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“ヘルプ”と“サポート”で伝えよう。マークで実現する支援の広がり。

こんにちは! 児童指導員の畑中希ララです。
私は幼少期からスポーツが大好きで、大学では「スポーツと共生の関係」を学びました。年齢、国籍、障がいを超えて、ともにスポーツを楽しむための課題解決を考える分野です。

現在は、株式会社Gotoschoolが運営する「子ども運動教室LUMO(ルーモ)」で、発達にトラブルがある子どもたちの運動療育に携わっています。子どもの困りごとが減り、子ども自身が進みたい道を見つけられるような支援を心がけています。

運動療育に携わるようになって、改めて大学時代の学びを掘り下げることがあります。その一つが、ヘルプマークをつけた方への支援です。今回私は、そのヘルプマークについて紹介したいと思います。

ヘルプマークをご存知ですか?

LUMOには、ヘルプマークをつけた子どもが通っています。ヘルプマークとは、赤い長方形のタグに白で “+” と “♡” が描かれたものです。義足や人工関節の使用、心臓機能や腎臓機能などの障がい、または妊娠初期など、外見ではわかりにくい理由で周囲の助けが必要な方のためにあります。最近では電車やバスなどの公共交通機関にも広告が増えました。

ヘルプマークをつけるメリットは、周囲の助けを得やすくなることです。言葉で伝えなくても配慮してほしい意思を知らせることができます。しかしまだ認知度は低く、優先席を譲ってもらえないといった事例もあります。マークをつけたくても、障がいや持病を知られることにデメリットを感じる方もいるなど、普及には課題があると感じています。

ヘルプマークをつけていても“いつも困っているわけではない”。

私はヘルプマークをつけた方に支援を申し出ることがあります。なかには喜ばれなかったり、「助けはいらない」と断られることもあります。当然ながら、ヘルプマークをつけているからといって、いつも支援が必要なわけではないからです。そこで、ヘルプマークをつけている方のSNSから、支援に関する要望を調べました。

「うちの子は好奇心旺盛で、1人でどこかへ行ってしまうので、ヘルプマークをつけた子どもが1人でいたら声をかけてほしい。」
「大きな音や複数の音の中では聞きとりづらいので、ゆっくり話してほしい。」
「複数人のなかでは自分が話しかけられていると気づきにくいので、肩を叩いて声をかけてほしい。」

やはり、ヘルプマークをつけている方によって、助けてほしい状況に違いがあるようです。
一人ひとり異なるニーズをどうしたら理解できるのか。私は、ヘルプマークをつける方への支援のあり方をいっそう考えるようになりました。

支援する意思を知らせる、サポートマークとの出会い。

ヘルプマークについて考えるなかで、支援する側が身につけるサポートマークの存在を知りました。「助ける意思」を見える化したもので、困ったときに頼るべき相手を見つけやすくなります。何より、助けてほしい本人が、必要なタイミングで声をかけるので、互いの齟齬も防げるでしょう。

もちろん、サポートマークをつけていても、必要な助けができるかは状況によります。例えば、LUMOに通う子どものように、低年齢で特性があれば、助けてほしいと言えないかもしれません。

しかし、サポートマークを目にした保護者にとっては、声をかけるきっかけになります。支援しようという心持ちでサポートマークをつけていれば、確実に誰かの助けになる機会は増えるのではないでしょうか。

さらに、本人とご家族にとっては、支援の意思が心強く思えるかもしれません。サポートマークは、支援を必要とする方やご家族が、安心して外に出かけられるツールにもなると思いました。

“ヘルプ”と“サポート”。支援を伝え合うことが当たり前の社会へ。

今回、適切な支援を考える以前に、ヘルプマークとサポートマークが広く認知される必要性を感じました。ふたつのマークを知らなければ、その支援のあり方を考えることもできません。ふたつのマークの認知と普及によって、支援の輪が広がり、もっと適切な支援について考えられる社会にしなくてはいけないと思いました。

その反面、マークを必要としない社会になってほしいとも思っています。助け合いが当たり前の社会ならば、あえて意思表示しなくても、気軽に支援したり、されたりできると思うからです。

そのためには、まわりを思いやる行動が大切です。誰もが思いやりのある行動をとれたら、誰にとっても過ごしやすい社会になるはず。それが当たり前であればいいなと思います。


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