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【社長インタビュー 04】 きちみ製麺には、自分たちの力を試したい事業内容がすべて揃っていた。だから、選んでもらったことに今でも感謝している。

インタビュー取材という手法を用いて思考の《 OUT PUT 》をお手伝いするというこの企画。当時はどんな悩みがあり、どのような解決策を用いたか、社長としての履歴をカジュアルなやりとりでまとめていく。

そう、1回目のインタビュー原稿で「部下」という言葉を使ったのですが、原稿チェック時に高橋社長から「僕は自分の会社の人間を部下だと思ったことはありません」と言われ、結局その部分をばっさりカット。高橋さんは上から目線を感じさせる言葉があまり好きじゃない。
そして今回(4回目)のインタビューでは、グループ化した企業との出会い、決め手の話を聞いたのですが、その間も買収やM&A(紹介所名は別として)といった類の言葉が無かった。こんなやりとりからも彼の人柄を感じとることができる。聞き手としてはビジネス的な言葉を簡潔に使ったほうが原稿にしやすい 笑 が、そこは我慢して、らしさ優先で。。

八戸東和薬品株式会社  代表取締役 高橋 巧さん
八戸東和薬品株式会社ホームページ → hachinohe-towa.com

事業・会社としての強み(当たり前のことを当たり前にやる/生産性を上げるなど)を活かせること。事業承継で葛藤している後継者に対して、自身の経験を活かして手助けしたいという個人の想い。この二点を、高橋社長は次へ進むための約束事にした
↓↓ちなみに前回、第三回目の記事【03】はこちら↓↓

ーーー次へのステップに向けて、他の会社の経営を引き継ぐ=事業承継を、選択肢の中で優先にしたのはなぜ? ですか? 新規事業や派生事業など、さまざまな展開を考えられていたと思うのですが、、、。

もちろん新規事業でやりたいと考えていましたよ。経営者のみなさんと同じように常に頭の片隅には新規事業のこと、アイディアはありました。ただ、なんとなく乗り気がしなくて。。。
前にも言っていますが、僕にはバンドっぽく会社をやりたいっていう強い想いがあるので、笑 誰かと同じこと、お金儲けばかりが先に立つ話とか、自分じゃなくてもできるようなことには触手が動かなかった。
そんなときに、財務的味方の人から、他の会社の経営を引き継ぐことができるというアドバイスをもらったんです。2018年頃に。
その話が自分の中で妙にフィットして、自覚、腹落ちしたんですよね。同時に次のステップへ向けての優先的な目線になって、いくつかお話を頂けるようになっていきました。

今はM&A情報サイトがあったり、事業承継のイベント(高橋さんはスピーカーとして登壇経験もあり)があったりしますが、当時は、今ほど事業承継という言葉が使われてなく、該当する案件も少なかった。
それでもいくつかの案件で話を聞いていくうちに、自分の中で決めた(先に書いた)二つの約束事のほかに、<興味があってワクワクする業種>という条件を追加しました。やっぱり、その仕事にスタイルがあるとか、唯一無二だとか、自分の価値を刺激するものじゃないといけないな、と。しつこいようですが、バンドみたいな会社にしたいんで。笑
で、最初にワクワクしたのは銭湯の案件。今いる仲間たちと汗流しながら働くイメージがすぐに浮かんだ。で、次は衣料品の製造業。ここはMYルールにもハマっていたし、業界を小変革してカイゼンする自信もあったので本気で検討していましたが、折り合いがつかず縁がなかったです。

で、次の案件へと気持ちを切り替えたのですが、なかなか情報が集まらず。少し当てにしていた銀行や周りの人たちからの声がけも少なくなっていきましたね。正直、少ないとはいえ、待っていれば勝手に向こうから案件がくると思っていましたが、全然そんなことはなく、1~2年してからですかね、自分から案件の情報を取りに行かなきゃいけないと気づいたのは。
それから自分主導で事業承継の仲介会社などにエントリーして、担当者と定期的なミーティングを重ねながらワクワクする業種を探していたのですが、残念ながら希望していた青森県内では巡り会えませんでした。。。

ーーーよし!やるぞ!と決めてから約2年。小休止することなく、今度は東北エリアに対象を広げて情報収集し、後に事業承継する「きちみ製麺」のことを知る。このときのこと、覚えていますか?

2021年10月、情報をもらった瞬間「あっ!!」って思いましたね。自分たちが得意なことを活かせるメーカー業種で、B to B、B to Cの展開もあり、やったことのないジャンル・スタイルでしたので、かなりワクワクしたことを覚えています。きちみ製麺さんは、宮城県白石市が所在なのですが、白石に友人が居たり、勉強会で同県の仙台市にしょっちゅう行っていたので、不思議と近い距離感に感じました。
製造、WEBマーケットなど、これまでやってみたいと思っていた事業内容がすべて詰まっていたので、自分たちの力をフルで試してみたい! って願望が生まれましたね。経営者としても。
それと、社会貢献も意識しはじめた時期だったので、100年後にも残るような仕事、100年後まで継なげていく仕事として取り組めたらいいなって。
そして、実際に交渉がはじまると、他の会社の経営を引き継ぐのがはじめてだったのですべてが新鮮で真剣。必要以上に細かくチェックして、かかりっきりの1ヶ月強でした。

よく自分たちのことを選んでくれたなと思います。感謝しかない。

事業承継の交渉が成立するか否かは、最終的には、先方の会社が自分たちを選んでくれるかどうか。きちみ製麺は14代続く老舗メーカーで、こっちは八戸の処方箋薬品の卸会社。まったく畑の違う自分たちをよく選んでくれたなって思います。すごい勇気、決断だと思います。もう、感謝しかない。
交渉時は、お互いに耳が痛くなるような話にもなりましたし、現実を直視する内容も多々ありましたが、それでも会長(当時は社長)が前向きに捉えてくれたのは僕にとって有り難かったですね。

ーーー事業承継が正式に成立。実際に経営を引き継いだ高橋社長の率直な感想は? それと、少しイジ悪かもしれませんが、事前リサーチしきれなかった想定外のところ、とかあったら教えてください。笑

きちみ製麺は125年以上続いている会社で、主に製造しているのは白石温麺(しろいし・うーめん)になります。400年愛され続けている食材。そう聞くと、超ベテランばかりが働いている印象ですが、実際は40歳代のスタッフが多く、まさにこれから!というイメージ。変化にも柔軟で、自分たちのこともすぐに受け入れてもらえました。
八戸東和のスタッフも携わっているのですが、それぞれの商慣習の違いをすり合わせしながら、コツコツやる、考え抜くといったカイゼンのキーワードを浸透させる作業からはじまり、お互いを尊重しあいながら新たな目的作りなどを共同で作業しています。


そうそう、自分で言うのもなんですか、ウチの温麺は本当においしい。そんなおいしい味にこだわっているのもあり、スタッフはみんな真面目ですし、新しいオペレーションにも積極的に取り組んでもらえるので、一緒に仕事をしていて楽しい。こういう仲間に恵まれたことが一番の感想ですかね。
想定外? は、引き継いだ翌月に福島県沖地震があり、工場のボイラーが破損して高級外車一台分くらいの修繕費がプラスされたことです。 笑

↓↓白石温麺、きちみ製麺の商品、そのほか歴史などはこちら↓↓
きちみ製麺ホームページ → https://www.tsurigane.com/

手にする側、手放す側、お互いの思いが合致しなと事業承継は成立しない。改めて勉強させてもらいました。これまで高橋社長が言葉にしてきた条件がフルでマッチした会社・案件に出会えたのはすごい。縁ってあるのかなと思ってしまいます。え?? また何かご縁があったようなので、次回のインタビューではそのへんを。

↓↓ちなみに第一回目の記事【01】はこちら↓↓

↓↓ちなみに第二回目の記事【02】はこちら↓↓


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