「いじめ」をする人は加害者だろうか?
「いじめ」をする人は加害者だろうか?
答えは簡単。
人を傷つけているのだから加害者だろう。
だけど同時に被害者でもあると思っている。
ドラえもんに出てくるジャイアンはひどいやつだけど、家ではすぐに頭を殴られ、無理やり店番を押し付けられ、妹ばかり優しくされる。それを想像してみればああなってしまうのもわかる。
心が健康であればわざわざ誰かを傷つける必要なんてないはずだから。
本人も無意識の間に「いじめ」をしてしまうことがある。
たとえば「好きな子に意地悪をしてしまう」は一見かわいらしいエピソードだけど、やられた人は嫌な気持ちになっているし、大人になっても直らない人もいる。
女性が自撮りを上げたときのコメント欄なんかを見てもらったら「ああ、これか。」と思ってもらえるだろう。
それに対して周りの反応は当然「ありえない」「人の気持ち考えろ」となる。ジャイアンもただ「いじめっ子でひどいやつ」だと思われている。
幸いのび太たちはそれでも友達でいてくれるけれど、実際そう都合よくはならない。いじめっ子は何かの拍子でひとりぼっちになる。特にネット上ではあっという集中砲火だ。
心に不具合があるからそうしてしまうのに、それによって他の場所でも阻害されてしまうとどうなるだろうか。そう、改善されるどころか悪化してしまう。正論がいつも最適解だとは限らない。
「いじめ」は攻撃であると同時に「SOS」でもあるのだ。
被害を受けた本人はやっぱり許せないかもしれない。近しい人間も冷静にはなれないかもしれない。それは仕方がないことだ。その気持ちは理解されるべきだ。
だけど遠巻きにいる人間も一緒になって、石を投げるように正論を振りかざすのはどうなのかと思う。関係ない人間ならば「両方の被害者」に目を向けられるはずだ。
「いじめ」に必要なのは攻撃でも正しさでもない。
その人が自分を許せるようになるための圧倒的な「ケア」だと思っている。
「許せない」の色が強く見える今は、僕には少ししんどい。
せめて流されないよう、優しい気持ちで過ごせる日を増やしたい。
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許せないことなんか少ない方が楽しい
後藤大
「弱虫のままで理想に嘘をつかない」
音楽と文章を中心にものづくりをしています。
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