苦しいときに意思を強く持とうとするのをやめてみようと思っている。

どうしてもやる気がでなくて１日終わりそうな時、落ち込んで元気がないのに仕事に行かなきゃいけない時、ああ、僕は弱いなあと嫌になるばかりだった。

だけど意思を鍛えようとか、負けないようにしようとか、頑丈であろうとするほど心はポッキーみたいに簡単に折れる。

親に勉強しなさいと言われて萎えてしまったことはないだろうか。

人間には「こうしなさい」と言われると反発したくなる性質がある。「〇〇しなきゃ」はそれと同じように、やりたくない気持ちが増幅されて結局手につかなくなってしまうし、むりやり気持ちを保てたとしてもその先に納得や満足は待っていなかった。

実はギターは力を入れて弾くほど大きな音が出ないようになっている。意思もそれと同じで出そう出そうと力むほど本来の能力を発揮できないのかもしれない。

こう思っている。こう発信したい。勝手に溢れ出てしまうもの、それを意思と呼ぶなら、辛いときに溢れるのは「もっと無理しよう」じゃないはずだ。休みたい、遊びたい、許されたい、弱音を吐きたい、そういう気持ちじゃないだろうか。

物事は表裏一体だ。あんなに好きだった人が大嫌いになったり、最初最低だと思ってたのにいつの間にか仲良くなっていたり、好きが嫌いに、嫌いが好きに変化することはめずらしくない。

しんどくなるのは頑張りたいから。やめたくなるのは続けたいから。だから弱音は吐いてしまって大丈夫。いや、吐かないと前向きな気持ちも一緒に壊れてしまう。

むりやり作り出した「意思のようなもの」は障害物にしかならない。

苦しいときに想いを貫きたいのなら、まず自分が何を感じているのかをゆっくりと考えるところからはじめてみる。そしてそれに素直に正直になってみることがいいのではないかと思う。

意思なんて強く持たなくていい。
ただ寄りそって歩いていければいい。

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無理をしないことを頑張って、強くならなきゃと思う瞬間をグッと強がって乗り越えよう。

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後藤大
シンガーソングライター/作曲家/文章書き
自分をみとめてあげられる瞬間が好き。
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