氷河期にベーリング海峡が陸化した時代にアジアからアラスカへ渡ったエスキモーの言葉を見つけました。

エスキモーは、私たちモンゴロイドとルーツは同じです。シャーマンは「心的外傷」が深く、それを生き延びたサバイバーだったんじゃないかな？と感じてきました。
そして、心に傷を抱えた次世代を明るい未来へ導いていた。また、人類で最初の精神科医でもあったのではないでしょうか？

シャーマンは、儀礼の際、トランス（解離）も起こします。私たちサバイバーも解離を起こしますよね。

精神科が、精「心」科でなく「神」という文字を使うのは、シャーマン由来なのでは？と、私個人は推測しています。日本の精神科医の大半は、薬を出すだけで、人の心を見ようともせず、シャーマンとはほど遠い存在ですが….。

精神的な病は、神に近づく行為なのだと私は思います。だから、シャーマンやサバイバーは、「闇の世界」から「新たな光」を持ち帰れるのではないか？と私は思います。

ルーマニア出身の宗教学者ミルチア•エリアーデは、1950年に、シャーマンを以下のように定義しています。

上記の書籍には、シャーマンは、深い精神の病を体験することによって、通常の人間が窺い知ることのできない心の深層領域をのぞき込むという体験を持ち、そののち病から癒えることによって、正常の世界への帰還を果たすことのできた人間が「シャーマン」である（シャルル・ステパノフ＆ティエリー・ザルコンヌ, 2014）と記されています。

そして、ユングも、仏教も、果てはダンテの「神曲」も、シャーマニズムによって創造されたものだとも記されている（シャルル・ステパノフ＆ティエリー・ザルコンヌ, 2014）。

現代社会は、効率がすべてを損なってしまっています。「目に見えない病」である「心的外傷」を多くの精神科医ですら、40年放置し、「心の傷」を診ないという実態は、「目に見えるものに価値」を置くという現代社会の象徴でもあります。

人類が文明を手にして便利になってから、等価交換で、「引き渡した」大切なものが沢山あった。例えば、感受性とか、第六感（視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感以外の感知能力。理屈では説明しがたい、鋭くものごとの本質をつかむ心の働きのこと）などでしょう。経験上もあるでしょうけど、漁師や自然を相手にする仕事の人には、蘇る感覚だと思っています。つまり、現代人も、取り戻せる感受性なのです。

また、文字ができてからの人類は、文字に頼って記憶力が各段に弱くなっており、他人の話を聴く能力も失われていったと指摘されています（池澤夏樹氏、講演会より，2010）。

「目に見えるもの」だけで判断し、人を傷付けても自覚すらないという現代社会。医者ですら「目に見える病」しか理解できず、「心的外傷」という「目に見えない病」は、40年も放置で、未だに理解できないという実態が、ここまで日本社会を滅ぼしている根幹になってしまっていても、まだ気が付かない。

私は、精神世界だけでも、「目に見えるもの」だけで判断する人間とは、棲み分けしないと、こちらは、常に心がズタズタにされてしまうのです。

虐待サバイバーという解りやすく表現される「害悪」は、大迷惑だと責めたてたり、「精神的な病状が悪化していると何度も伝えているのに」、そこを狙って攻撃してくる卑劣な医者たち。その陰湿さ、最低さは、日本社会そのものです。医者でも、「目に見えない病」を抱えた病人には、心ない医者たちがあまりに多すぎて、私は、もう、医師や看護師、医療者たちには、何も期待しなくなりました。

マジョリティは、自分たちが毎日ばら撒く「害悪」（無関心・想像力のなさ・単純思考）は、何十年と無自覚という鈍感さがあります。彼らは、自分たちは、誰にも迷惑をかけずに生きていると勘違いしていますが、実際は、違います。こちらは、マジョリティの大迷惑に何十年と追い詰められた結果の今（複雑性PTSDという重度の後遺症）なのです。

効率は、すべてを失わせます。私は、現実世界と霊的世界（現代人が失ったもの）の融合に人類の希望を感じています。この話の続きは、また。

【参考文献】
『シャーマニズム』（2014）. 著：シャルル・ステパノフ＆ティエリー・ザルコンヌ.
『森と氷河と鯨』（星野道夫, 2006）.

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※「虐待の後遺症」の典型的な症例は、以下の書籍にまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生の監修・対談付き。