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【タイトルセンスの大事さ】記事を読んで欲しかったら意識してみよう、という話

液体のりに含まれる一成分:ポリビニルアルコール(PVA;PolyVinylAlcohol)を培養液に使うと、骨髄移植するための白血球や赤血球といった細胞を従来より最大1000倍の効率で増殖させるできることが発見されたらしい。今まで使用されていた培養液は数万円/500mLと高額だったので、劇的なコストダウンにもつながり白血病などの病魔から人類を救う希望が見いだされました。今恩恵に与ることはできなくても、実用化される将来が楽しみですね。

でも、このタイトルは真実を伝えるという点では不十分かもしれません。「単にPVAって書いてもお前ら一般人にはさっぱり分からんだろうから、PVAが入ってる液体のりって言えば、さすがのお前らでもこの身近さで分かるやろ?」というような雑さを感じました。シンプルに「PVA、白血病治療の救世主に?」とする方がまだマシでしょうが、ここではタイトル批判をしたいわけではありません。

ここから言えることは、自分の記事をたくさん読んでもらいたければ良いタイトルをつけなければいけない、ということです。実際、この記事は(Twitterでもバズっているように)大衆の興味を引くという意味では大成功しています。でも、「液体のりをそのまんま使えばいい」という誤解を招きかけない日本語の配慮不足は、言葉を商売道具にしている以上は改善した方がいい気がしますね(自分にブーメランが刺さるのでこれ以上は言わない)。

さて、ここでタイトルの大事さが分かる面白い一例をご紹介しましょう。今からおよそ250年前、イギリスにキャヴェンディッシュという貴族の学者がおりました。化学を学んだ私としては、世界で初めて水素を発見(1766年)したり、水を合成した(1784年)という業績のイメージが強いです。

実は彼は物理学の発展にも貢献していて、1797年頃、地球の密度を求めるための実験をして一本の論文を書きました。彼は論文のタイトルをそのまま「地球の密度を測る」にはせず、なんと「世界(地球) の重さを量る」としました。初見の人にとって「物理とか全く分からんけど読んでみたい!」と思わせるこのインパクトのあるタイトルセンスは個人的に素晴らしいと思いました(現在では、電子化されても一度も読まれることのない論文もあるとかないとか・・・)。

専門家と一般人とでは知識や経験の差があるので、何がどう凄いのか?を一般人と共有しつつ、記事や論文を読んでもらえるようにするタイトルセンスの重要性はずっと変わらないんだなぁと感じました。

( 'ω' )っ今日の双裸玉


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