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若い女性にちやほやされる

 ある社内行事でことしの新入社員と接した。

 弊社の採用は一般職・アナウンサー職・技術職の3種。一般職採用たちは、ドラマやバラエティを制作したい、報道記者をやりたい、イベントをやりたい・・・志望動機がそれぞれまったく違う。もちろん営業や総務系に配属されることもあるので、どこへ進むことになるのか、ドキドキさせられることになる。

 30年以上を報道局で過ごした私としても「ことしはどんな新人がいるのかな。報道を希望しているのは何人くらい入ってきたのかな」という興味が先に立つ。

 あいうえお順トップで私の目の前に座っていた女子に話しかけたところ、まさに報道局を志望して入社したという。「お、俺は昭和の入社から2年前までずーっと報道だったよ」と明かすと、「え?そうなんですか!?」と驚いてすぐに近くにいた別の女子を連れてきた。「この子も報道志望なんです!」と2人で目を輝かす。 わずかな立ち話だったが「何年の入社ですか?」「何をやってらっしゃったのですか?」「特派員ですか!?すごいですね」という展開になった。

 まずは、夢と希望を抱いて入社してきた新人の初々しさに圧倒される。そして「面白い話が聞けそうだ」との嗅覚が働くとすぐに同期の友人を連れくるという素直さにも感心させられる。なにより、こちらの話を熱心に聞いてくれるのが嬉しい。

 気がついた。

 そうか、若い女性が熱心にこちらの話に耳を傾けてくれて、さらにちやほやしてくれるのは、ものすごい快感なのだ。決して安くない金銭を払ってでもキャバクラに通うおじさんたちの気持ちはこれなんだな。会社セクハラの土壌もこんなところにあるのかもしれない。

 おっと。大切な新入社員をキャバ嬢に見立ててはいけない。自分の中の“セクハラの芽”に気がついた瞬間でもあった。
(23/4/8)

 


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