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愛とか恋とか、

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愛とか恋とか、別れ話とか。
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1億分の1。

   数え出したらきりがないから、逃げるように思考を止めることがある。  高校時代、友だ…

ある哲学。

 断崖絶壁を選んで咲いた花を見て、わざわざそんなところを選ばなくてもと思うのは、自由。し…

星に願いを~愛を贈る~

 (フィクション)  クリスマスは、忘れられない想い出がたくさんある。わたしは『絶対』と…

misty。

熱帯夜に燃ゆる心 鎮める夜がやって来る 焼かれた星たちが甦る夜 朝が来るまで瞬く光よ 灼…

うつろい。

 バスに揺られてオフィスへ向かっていた。休日出勤というやつだ。市街地へ向かう日曜の朝は混…

ビー玉。

写真の中のわたしは 紛れもなくわたしだけど あの頃よりオトナになって 記憶の中の君の隣に…

慕情。

君を前にすると 想いは溢れて止まらない なのに、どうして ありきたりな言葉さえ 僕は失う 君を前にすると この目は夢中で君を追いかける なのに、どうして 見つめられたら瞬く間 僕のほうが囚われる 君を前にすると 傍にいるのに 遠く感じて 君を前にすると 世界のすべてが 止まる 僕が魔法にかけられたのか 世界が魔法にかけられたのか 嗚呼、たとえ呪いだとしても どうか、まだ、このままで 『他に何も要らない』なんて 歯の浮くような台詞が浮かぶ

どうせ。

ここで止まるようになっていたの 振っても意味なんてなかった 神様のサイコロは目がない ま…

愛なの?

美しく流れる君の髪 寝癖のついた、右肩の毛先 まるで愛されることが嫌いみたい 数奇な出逢…

photograph。

記憶の隙間から 零れ落ちる刹那 悪あがきの フォトグラフ 戻れないと 知っている ここにあ…

トイプードルの君。

 髪を切ったよ。冬も間近に迫って来たから、長さには悩んじゃった。でも君が好きだったロング…

fall。

消せるボールペンで書いた あの日の夢を消しても 筆の跡は残ったまま 轍のように刻みつけた …

雨…la vie en rose。

いつだって、幸せは目の前にある。どんな些細なことだってすべてが奇跡的に成り立っていて、そ…

雨。

窓越しの世界が、直線で切られていく。 アスファルト。コンクリートの壁。電柱。路駐された車。傘。人間が創ったものすべてを叩きつけて跳ね返る飛沫は、この乾いたインナーバルコニーにも侵入した。あれよあれよという間に、竿に雨雫が連なって、ぽたぽたと滴り落ちて染みをつくっていく。 不穏な音が聴こえる。 “ゴロゴロ” と表記するには可愛すぎるそれは、肚の底を刺激して日ごろ窘めている恐れの目を覚まし、あるいは遥か昔、とっくに捨てたはずの幼子のような怯えを呼び戻しながら、だんだんと近づい