する女性が増えた英国


2022年の執筆仕事を振り返ってみた。書き終えてからもずっと頭のなかでいろいろな考えが巡り続けた記事のテーマは、プレジデント/プレジデントウーマン•オンラインに寄稿した「卵子凍結を行う女性が英国で増えている」だった。

仕事人生の計画の中に子どもを持ち育てる時間を作るというのは、働く女性が直面する問題だ。特に自分の選んだ職がある程度時間をかけてキャリアを積んでいくことを必要とする場合、産休を取ることはその道程にポーズをかけることになる。でも、働き続けてやっと目指すポジションを得られた時にはもう、普通に妊娠するには年齢が上がりすぎているのでは?そして、そもそも出産が可能な年齢のうちに相手を見つけられるのか?

さまざまな悩みを抱え、卵子凍結クリニックを訪れる女性たち。卵子を取り出して凍結し、使用する時まで冷凍保存する費用は安くないので利用者はすべからく高収入層が多い。もし自分が子どもを持ちたいと思ったタイミングで相手がいなくても、精子ドナーによる凍結卵受精で出産し、シングルマザーとしてやっていくという自信も経済力もある程度持っている女性が多い。

取材からは、卵子を凍結しておくことでデートの相手を結婚や同棲と結びつけて考えなくてはならないプレッシャーから解放された!という感想が異口同音に聞かれた。これから技術が進み、凍結の費用が下がってきたらぜひ利用したいという声は、十代の女性の間にまで聞かれるようになっている。

ただ、凍結卵による妊娠出産の成功率はまだそう高いわけではない。結局子どもを持てなかった…となるリスクはもちろんある。キャリアと子育てのどちらも満足できる状態で両立させることの大変さそのものは、これからも変わることはないのだろうと思う。

記事は、前半で英国の女性の恋愛と結婚観の変化などを紹介したあとで卵子凍結の増加の話へと進む。結婚を求めずにデートを楽しむ独身女性たちが既婚男性を不倫に走らせている、という既婚女性たちからの声も取り上げてみた。

少子化が進んでいるのは英国も日本と変わらない。卵子凍結によって出産タイミングを選べるようになることは、子どもを持つのをあきらめる女性の減少にもつながると見られている。


初出:「デートはするけど結婚はイヤ」卵子凍結でシングルマザーを選ぶイギリス女性が増えたワケ(プレジデントウーマンオンライン)


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