Good Culture | ナルハンダ

オーストラリアでビール作ってました!ナルハンダです。今は自分の醸造所オープンの準備中。…

Good Culture | ナルハンダ

オーストラリアでビール作ってました!ナルハンダです。今は自分の醸造所オープンの準備中。 ビール醸造のあれこれを書いていこうと思うのでドウゾヨロシク 有料Noteの売上の一部はどうぶつ基金に寄付します

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【はじめに】自己紹介、ナルハンダです

はじめにはじめまして、ビール造って生きてます、「ナルハンダ」です! これまで日本とオーストラリア、3つの醸造所でビール醸造に携わってきました。 日本、世界各地で得た醸造の経験・知識を自分のモノだけにしておくのはもったいないな!と思い、この場を借りて共有していければと考えています。 コンテンツは主に「醸造家を目指す人」「小規模醸造所で働いている人」と「ビールをもっと知りたい人」向けになる予定です。 このあたりの思いは追々投稿できればと思います。 大まかなテーマは「つくる

    • Miyagi Ultra Dry リリースです!

      👬Friends Series Vol.2ブルワリーができるまで日本全国いろいろなところでビールを作るフレンズシリーズの第二弾は、同じくブルワリー立ち上げ予定の宮城県、石巻にある石巻ホップワークスで作らせていただきました! “Miyagi Ultra Dry”Cold IPA - 6.0% - 40IBUs w/ @ishinomakihop 石巻ホップワークスで作ったMiyagi Ultra Dryが出来あがりました。 このビールは宮城県産の”だて正夢”というお米を使

      • Falò IPA リリースです!

        現在絶賛立ち上げ準備中のFaló Brewingですが、ブルワリーの立ち上げにはまだまだ時間がかかるので、それまでは各地で仲間とビールをつくるFriends Seriesをお届け🤝 Faló Brewingのはえある第1弾はむかしブルワーとしてお世話になった @craftrockbrewing こちらでFalòの名前を冠したIPAを醸造しました! インスタフォローしてね @falobrewing 👬Friends series vol.1 Falò IPAABV:6.

        • IPA醸造が変化した2つの理由

          最近いろんなIPAを飲むんですが、本当に色んな種類・色・ABV・味・香りがあって今でも新たな気づきをたくさん貰えます。近年のビール文化を牽引し続け(今でもアメリカのクラフトビール市場の80%overはIPAが売れてる)、ひとつのスタイルとして分類するには収まりきらないほど多様になったIPAですが、種類だけでなく醸造の面で大きく変わった部分もあります。 1つめは「ホップの使用量が格段に増えた」こと。 15年前くらいに使われてたIPAのホップ量が今では倍以上になってます(2倍ど

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        【はじめに】自己紹介、ナルハンダです

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        • リリースしたビール
          7本
        • ビール醸造【知る編】
          25本
        • ビール醸造【つくる編】
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        記事

          ビール醸造と空飛ぶクルマ

          ビール醸造は日々進化を続け、これまでの不可能を可能にする"空飛ぶクルマ"のような製品がぞくぞくと登場しています。 これらは何を実現できて、なんのために生まれてきたのか?ホップ製品を中心に紹介しつつ、これらについて思うことを綴っていきます。 *製品説明が長いので、本題に飛びたい方は「ホップを使う目的は変わらない」から御覧ください。 Hop ProductsCryo Hop 今ではお馴染みのクライオホップです。名前はYakima Chief Hopsの商品名で、一般的にはT

          ビール醸造と空飛ぶクルマ

          1年間毎週noteに投稿して思ったこと

          ビール醸造について書いているこのnoteも、毎週投稿を続けて1年が経ちました。当初は数ヶ月で挫折するかと思いましたが、ここまでやりつづけて思ったことを書き綴ろうと思います。 まずはなによりインプットじつははじめからビール醸造についてnoteに書こうと思っていたわけではなく、最初はオーストラリアに住んでたときに醸造関係の本や資料を漁りまくっていただけでした。もちろん面白いモノやそうでないモノもあるのですが、どこにも共通するのが、さまざまな醸造家、生産者や研究者たちが自分たちの

          1年間毎週noteに投稿して思ったこと

          お酒造りと納豆にまつわるはなし

          お酒をづくりにまつわるよく聞く話「お酒づくりをする人は納豆を食べてはいけない」これは一体なんなんでしょう? お酒は菌や酵母、つまり微生物の力を借りて作られます。そのため特定の微生物を効果的に働かせるための環境づくりが重要となります。ビールの場合は主にビール酵母を使うので、酵母がその他の菌に支配されないように気を配る必要があるのです。 納豆には納豆菌という菌がいて、これが非常に繁殖力が高く厄介で、酒造りの場にこの菌を持ち込まないために「納豆を食べてはいけない」と言われていま

          お酒造りと納豆にまつわるはなし

          Mikkeller Beer Celebration 2023に行ってきた

          10/14-15に東京デンマーク大使館で行われたMikkeller Beer Celebration(通称MBCT)に行ってきました! ちなみにどんなイベントかといいますと… 要するに世界から注目ブルワリーが東京に集結して飲めちゃうお祭りだよ!ってな感じです。 個人的には2018(第1回)と2019(第2回)に参加して超楽しかったのと、僕が働いていたオーストラリアのSailor's Grave Brewingと出会った場所でもあり、思い入れが深いビールフェスのひとつです。

          Mikkeller Beer Celebration 2023に行ってきた

          Crispy Boy リリースです!

          今夏、醸造アドバイザー兼労働力としてお世話になったFUKUOKA CRAFT BREWINGにて醸造したイタリアンピルスナー、Crispy Boyがリリースです! 醸造を快く受け入れてくれたFCBチームの皆様、ありがとうございました! Crispy Boy Italian Pilsner ABV:5% IBU:32 Malt:Pilsner, C15 Hops:Loral, Spalter Select, Saphir Yeast:34/70 Brewer' Comme

          Crispy Boy リリースです!

          たまねぎとニンニクの香りのビールに迫る

          いろんなビールを飲むとたまに出会う、たまねぎやニンニクのような香りがするビール。個人的にコレがめちゃくちゃ苦手で、飲み手としてはこの手のビールがあるととても悲しい気持ちになってしまいます。 自分は造り手でもあるので、この香りの原因となる要素を検証し、どうやったらこの要素を排除できるか妄想していきたいと思います。 たまねぎ/ニンニク臭の正体実はこの香り、2-mercapto-3-methyl-1-butanol(2M3MB)と呼ばれるオフフレーバー化合物のひとつであり、岸本(

          たまねぎとニンニクの香りのビールに迫る

          イーストが醸す風味化合物④オフフレーバー

          ビールの発酵過程ににおいて、イーストはアルコールと炭酸ガスのみでなく、ビールをビールとたらしめるさまざまな風味化合物を生成します。 今回は代表的な化合物について全4回に分けて説明していきます。 イーストが醸す風味化合物4つの化合物は以下のとおりです。 フーゼルアルコール エステル フェノール オフフレーバー 最後はオフフレーバー化合物です! オフフレーバー Off-Flavors酵母は飲み手にとって心地よく感じる化合物もあれば、不快に感じるものも生成します。オフ

          イーストが醸す風味化合物④オフフレーバー

          イーストが醸す風味化合物③フェノール

          ビールの発酵過程ににおいて、イーストはアルコールと炭酸ガスのみでなく、ビールをビールとたらしめるさまざまな風味化合物を生成します。 今回は代表的な化合物について全4回に分けて説明していきます。 イーストが醸す風味化合物4つの化合物は以下のとおりです。 フーゼルアルコール エステル フェノール オフフレーバー化合物 第3回目はフェノールです! フェノール / Phenolsフェノール化合物は何百種類も存在する(らしい)のですが、ビールの風味に影響するのは1.原料由

          イーストが醸す風味化合物③フェノール

          イーストが醸す風味化合物②エステル

          ビールの発酵過程ににおいて、イーストはアルコールと炭酸ガスのみでなく、ビールをビールとたらしめるさまざまな風味化合物を生成します。 今回は代表的な化合物について全4回に分けて説明していきます。 イーストが醸す風味化合物4つの化合物は以下のとおりです。 フーゼルアルコール エステル フェノール オフフレーバー 第2回目はエステル化合物です! エステル / Estersお酒好きなら一度は耳にしたことがあるであろうエステル。 結局のところこれは何なのか?ビールに影響が

          イーストが醸す風味化合物②エステル

          イーストが醸す風味化合物①フーゼルアルコール

          ビールの発酵過程ににおいて、イーストはアルコールと炭酸ガスのみでなく、ビールをビールとたらしめるさまざまな風味化合物を生成します。 今回は代表的な化合物について全4回に分けて説明していきます。 イーストが醸す風味化合物4つの化合物は以下のとおりです。 フーゼルアルコール エステル フェノール オフフレーバー化合物 まず最初はフーゼルアルコール! Fusels/ フーゼルアルコールフーゼルアルコールはビール発酵の副産物であり、高級アルコールやフーゼルオイルとも呼ば

          イーストが醸す風味化合物①フーゼルアルコール

          West Coast Pils - CHORYO Craft Beer x Good Culture リリースです!

          奈良県にある長龍酒造のビール部門、CHORYO Craft Beerとコラボレーション醸造を行いました! 自分と同じくオーストラリアに滞在経験のあるヘッドブルワーの樋代さんと、オーストラリア産のモルトとホップを中心にレシピを構築、残暑厳しいこの時期でもクリスプ&ホッピーなスタイル「West Coast Pils」を作りました。 West Coast Pilsは、Italian Pilsnerの考えをベースにしつつもアメリカ西海岸の気候に合わせて生まれたよりホッピーなラガ

          West Coast Pils - CHORYO Craft Beer x Good Culture リリースです!

          【モルトを知る】スペシャリティモルト(ローストモルト)編

          モルトはホップ、酵母と並び、アロマ、フレイバー、ボディ感、アルコール度数など官能特性に強い影響力を持っています。ビールをビールたらしめる、"The Soul of Beer"なんてカッコいい呼ばれ方もされ、ビール醸造において最も重要な要素の一つです。 そんなモルトですが、意外と軽視されがちなので復習も兼ねてざっくり概要を説明していきます。 スペシャリティモルトスペシャルティモルトは、ビールをより美味しくするフレーバーや色味を生成するために、より高い温度で乾燥またはローストさ

          【モルトを知る】スペシャリティモルト(ローストモルト)編