書籍「後頭部の記憶」を販売します

こんにちは。影ふみ子です。
この度、本を作りました。「後頭部の記憶」というタイトルの、58篇120ページの詩集です。

2年前、はじめて詩をかいた時から(自分の作品を詩と表現するのは未だに恥ずかしく、どこか謝りたいような気持ちになりますが)いつか1冊の本にしてみたい、という思いがありました。

これまでの、特に、子どもだった頃の自分が感じたことや心に留めてきたこと、誰にも言わずに蓋をしてきたこ

怪物のススメ

わたしがしんでも

オレンジのセーター

生まれてから今現在までのあいだで、たった一度だけ、私は、自分そっくりの人間にあったことがあります。
他人の空似なんてものではない。目の前に、突然大きな鏡が現れたのかと思いました。その瞬間、はっとしたことは確かですが、それは驚きや恐怖といった類の感情ではありませんでした。衝撃、というのも違います。例えるならばデパートの手洗いや服屋の壁に取り付けられた鏡に目をやったとき、鏡に映る自分自身を見るような、

福ちゃんのお面

傘

傘が苦手だ。
傘そのもの、それ自体が苦手というのもあるし、傘をさす行為が苦手というのもある。私は傘を上手に扱うことができない。

まず、どんなに注意深くさしたところで、足を濡らさずに居れた試しがない。大抵の場合、膝から下は十分に濡れる。直接の雨と、自分の靴が跳ね上げる雨、それから傘から滴る雨。雨の日のパンツはもれなく膝下から色が変わりみっともないし、雨粒たちは当然だと言わんばかりに靴の中にも入り込

こどものころすきだったもの