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「私のために命を懸けて会いに来てくれた。」 子供との死別体験記 -前編

こんにちは。死別の悲しみに寄り添うことはできるのか?という問いを掲げて活動しているGrieFuuです。

本記事では、産後約3週間に子供を亡くしたお母さんの死別体験をまとめています。

遺族会などを中心にグリーフケアの活動を行なっている一般社団法人The Egg Tree Houseの方が作られたグリーフカードを利用して、死別体験を話して頂きました。前編でグリーフカードを用いた上でのお話、後編でその後独自に行ったインタビューに分けて紹介していきます。死別体験記を読むことでさらに辛くなる場合は、無理をせず、また読みに来てくださいね。

アセット 2



Q1.大切な人が亡くなった時にあなたはどんな言葉や行動で傷つきましたか?

私の子供は未熟児として産まれてきました。葬儀会社の方たちにもこの子は生まれてすぐに亡くなって大きなショックを受けていると思われたのか、「お母さん、亡くなったお子さんのそばに行けますか?」と言われました。それを聞いたときは、なんだか傷つきました。

この子はすごい頑張って生きていたのに、それをみんなに伝えられなくて残念でした。頑張って生きたんだよということを悲しく話すのではなく、周りの子たちと同じようにこの子のことを話したかったです。

Q2.あなたは亡くなった人を感じるために、どんなことをしていますか?

空を見上げて、話しかけています。あと、身長と体重で作ってくれるベアを作って家に飾ってあります。旅行に行く時などはリュックに忍ばせて話かけています。
私のことを知っている人だとベアと一緒に写真を撮ってくれます。

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メモリアルベアというお子様の出生児の身長と体重でお仕立てしてくれる人形。

Q3.亡くなった人があなたを悲しい気持ちにさせたときのことを話してください。

勇気をもらっていた方が強かったです。けれど、亡くなった時が一番悲しかったと思います。先生もびっくりするぐらい小さく産まれたのに、色々な壁を乗り越えてくれました。このまま大きく育ってくれるんじゃないかと思い始めた時に亡くなってしまったので余計悲しみが大きかったです。

あと、産まれた時も正直悲しかったです。信じたくありませんでした。本当に小さく産まれたので抱っこもできなく、ただ離れて見守ることしかできませんでした。
帝王切開になる予定でしたが、自然分娩で産まれてきてくれました。妊娠予定日の半分ほどで、ギリギリ命の選択ができるラインでした。早くに陣痛がきて、破水してしまったのですが、今なら大丈夫ということで自然分娩で産むことができました。産声もあげてくれました。エコーなどでは見ていましたが初めて対面をした瞬間に、人だ!ってなりました。すぐ処置のために連れて行かれてしまいました。しばらくたったあと、車椅子に乗って赤ちゃんのところに連れていってもらいました。見た瞬間ごめんなさいと涙が溢れてきました。なので産まれた時と亡くなった時、悲しい気持ちでした。

次回、後編となります。
後編では、死別体験での感情の変化について深く話して頂きました。そちらも、読んで頂けると嬉しいです。

執筆・編集

中澤希公(Kiku Nakazawa) / 猪股佳奈(Kana Inomata)

死別体験から生じる感覚は1人1人異なり、特別なものです。人によって、悲しみも感情も、向き合い方も違います。自分の感情に素直になって、これからどう生きるのかをじっくり考えられる、そんな記事をこれからも作成していきたいと思います。

このnoteの感想や自分の死別体験などを教えてくださる方がいらっしゃいましたら、TwitterのDMなどでご連絡いただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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