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大粒の雨が降り注ぐと知って
傘など持たずに家を飛び出した
髪も服もびしょびしょに張り付いて
それがたまらなく楽しかった
あの頃の心はまだどこか残ってる?

生憎の天気、とか
天気が悪い、とか
早くやめばいいのに、とか
残念、だとか
いつからそんな言葉に置き換わったんだろう

雨はいつだって雨で
何も変わらないはずなのに
大人になったら昔と違うものを押し付けてたはじまりを告げる恵みの音楽だったのに
今は終わりを語る不快な雑音のように
悲しさをまとわせてたのは僕の方だった

濡れた烏は昨日よりずっと美しい
雨を嘆かず受け入れられたら
灰色の世界さえまだ愛していられる

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