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それが条件付きの愛だと知らなかった⑦ 〜自分を削る〜

若い頃、私は結婚して子供を出産した。
初めての結婚生活は、若くまだ未熟な私にとって大変な事の連続だった。
そこに重なる旦那さんの繰り返される借金と浮気。
数年後に離婚し、その後は子供を抱えてとにかくがむしゃらに働いた。

私は父親を早くに亡くし母子家庭で育ったので、離婚後実家に戻ったが、決して頼れる裕福な家ではなかった。

大学まで出してやりたい…お金もかかる…
その為には、がんばって働いて少しでも上の地位につかないと…

時間も休日もプライベートも
勤務先から要望があれば、削れるところは削ってとにかく働いた。

もちろん、自分の時間や子供と過ごす時間も出来る限り大切にはした。

子供が就職するまで、何度か転職しながらとにかく夢中で走り続けた。
お陰様で、いくつかの勤務先ではそれなりの役職について給料もアップしていった。

でも、こういう働き方は、不平不満…つまりグチをかなり生む。
私は年々グチばかりこぼすようになっていた。
そんな私に親友は
「もう十分がんばってる。もう少し会社や上司にワガママになっていいんだよ。自分を優先していいんだよ」
と言ってくれていた。

どの会社でも、まわりは確かに結構自由だった。
私みたいに全部削って仕事なんかしていない。
人に押し付けるとこは押し付け、ダメなものはダメと断り、帰る時はさっさと帰る。
それでも、いわば給料は同じ。

なんで私ばかりこんなに削らなきゃ、みんなと同じになれないんだろう…
みんなみたいに自分優先にしたい…したいけど…
そうしたら今の自分の立場や給料がなくなるんじゃないの?
だって私はみんなとは違うから…

これはずいぶん長い事、私の中でずーっとあった思い。


そして恋愛でも同じ現象が起きていた。

相手の言う通りにしてしまう自分がいる。
自分の事を棚に上げて私を責める相手に、反論もなにも出来ない自分がいる。
都合のいい様に扱われてるんじゃないか…と思っても、それを見て見ぬ振りをする自分がいる。

私ががんばれば…
相手の気持ちを優先にしていれば…
相手に心地良い環境を作ってあげれば…
私がガマンすれば…
私が私の気持ちを後回しにすれば…

相手はきっと必要としていてくれる。
みんなの様に幸せになれる。
私にはきっとみんなよりガマンが足りないんだ…だって私はみんなとは違うから。


こうして、私の恋愛や結婚は
浮気、音信不通、都合のいい女扱いのオンパレードだった。
自慢じゃないが、恋愛・結婚すべての相手に浮気された。必ず。まぁ見る目がないとも言う。


もうこれは性格。
親友に「自分を大切にしろ」と色々何度言われたかわからないが、どうしても直らない。
みんなみたいに出来ない。なんでかわからない。


でも、Aさんとの事で深く自分を掘り下げて考えていくうちに、ネットで「条件付きの愛」というキーワードを見つけた。
いくつかのコラムを読んで、あぁまさに私はこれだ…と気づいた。
それは、長い間自分でもわからなかった事。


いつも『自分を削る・自分の何かを捨てる』という条件をつけて、私は誰かに必要とされたかったのだ。大切にしてもらいたかったのだ。
そして、心の中にある埋まらないスキマを、誰かに埋めてもらいたかったのだ。


なぜそうなってしまったのか。


それは
「私は普通の人と同じではない。みんなとは違う。頭がおかしい子だから、人よりがんばらないと」
常にコレが頭の中にあったからだ。

そして、コレを作ってしまったのが…
私の母親。

何か条件を付けないと、普通になれない。
何か条件を付けないと、誰かから必要とされない人間だと思い込ませてしまった張本人。

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