写真家塙真一

写真家 塙真一(ハナワシンイチ)です。街スナップ、旅写真、ポートレートを撮ります。 カ…

写真家塙真一

写真家 塙真一(ハナワシンイチ)です。街スナップ、旅写真、ポートレートを撮ります。 カメラメーカー各社のカタログサンプル写真などの撮影や、写真教室などもおこなっています。 写真家としての目線から、写真の力、撮り方、カメラ機材についての記事、エッセイを書いていこうと思っています。

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  • 写真を撮る上で知っておいてほしいこと

    写真を撮ることの意味、写真を撮る上で知っておいてほしいことについて私なりの考えをまとめていきます。ハナワの写真論と考えていただければと思います。 月に2本〜4本の記事をアップして行きます。

  • ポートレイトを撮る人へ

    塙が考えるポートレイト写真のあり方とは? モデルとの接し方、指示の出し方は? どこに注意するともっとよいポートレイトになるのか? などなど、撮り方からRAW現像までポートレイトに関するネタをお届けします。 ポートレイト初心者から上級者まで、みなさんに役立つお話をしていきたいと思います。 月に2〜4本の更新を予定しています。

記事一覧

自分にとっての特別を意識して撮ってみることが大切

スナップにしろ風景撮影にしろ長くやっているとマンネリ化してしまうものです。 「いつもこんな感じだなー」 「代わり映えのない写真だなー」 と思ってしまうことはありま…

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ポートレイトレクチャー「60.私が一枚でも多くの写真をモデルさんに渡す理由」

モデルさんのポートレイトを撮ったあと、多くの人はそのときの写真をモデルさんに送ったりするでしょう。 メールやDMで送ったり、ギガファイル便のようなものにアップした…

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子供の目線と大人の目線

スナップ写真を撮るときは、子供のような目で周りを見ることが大切かなと思っています。 好奇心いっぱいの子供のような心で被写体を見つける、見つめるということです。 …

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写真家塙真一
2週間前
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ポートレイトレクチャー「59.RAWで修正するなら、肌が綺麗になるデータとして撮っておくこと」

ポートレイトを撮る人でRAWデータから仕上げをする人も多いと思います。 RAWデータであればホワイトバランスもフィルムモードも変更できます。というよりも、露出やコント…

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写真家塙真一
2週間前
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スナップにおける露出の重要性について

スナップ写真において露出というのは非常に重要だと思っています。 露出、つまり写真の明るさですね。 厳密に言えば露出とコントラストです。 もちろん、色合いやフレーミ…

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写真家塙真一
3週間前
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ポートレイトレクチャー「58.背景を含め全体を把握しておくこと」

屋外ポートレイトでも室内のポートレイトでも被写体の奥には背景があるのが一般的です。そして背景には色と形があります。 背景がシンプルな撮影は白バック、黒バックとい…

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写真家塙真一
1か月前
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レンズ1本勝負のスナップが画角を見る目を鍛える

みなさんはスナップ撮影においてどんなレンズを持っていきますか? ズームレンズ?単焦点レンズ? レンズは何本くらい持っていきますか? レンズの焦点距離の違いについて…

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写真家塙真一
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ポートレイトレクチャー「57.単なるダメ出しならしない方がいい」

ポートレイト撮影をしていると自分のイメージ通りにならないこともあります。 そんなときについやってしまうのが、「そうじゃなくて〜!」とか「うーん、違うなあ」という…

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写真家塙真一
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トリミングしない前提でフレーミングをすることの意味

スナップにしてもポートレートにしても、カメラを構えたときにフレーミングをおこなうはずです。 どこからどこまでを写すか、どの部分はいらないと判断して画面の外に出す…

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写真家塙真一
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ポートレイトレクチャー「56.肌の露出が多めの写真を撮るときの注意点」

ポートレイトにおいて、モデルさんの肩や足が大きく見えるようなシーンを撮ることがあります。 撮りようによってはヌードっぽくも見えるようなシーンになることもあります…

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写真家塙真一
1か月前
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スナップに最適なレンズ焦点距離は何ミリなのか?

スナップ写真を撮るときにみなさんはどの焦点距離のレンズをよく使いますか? 一般的な画角でいえば、28mm、35mm、50mm、75mm、85mmくらいのどれかという感じでしょうか。 …

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写真家塙真一
1か月前
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ポートレイトレクチャー「55.お肌のトーンを綺麗にするためにわずかな光の違いを見極めること」

ポートレイトを撮る人なら誰でもモデルさんの顔や身体に当たる光を気にするでしょう。 順光にしろ、半逆光、逆光にしろ、どんな光がどこにどれくらい当たっているか、影は…

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写真家塙真一
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カメラを構える前に構図は決まっている

構図というのは、カメラをどの位置、どの高さから撮るのか、ということから始まり、どこからどの範囲までを写すのかということを考えることです。 スナップ写真であれ風景…

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写真家塙真一
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ポートレイトレクチャー「54.ライティングには撮影者とモデルとの共通認識が必要」

今回はポートレイトにおけるライティングのお話です。 スタジオなどでストロボや定常光を使ってライティングする場合、撮影者とモデルとの間には必ず共通の認識が必要とな…

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写真家塙真一
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RAWは生データだっていうけれど。

RAWというのはセンサーからの情報をそのまま記録した「生データ」だと言われている。ここで大切なのは、「データ」であって、「写真」でも「画像」でもないということ。 …

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写真家塙真一
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スナップは身軽が一番という多くの理由

スナップ撮影においては少しでも身軽でいるのが良いと思います。 なるべく機材は少なく、交換レンズも最低限で。 通常の撮影では、考えられる限りのシチュエーションを想…

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写真家塙真一
2か月前
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自分にとっての特別を意識して撮ってみることが大切

自分にとっての特別を意識して撮ってみることが大切

スナップにしろ風景撮影にしろ長くやっているとマンネリ化してしまうものです。
「いつもこんな感じだなー」
「代わり映えのない写真だなー」
と思ってしまうことはありませんか?

このマンネリ化を防ぐ秘訣は自分にとっての特別を作ることだと思います。
いつもとは違う自分らしさを出せる写真。
それには特別が必要なのです。

では、特別とはどういうことでしょう。

特別とは「日常」「いつもの」とは違うことです

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ポートレイトレクチャー「60.私が一枚でも多くの写真をモデルさんに渡す理由」

ポートレイトレクチャー「60.私が一枚でも多くの写真をモデルさんに渡す理由」

モデルさんのポートレイトを撮ったあと、多くの人はそのときの写真をモデルさんに送ったりするでしょう。
メールやDMで送ったり、ギガファイル便のようなものにアップしたりして、
「●●のときの写真です」とやることかと思います。

まず、写真をあげる、渡すという行為に関してですが、最初の約束(契約)になければ、「写真をあげなければいけない」というものではありません。

あくまでも一般的な契約の話しですが、

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子供の目線と大人の目線

子供の目線と大人の目線

スナップ写真を撮るときは、子供のような目で周りを見ることが大切かなと思っています。
好奇心いっぱいの子供のような心で被写体を見つける、見つめるということです。

子供ってどうしてあんなにも好奇心旺盛なんでしょう。
それはきっと、見るものすべてが新鮮に見えるからではないでしょうかね。

歳をとってくるとその新鮮さを保つことが難しく、いつも行く場所、いつも通る道がマンネリ化してしまって、発見や感動がな

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ポートレイトレクチャー「59.RAWで修正するなら、肌が綺麗になるデータとして撮っておくこと」

ポートレイトレクチャー「59.RAWで修正するなら、肌が綺麗になるデータとして撮っておくこと」

ポートレイトを撮る人でRAWデータから仕上げをする人も多いと思います。
RAWデータであればホワイトバランスもフィルムモードも変更できます。というよりも、露出やコントラスト、トーンカーブ、シャープネスなどカメラで設定できるもと同等かそれ以上の調整が可能です。

このため、撮るときに細かな調整をしなくても後からRAWデータで調整すればいいや、と思っている人も多いと思います。

ところが、このあとから

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スナップにおける露出の重要性について

スナップにおける露出の重要性について

スナップ写真において露出というのは非常に重要だと思っています。
露出、つまり写真の明るさですね。

厳密に言えば露出とコントラストです。
もちろん、色合いやフレーミングなども重要なですが、それ以上に露出は写真の印象を大きく変えます。

撮るときに適正な(望ましい)露出で撮っておくことは大切なのですが、場合によっては撮ったあとに編集ソフトなどで露出やコントラストを調整してもよいでしょう。

ポートレ

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ポートレイトレクチャー「58.背景を含め全体を把握しておくこと」

ポートレイトレクチャー「58.背景を含め全体を把握しておくこと」

屋外ポートレイトでも室内のポートレイトでも被写体の奥には背景があるのが一般的です。そして背景には色と形があります。
背景がシンプルな撮影は白バック、黒バックといったスタジオ撮影くらいなものでしょう。
それ以外のポートレイトでは基本的に背景があります。

この背景にどこまで気を配れるかというのがとても大切になります。
というか、まず撮影場所を選ぶ段階で、背景をどうするかを考える必要があるのです。

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レンズ1本勝負のスナップが画角を見る目を鍛える

レンズ1本勝負のスナップが画角を見る目を鍛える

みなさんはスナップ撮影においてどんなレンズを持っていきますか?
ズームレンズ?単焦点レンズ?
レンズは何本くらい持っていきますか?

レンズの焦点距離の違いについては以前のnoteでも書いたことがありますが、焦点距離の違いっていったい何なんでしょう。

広角と望遠を同じ距離から同じ被写体を撮れば、当然望遠レンズのほうが被写体は大きくなります。広角レンズは被写体は小さめに、そしてそれ以外のものが多く

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ポートレイトレクチャー「57.単なるダメ出しならしない方がいい」

ポートレイトレクチャー「57.単なるダメ出しならしない方がいい」

ポートレイト撮影をしていると自分のイメージ通りにならないこともあります。
そんなときについやってしまうのが、「そうじゃなくて〜!」とか「うーん、違うなあ」という感じの言葉。
そんな台詞は言ったことないという人もいるでしょうが、自分の写真へのイメージが強くなればなるほど、こういう言葉が出てしまいがちなものです。

でも、この言葉ってモデルさんにとっては、のびのびと振る舞えなくなってしまいますし、「じ

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トリミングしない前提でフレーミングをすることの意味

トリミングしない前提でフレーミングをすることの意味

スナップにしてもポートレートにしても、カメラを構えたときにフレーミングをおこなうはずです。

どこからどこまでを写すか、どの部分はいらないと判断して画面の外に出すか、などを意識、無意識に関わらず考えているはずです。
もし、何も考えていないようであれば、少しフレーミングを意識してみるとよいでしょう。

さて、この「フレーミング(構図)についてですが、できる限りトリミングしないで済むように撮っておくこ

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ポートレイトレクチャー「56.肌の露出が多めの写真を撮るときの注意点」

ポートレイトレクチャー「56.肌の露出が多めの写真を撮るときの注意点」

ポートレイトにおいて、モデルさんの肩や足が大きく見えるようなシーンを撮ることがあります。
撮りようによってはヌードっぽくも見えるようなシーンになることもあります。

このようなシーンでは、男性カメラマンとしてはなるべく衣装が写らずに、ヌードっぽくみえるように撮ってしまいたくなるものです。

気持ちはよく分かります。

ですが、ここで大切にしたいことは、モデルさんがなぜ肩や足を大きくみせているのかと

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スナップに最適なレンズ焦点距離は何ミリなのか?

スナップに最適なレンズ焦点距離は何ミリなのか?

スナップ写真を撮るときにみなさんはどの焦点距離のレンズをよく使いますか?
一般的な画角でいえば、28mm、35mm、50mm、75mm、85mmくらいのどれかという感じでしょうか。

「レンズの焦点距離は年齢と同じくらい」などと言われることがあります。
20代の方なら24mmとか28mmとか
30代になると35mmくらい
50代で50mm?
そんな風に言われたりします。

この通説については一つだ

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ポートレイトレクチャー「55.お肌のトーンを綺麗にするためにわずかな光の違いを見極めること」

ポートレイトレクチャー「55.お肌のトーンを綺麗にするためにわずかな光の違いを見極めること」

ポートレイトを撮る人なら誰でもモデルさんの顔や身体に当たる光を気にするでしょう。
順光にしろ、半逆光、逆光にしろ、どんな光がどこにどれくらい当たっているか、影はどんな風に出るか、ということを見ていると思います。

写真は被写体に当たった光を捉えてそれが像となって記録されるわけです。
ですので、光を見ないことには始まらないのです。

では、その光をどれくらい厳密に見られるかということが重要になってく

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カメラを構える前に構図は決まっている

カメラを構える前に構図は決まっている

構図というのは、カメラをどの位置、どの高さから撮るのか、ということから始まり、どこからどの範囲までを写すのかということを考えることです。

スナップ写真であれ風景写真であれポートレイトであれ、構図の良し悪しというのは写真の印象に大きく関わるものです。

それだけに構図はより厳密に考えなくてはいけません。
被写体の写る範囲が数センチ変わっただけでもまったく違う印象の写真になることもあるくらいです。

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ポートレイトレクチャー「54.ライティングには撮影者とモデルとの共通認識が必要」

ポートレイトレクチャー「54.ライティングには撮影者とモデルとの共通認識が必要」

今回はポートレイトにおけるライティングのお話です。
スタジオなどでストロボや定常光を使ってライティングする場合、撮影者とモデルとの間には必ず共通の認識が必要となります。
それは何かといえば、「どんなライティングをして、どんな写真を撮るのか」ということです。
光を回してさわやかな感じに撮るのか、それともダイナミックな光を使って印象的な仕上げにするのか。
また、ライティングをするということは光の方向性

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RAWは生データだっていうけれど。

RAWは生データだっていうけれど。

RAWというのはセンサーからの情報をそのまま記録した「生データ」だと言われている。ここで大切なのは、「データ」であって、「写真」でも「画像」でもないということ。

では、なぜRAW現像ソフトでRAWは「写真」として表示されるのか?

それは、「生データ」を元に、そのカメラの設定か、またはRAW現像ソフトのカメラごとの設定を読み込んで表示しているから。つまり、この時点でカメラ設定かソフト設定の値が読

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スナップは身軽が一番という多くの理由

スナップは身軽が一番という多くの理由

スナップ撮影においては少しでも身軽でいるのが良いと思います。
なるべく機材は少なく、交換レンズも最低限で。

通常の撮影では、考えられる限りのシチュエーションを想定して、なるべく多くの機材を持っていく方が後悔がありません。
使わないだろうから持って行かない、でなく、使うかもしれないから持っていく、さらに言えば、まず使わないだろうけど一応持って行く、が正解でしょう。

ただスナップの場合にはちょっと

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