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『長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう! 弁護士が教える ブラック企業に負けない3つの方法』序章・無料全文公開

発売日目前、特別企画!!
書籍『長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう! 弁護士が教える ブラック企業に負けない3つの方法』より、序章「ブラック企業問題とは何か」を全文公開しちゃいます!

具体的な内容に入る前に、そもそも「ブラック企業」とはどのような問題なのかを、簡単に確認していきましょう。

ブラック企業問題を概観することで、本書の理解についても深まると思います。

第1章では具体的に、次の3つについて解説していきます。

①そもそもブラック企業とは?
②ブラック企業は、なぜなくならないのか
③ブラック企業に負けない3つの方法

それでは、順番に見ていきましょう。

ブラック企業とは何を意味するか

 「ブラック企業」という言葉は、2001年ごろにインターネットの掲示板から広まったといわれています。当時はそれほど有名な言葉ではなく、有名になりはじめたのは2012年ごろからです。現在では社会に浸透しており、聞いたことがない人はいないでしょう。

しかし言葉の意味は、実は非常にあいまいです。法律でブラック企業の定義がされているわけではありませんし、厚生労働省においても定義は明確にされていません。

ブラック企業とは、一般には「労働者を酷使して劣悪な労働環境で働かせる企業」との意味で用いられる傾向にあります。

2012年から行われている「ブラック企業大賞」によると、ブラック企業は次のように定義されています。

「ブラック企業とは……①労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業、②パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)」

ブラック企業大賞 http://blackcorpaward.blogspot.com/p/blog-page.html

もう少し具体的にブラック企業の特徴を見てみると、次の3つが挙げられることがあります。

①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
②賃金不払い残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

厚生労働省 労働条件に関する総合情報サイト 確かめよう労働条件
https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

本書では、とくに問題の多い「長時間残業」「パワーハラスメント」「解雇」の3つに絞り、読者が抱えている悩みの解決策を提示していきます。

ブラック企業は、なぜなくならないのか

 ブラック企業は、なぜなくならないのか、疑問に思いませんか?

これだけ社会問題化していて、法律で労働者の権利が守られているのであれば、ブラック企業は自然に消滅するように思えますよね。

しかし実際には、多くの労働者が劣悪な労働環境に悩んでいるのが現状です。

たとえば厚生労働省は、労働基準法違反がある会社の一部について、「企業の名称」や「事案の概要」を公表していて、誰でも見ることができます。

令和2年2月1日~令和3年1月31日公表分だけでも、多くの企業が公表されており、「2か月半連続で就労させて法定休日を与えなかった事案」や「違法な長時間残業をさせた事案」「残業代を支給しなかった事案」が載っています。

結論として、ブラック企業がなくならない大きな理由のひとつは、「従業員が会社に逆らうことができないため」であると、私は考えています。従業員が会社に逆らえない原因はさまざまありますが、代表的なものは次の3つでしょう。

①自分の職場環境がおかしいと気づけない

②異を唱えて会社から報復されるのが怖い

③いまの環境を変えられないと諦めている

まず①について、ブラック企業で働いている人は、「自分の環境が普通ではない」と気づけないことがよくあります。そのような環境が「当たり前」になってしまっているのです。

自分の職場環境がおかしいと気づくためには、労働に関するルールについて正しい知識を身につけておく必要があります。また社外の知り合いや家族に、いまの自分の職場環境が普通なのかどうか、客観的な意見を聞いてみるのもよいでしょう。

次に、②異を唱えて会社から報復されるのが怖いと感じている人もいるでしょう。

たとえばあなたが、サービス残業に不満があることを会社に伝えたとしましょう。会社によっては、「残業代を請求するなんて気に入らない」として、あなたを退職に追い込もうとすることもあります。

しかし会社は、労働者を簡単に退職させることはできませんし、問題点を指摘されたからといって、嫌がらせや報復をすることも許されません。そのため、あなたは自分の権利が法律で守られていることを知れば、会社からの報復を過度に恐れる必要もなくなります。

最後に、③いまの環境を変えられないと諦めている人もいるでしょう。

高額の残業代を請求されるなどの具体的なリスクが生じて、初めて職場環境を改善しようとする会社もあります。自分ひとりでは環境を変えることが難しいと感じている場合には、専門家や外部機関の力も借りてみましょう。

このように、従業員がブラック企業の言いなりになってしまうと、ブラック企業はいつまでもなくなりません。撲滅するためには、まずあなたが声を上げることが重要なのです。

ブラック企業に負けない3つの方法

 ブラック企業と「戦う」といってしまうと、「自分には少しハードルが高そう……」と思う人が多いでしょう。実際ブラック企業と戦ってホワイト企業に変えることは、法律を熟知していても、かなり難易度が高いといえます。

しかし、あなたがブラック企業に「負けない」ということであれば、どうでしょう?

「それだったら自分でもできそう!」と思えてきませんか。

一人ひとりがブラック企業に「負けない」ことが重要です。その結果、ブラック企業の数を減らしていくことができます。

具体的には、あなた自身の「法的な権利」と「働きやすい職場環境」を「守る」ことを目指しましょう。これを実現できれば、あなたの仕事が「つらい」という気持ちを軽減できます。

ブラック企業に負けないためには、具体的に次の3つの方法があります。

方法1:正しい法律知識を身につける
方法2:働き方・環境を変える
方法3:法的な権利を実現する方法を知る

それでは順番に解説していきましょう。

方法1:正しい法律知識を身につける

 ブラック企業に負けないための方法1つ目は、「正しい法律知識を身につける」です。

労働に関する法律については、労働基準法をはじめとして、いくつかあります。そしてこれらの法律の多くが、「労働者の権利」を守るための規定を数多く設けています。

労働者にとって、法律は「味方」です。歴史的に労働者が弱い立場にあり、虐げられてきた背景があるため、法律では労働者を強く保護しているのです。

実はブラック企業も、法律をまったく知らずに、劣悪な労働環境をつくり出している会社ばかりではありません。法律では労働者が強く保護されていることを知った上で、労働者が声を上げることはないだろうと高を括っている会社も多いのです。

そのため企業側も、労働者から法的な権利を行使されないか、不安に感じています。不安に感じているのは、あなただけではないのです。

「法律」というと身構えてしまうかもしれませんが、条文の文言や条文の番号を暗記する必要はありませんので、安心してください。ブラック企業に負けないために本書で身につけてほしい法律知識は、「ルールの有無」と、その「概要」です。

あなたが職場環境に思っていることや疑問を感じた際に、「これは法律上、問題ではなかったか?」と気づくことができれば、本書で確認できます。

つまり「法的に問題がある」と気づけることが、ブラック企業に負けないための出発点となるのです。

たとえばあなたが、課長に昇進したものの、業務内容や権限は大きく変わらないとしましょう。この場合、会社から「きみは課長になったので、明日から管理職だ。だから、これから残業代は出ないよ」と言われたとします。

このとき、あなたに法的な知識があり、「名ばかり管理職」という言葉を聞いたことがあれば、「役職が変わっただけで、何も経営にかかわっていないのに残業代がもらえなくなるのは、おかしいのではないか」と疑問に感じるはずです。

これに対して、あなたに法的な知識がない場合は、「管理職ということであれば、残業代はもらえなくても仕方ないな……」と、問題に気づけません。

このケースでは、法的な知識がある場合には残業代を支払ってもらえる可能性がありますが、法的な知識がないと残業代を支払ってもらえないのです。

したがってブラック企業に負けないためには、正しい法律の知識をもっていることが重要なのです。

方法2:働き方・環境を変える

 ブラック企業に負けないための方法2つ目は、「働き方・環境を変える」です。法律知識を身につけたら、あなたの働き方や環境をいい方向に変えていきましょう。

現在の働き方・労働環境の問題点がわかれば、労働環境のどこを改善すればよいのかがわかるはずです。

たとえば、「残業時間が長すぎる」と気づけた場合は、残業時間を減らすように工夫をしてみるのです。解雇の前兆を感じた場合は、働き方を変えて解雇を回避するための努力をすることができます。上司や社長の態度が「ハラスメントにあたる」と気づけた場合は、ハラスメントがなくなるように対策を講じていくことになります。

このように法律知識は、必ずしも紛争になったあとにだけ役立つものではなく、紛争を回避するためにも活用できるのです。

本書では働き方や環境をどのように変えていけばよいのかについても、誰でも実践できるように具体的な例を挙げて解説していきます。

方法3:法的な権利を実現する方法を知る

 ブラック企業に負けないための方法3つ目は、「法的な権利を実現する方法を知る」です。

あなたが法的知識を身につけて、働き方や環境を変えてみても、あなたの権利が侵害されてしまうことを回避できないケースもあります。たとえば、解雇の前兆を感じた場合に、解雇を回避するための努力を講じても、結局会社から解雇されてしまうようなケースです。

このようなとき、自分の法的な権利を実現するための行動を取る必要があります。権利が侵害されてしまった場合、何も行動しないと侵害されたままになってしまいます。

といっても、法的な権利を実現するためにどのように行動していくかは、実際に経験したことがないと難しい問題です。

本書では具体的に、あなたの権利を実現するための方法について、オススメの手順とともに解説していきます。

以上、ブラック企業問題について簡単に概観してきました。

ブラック企業に関する問題はいくつか種類があるため、実際に労働者が自分の身を守るためには、その類型ごとに具体的に理解を深めていく必要があります。

次章以降では、とくに問題となることが多い、残業問題・解雇問題・パワハラ問題について解説していきます。

*   *   *

序章はここまで!
続きを読みたい方は、各電子書籍ストアにて3月30日より随時発売になりますので、是非お買い求めください。
下記リンクはAmazonストアでの商品ページになります。書籍の詳細と目次もこちらからご覧になれます。
書籍『長時間残業・不当解雇・パワハラに立ち向かう! 弁護士が教える ブラック企業に負けない3つの方法』


■書籍情報

不当解雇や残業代請求、労働問題、企業法務などを数多く担当してきた弁護士が教える、仕事が「つらい」を軽減できる方法!

「長時間残業に苦しんでいる」「会社からクビにされないか不安」「上司からのパワハラに耐えられない」、このような職場環境に悩んでいるあなたへ。
法律はあなたの権利が強く保護される「味方」です!

労働者がブラック企業に負けないためには、自分にどのような権利があるかを理解し、働き方を変えていくとともに、何かあった場合に権利を実現する方法を知っておく必要があります。
そこで本書では、ブラック企業に多い「残業」「解雇」「パワハラ」の3つの問題に立ち向かうための知識と方法を取り上げています。
法律に詳しくない人でも、専門家の暗黙知とされている部分や実務におけるノウハウを可能なかぎり言語化し、事例を用いて解説。

私のところへ相談しに来る人の多くは、「会社をすでに退職した人」や「近いうちに会社を退職する予定の人」です。
ブラック企業に勤務していて、現に過酷な労働環境に苦しんでいる人は、外部に相談することに抵抗があるのか、相談に来る割合としては少ないのです。
しかし、過酷な労働環境に苦しんでいる段階の人にも、職場環境の悩みについて、もっと相談に来てほしいと私は常々感じています。
なぜなら、あなたに法律上どのような権利があるのか、環境を改善するにはどのように働けばいいのかを知ってもらいたいからです。
相談に行くことに抵抗があるという人も含めて、ひとりでも多くの人の職場環境の悩みを解消したいと考えて、本書を執筆しました。

労働者の権利を知り、適切な働き方や証拠収集を行うことで問題が顕在化した場合、あなたは格段に有利に対処できます。
いま勤めている会社や職場環境が「当たり前ではない」ことを知れば、これからの働き方も変わるはず。
あなたがブラック企業に負けないための一歩を踏み出せる一冊です!

【目次】

序章 ブラック企業問題とは何か
第1章 ブラック企業と残業問題
第2章 ブラック企業と解雇問題
第3章 ブラック企業とパワハラ問題
終章 次は失敗しない! ブラック企業の見極め方
巻末付録 パッと確認できる! 要点のまとめ

【購入者特典】

あなたに最適な相談先チェックシートと参考資料で使用している書式データ

■著者プロフィール

籾山 善臣(弁護士)

リバティ・ベル法律事務所、所属弁護士会:神奈川県弁護士会
神奈川で生まれ育ち、自分が学んできた法律で人を幸せにしたいと考え弁護士を志す。「誰でも気軽に相談できる敷居の低い弁護士」を目指し、依頼者に寄り添った、クライアントファーストな弁護活動を心掛けている。学生時代は6年間陸上部に所属。現在は持ち前の体力で、どんな事件にも全力で取り組んでいる。

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