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2024年2月に読了した本の紹介

2024年2月が終わりました。

先月の振り返りが思った以上に反響があったので、味をしめて今月もやってみます。
最近はほぼノータッチになっているXの方でも一応、以下のポストをしました。



今月読了したのは以下の4冊です。
それぞれ簡単に書評を書いてみます。



学びとは何か


私が敬愛してやまない今井むつみ先生の本。
認知科学の観点から「学び」の意味を探る内容です。

特に興味深いのは「生きた知識」という概念。
知識というのは独立したものではなく、システムを構築する一部でなければならないと。

言い換えれば、自分の思い込みである「スキーマ」を壊して再構築する手順がなければならない。

例を上げると、
小学一年生のほぼ100%が、小さな発泡スチロールのかけらに対して「重さがない」と答えるらしいです。
でもそれを秤に載せれば、当然重さがあることが分かります。

ここで「重さがあるんだなあ」で終わらせずに、「じゃあ、この塩の粒にも重さがあるのかもしれない」「重さがないものって存在しないのかな?」などと考えること。

この広がり(=スキーマの破壊)を生むことができれば、それは「生きた知識」であると。


今井先生の本にはハズレがないですね。
子どもの学習を軸にしてあるので、子育て世代は一読の価値ありです。


実際に使うことができる「生きた知識」は、単に事実を知っているという知識ではなく、それをどう使うかという手続きまでもいっしょになった知識なのだ。

第五章 熟達による脳の変化 より


世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?


2年ぐらい前に読んだ本の、読み直しです。

海外の一流企業が、企業自らお金を出して、幹部の候補者に「芸術」を見に行かせたりしているそうです。
絵画とか、音楽とか。

本書はその理由を探るものですが、結論を言えば、
論理をあらわす「サイエンス」や経験や実績をあらわす「クラフト」よりも、直感をあらわす「アート」こそがこれからは大切という話です。

私みたいな人間はサイエンスに足が生えたような野郎なので、最初は反発したくもなりましたが、読んでいるとぐうの根も出ないです。

アートの重要性を、サイエンス口調で分からさせられる驚愕の書でした。

この本からの学びは、noteの発信活動にも応用できる考え方だなと感じたので、また何かの機会にまとめたいと思います。

山口周さんの本の中でも、ダントツ一位の売上を誇るこの一冊。
折に触れて読み返したい良書です。


今日、多くのビジネスパーソンが、論理的な思考力、理性的な判断力を高めるために努力しているわけですが、そのような努力の行き着く先は「他の人と同じ答えが出せる」という終着駅、つまりレッドオーシャンでしかありません。

第一章 論理的・理性的な情報処理スキルの限界 より


働き方2.0vs4.0


以前読んだ 橘玲たちばなあきら さんの書籍がとても良かったので、別の本も読んでみたいと思い。

内容を簡単に言えば、「日本は働き方を1.0から2.0に頑張って変えようとしているけど、海外はいま3.0を4.0に変えようとしている段階だよ」というもの。


第二章の「前近代的な身分制社会・日本」が日本社会のイビツさをトコトン突き詰める内容で、ちょっと読むのが辛かったですね。

でも非正規社員や年功序列、定年といった、日本では当たり前に受け入れられていることが海外だと「差別」として映っていることは意識しておかないといけないですね。


論理展開に飛躍があると思っていたら、橘さんへのインタビューをまとめ直したものなんですね。
そのせいか読みづらさを感じたのはマイナスポイントでした。

経済が好調な今こそ読んでおきたい書籍です。


日本という国に生まれたことで、私たちはとても幸運です。その理由は、日本がさまざまな面で欧米から1周遅れだからです。

おわりに より


森林に何が起きているのか


日本の森林伐採の現状と趨勢について知りたくて購入しました。

ただ読み始めてみると海外の森林についての話が多く、また内容も表現もかなり難しかったため、率直に言って読みづらい本でした。

でも何とか読み切ってみると、得られるものが多かったです。


今まで「森林伐採=悪」だと思っていましたが、違いました。
むしろ古い木はどんどん伐採するべきなのだと。

樹木が高齢化すると、二酸化炭素の吸収力が落ちてしまう。
だからそういった木は一度伐採して、新たに植え直した方が良い。

何なら本書には「森林を守ろうとして手付かずにしている田舎の樹木より、人間の手が加わっている都会の樹木の方が環境に優しい」とまで書いてあって、私はそんな馬鹿な・・・という気持ちに。


むちゃくちゃ勉強になりました。


日本は、人も山も少子高齢化で老人ばかりになっている。

第五章 これからの森林管理──林業が拓く森林の可能性 より


まとめ


2024年2月に読了した本を4冊、紹介してみました。
今月は本業がかなり繁忙期だったため、重めの本は読了できませんでした。でも良書ばかりで、収穫はかなり多かったです。


◆ 現在読み進めている本の一覧も載せておきます。

田坂広志・著『教養を磨く』がとても良い本で、ちょっとずつ読んでいるのですが、そろそろ読了が見えてきました。
いいかげんマイケル・サンデル先生の本も読み進めないと。

3月はこの二冊と、FACTFULNESSまで読めれば上出来ですかね。
あとは新しい本もそろそろ仕入れたいところです。



普段は読書によって得られた知見を交えながら、日記やエッセイを書いています。

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それでは、また。

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