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悪夢で目覚めて命に感謝した朝の話

久しぶりに泣きながら目が覚めた朝でした。

まだ10代の若い女の子が、妊娠してる事を知って産婦人科に行ったら、そこで妊娠が分かって泣き崩れている女性の姿が。
よく見たら、そこは1980年代の産婦人科。
10代の女の子は、2000年代からタイムリープしていた女の子。
違和感だらけの中、泣き崩れる女性とそれを宥めるお医者様との会話で、私は気付いてしまった。

若い女の子は、17歳の時の私。
泣き崩れる女性は、私を身篭った時の母の姿。


17歳の頃、私は大好きな彼との子供を授かった。
産む気満々だった私に、放任主義の母はこう言った。
「産みたいなら好きにしたらいい」
(当時は優しさと思っていたこの言葉を、母になった今思い出すと、なんて無責任なんだろうと思う。)

そしてその時、私を身篭った時の話を聞いた。
子供の頃からザックリ聞いた事はあるけれど、ここまで具体的に聞いたのは初めてだった。


26歳の頃。
母は、付き合っていた彼との子供を授かった。
当時彼と別れる事を考えていた母は、妊娠が分かった時にギリギリまで悩んだそう。
子供は好きだけど、彼の子供は欲しくなかった。
彼との結婚は避けたかった。

悩んだ結果、後戻りの出来ない時期まで来たので腹を括って結婚、出産。
その後も父からのDVで立て続けに2人妊娠、出産。

働かない父の代わりに家計を切り盛りしなきゃいけない母は、常に心に余裕が無い状態で、長女の私が母からの暴力を受け、ほぼネグレクト状態。

そんな家庭だったから、早く家を出たかったし、若さの勢い故に早く新しい家庭を築きたいって思ってた。
今思えば、安直だなぁって思うけど、当時は本気でそう思っていた。

そんな17歳の私が、26歳の母の元に同じ境遇のままタイムリープした夢。
どうして今、そんな夢を見たのかは謎だけど。
現実ではありえない展開なのにあまりにリアリティがあり過ぎて、泣きながら目が覚めた。

もしもあの時、母が最悪の選択をしていたら、私は今存在していなくて。
私が今存在しなかったら、娘は今私の元にはいなくて。
そして、その当時私が身篭っていた子供が産まれていたら……
でも、そうなっていたらやっぱり娘には会えなかったかもしれない。

色んな思考がぐちゃぐちゃで、涙が止まらなかった。


そんな母とは私の出産を機に完全に縁を切ってしまった。
私自身も何かと辛い思いをしたし、母の行いは決して認められない事が多いけれど、産む決断をしてくれた事に関してだけは、心から感謝しなきゃ。

そう感じた朝でした。

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