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【記憶の記録】Dear〜殿下〜

拝啓

急にお便りする事にしました。
命日だからとか、没後3年たったからなんていう理由じゃなくて、チラッとあなたの記事を見たもんでね。



もう20年近く前になるでしょうか?
福岡でライブに来てたあなたが

「どうやらアフターパーティーをしたいと言ってる」

とセキュリティーの仕事してた黒人の友達が、当時クラブで働いてた僕んトコに相談してきた。

「は?今日?」

テンパった理由としては、相手が相手なだけにっていうのもあるけど、当日、それも数時間後にだって。。

今だから言うけどさ、急にサラッと言うのはやめて。

クッソ長いリムジンで店の真ん前まで行く準備、ライブ終了後に館内アナウンスされたパーティー内容の電話対応等々、結構大変だったんだから。


で、とんでもない数の問い合わせのほとんどは
「ホントに殿下はくるんですか?」
「話が出来過ぎなんですけど?」
って、あなたに頼まれてやってる僕がなんで疑われるのさ。
「僕と本人が話して決まったことなんで!」って何度言った事か。


実際にクラブであなたが登場した時。

「DJブースに行くまでバレないようにして急に登場しようか?」とコソコソ隠れて向かった僕達。

いきなりチョコンとブースに飛び乗って腰かけた「殿下」をクラブ特有の至近距離で拝謁したお客さんの盛り上がりを見て、
子供みたいにはしゃいで僕に目を向けたあなた。

何も考えずに2人並んで乾杯したけど、
「アイツ誰だよ!なんで殿下と乾杯なんかしてんだよ!」っていうお客さんの目がちょっと怖かったよ。


「宴も酣」ってやつをあなたと味わった後、控室で
「ところで僕の事知ってる?」って僕に聞いたあなた。僕は

「ぶっちゃけ、今日来てくれたファンの方みたいに曲なんてあまり知らないし、ずっと見てきた訳ではないけど、僕がアメリカにいた時に流行って聞いてた『7』が一番好きだ。」と言った後、続けて

「I think this topic is rude at first meeting but...now you're in the country where the emperor lives you know...」

と伝えると

「oh.....」と、しばらくうつむいたあなた。

そりゃそうだ。普通なら曲の話の様に聞こえるだろうけど、この7という曲は宗教色の強い歌詞で、
本来初対面ではタブー視される話題でもあるし、そもそもそんなつもりで質問した訳ではなかっただろうし。

(うわぁぁぁ・・やっぱヤバい?お気に召さなかった?)という顔をし
た僕に
「tell me about you」と言ったあなた。


僕がアメリカにいた時の事、ピアノとベースを弾く事、日本の事、神社の事、そしてまさかこんな話をあなたと出来るなんてという事を、  
あの強烈な力を持った目でずっと僕を見ながら聞いてくれた後


「I think I like you NOB」


と言っておでこをくっつけて言ってくれたあの言葉は忘れない。


(日本の神様達とは会えたかな・・・)
あの日のおでこの感触を思い出しながら今日は久々に「7」聞いてる。

今はこのnoteってやつであの時話したアメリカの話を書いてます。まだあなたの話題は出て来てないけれど。

今回はあなたに手紙を書く体で文章を書いたんだけど、あなたと過ごした事の自慢とnoteの宣伝も兼ねてる事は見逃してね。

敬具

NOBより

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