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"Departure" 大切なことは、出発することだった。

2018.3.9 イタリア ミラノ

ただの乗り換えで寄っただけの駅。
滞在した時間もたったの2時間ぐらい。

ただ、そこではちょっといいシチュエーションでコーヒーを飲んだんだ。

英語圏の駅のプラットフォームは、いろんなものが案内板として表記されている。もちろん、英語で。
まぁイタリアは英語圏じゃないけどね笑

スイスのローザンヌ行きに乗り換えたくて、ホームを探してた。

見つけた!探してた表記。
「Departure/Arrival」の電光掲示板だ。


列車が出発の時間(Departure)と到着の時間(Arrival)はこうしてひとつの掲示板で順に表示されていく。ここで時間とホームの番号を確認するんだ。


なんでかよくわからないんだけど、それまでの英語学習でどうしてもDepartureという単語を覚えきれなかった。
でも、この掲示板で確実に頭に刻み込まれたんだ。



"Departure"

なんだか好きな響きだった。
新しい場所へ、ここではない何処かへ
連れていってくれそうな魔法の言葉。


出発までまだ時間があったから、早朝のコーヒーショップへ立ち寄った。
夜行通しでローマから来たからちょっと休みたかった。


いくらかの硬貨と交換したのは、特別美味しいわけでもないコーヒーだったけど、あったかいコーヒーだった。
冬のイタリアは寒いからね。


コーヒーをもって、ホームへ向かう。
冬の朝のピリリとした空気が懐かしい。

出発のベルがなって、いそいそと乗り込んだ。

(これはナポリ行きだけど。)

______________________________☕


列車というものは面白くて
乗ってしまいさえすれば、何処かへ連れてってくれる。
途中で降りることもできるし、
乗り換えることもできるし
終点までいくことだっできる。


この旅もそうだった。
出発さえしてしまえば、何処かへ連れていってくれる。
どこかは知らないけど、きっとたくさんの困難と素敵なものに出会える場所に。


22歳という若輩ながらも
人生というものもそうだと思う。
始めることが大切なんだ。
出発すること。それが大切なんだと思う。


願わくは、一杯のコーヒーでも飲みながら。



母と一緒に尊敬している人で、星野道夫さんという写真家がいる。
そんな彼が残している言葉が大好きだ。



「大切なことは、出発することだった。」



窓脇においたコーヒーは
まだあったかかった。

そのときふと
こんなコーヒーみたいな存在になりたいなぁと
そんなことを思った。

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