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つながりやすくなることで深まる「孤独」

「孤独」が社会問題として注目度を増しつつあります。

2018年1月、イギリスは「孤独担当大臣」を任命し、本格的に孤独対策をスタートしました。

よく言われていますが、孤独になることで「1日にタバコ15本吸うこと以上の健康被害」があり、「寿命を10年ほど縮める」というデメリット盛り沢なのです。

そんな「孤独」を解消するには四の五の言うのではなく「居場所」があればいい。そんな居場所を子どもたちと共につくっています。

と宣伝を挟みつつ、真面目な話。

イギリスが国家レベルで動き出したということは、それほど「孤独」という問題の闇が深いということでしょう。

そして、「孤独」の問題は大人だけではありません。未来を担う子どもたちの世界にもじわじわと広がりつつあるのです。

だからこそ、子どものうちから「孤独」を感じないための手立てを教えてあげた方がよい。

そんな記事となっておりますので、ぜひとも読んでみてくださいね。


▼つながりやすくなったことのデメリット

子どもたちと話をしていると、たまに「友達が〇人もいるんだ!」という意地の張り合い現場に遭遇します。

もちろん、「友達は多い方がよい」という前提になったマウントの取り合いなのですが、この争いには全くもって意味がありません。

過去記事にも書きましたが、友達は「量」ではなく「質」であり、本当に相手のことを思って深い関係を築いていきたいと思えば思うほど、関係性を築くことができる人数は少なくなってくるのは当然なのです。

しかし、子どもたちの考え方の偏りは、「なんでも多い方がよい」とか「勝負は買った方がよい」みたいなドストレートな答えを求めている。

まぁ、そのような考え方から抜け出せないのはその子どもさんの考え方なので否定はしません。しかし、「多いほうがよい」という価値観の裏側に「比較」の罠が隠れているのです。

長く短い人生を最高に最悪なメンタルの状態で進みたいのであれば、おすすめしたいのは他者との「比較」です。

自分がどれだけ努力して活動を継続してそれなりの「成功」を得たとしても、自分よりもすごい人は必ずいる訳で、その人と「比較」したら、「どうせ自分なんて」という思考に覆われてしまうでしょう。

これが本当にいけない。

このような「比較」と仲良しになってしまうと、成長している自分を認めることができなくなってしまうかもしれません。

そんな「比較」の罠をはりめぐらし、あなた自身の自信を喪失させようと虎視眈々とねらっているのがSNSのような”つながりやすさ”を提供するツールなのです。

▼つながりやすくなることで深まる「孤独」

SNSが存在していなかった一昔前、小学校の友達関係の大部分は学校生活と放課後の遊びに限られていました。

しかし、SNSを使うことが当たり前になった現代。友達との関係性は、24時間切れることはありません。

小学校高学年にもなれば、親子の会話よりも友達とのSNS上のやり取りに何倍もの時間が費やされていることでしょう。

ある調査で、子どもが思春期頃になると影響を与える人物が親から友達に変わることが分かっています。

親御さんのよかれと思った指摘が、友達関係に触れてしまうと嫌がるお子さんは多いでしょう。

そんな絶妙な親子関係でよく聞く話が、スマホを手放すことができないというもの。どうやら、お風呂でもベッドの中でもずっとメッセージをやり取りしているらしい。

大人からしてみれば、明日も学校で会うんだから…と言いたいところですが、子どもたちからしてみれば、一時的にも「つながりが切れてしまう」という状態は、子どもにとってとても切実な問題なのです。

そしてここに「孤独」が隠れている。

ある意味依存症とも言える状態でメッセージをやり取りしている本人は「孤独」なんていう言葉が自分の背後に隠れているなんてことは夢にも思わないでしょう。

しかし、客観的に見れば、「メッセージを返さないと人間関係が壊れてしまうかもしれない」という同調圧力からくる不安感で必死になっている状態は、孤独を怖れて行動する「強迫観念」にも似たものを感じます。

何も「スマホをもつな」とか「オンラインゲームをするな」と言っている訳ではありません。

大切なのは、「自分が居心地のよい”つながり”を築く」ということ。

本当の友達は、「お互いの生活スタイルを尊重し合って関係性を深めていくことができる」ということ。

そして、「よりよい関係性は自分から選べる」ということ。

さらに、「今のあなたが身を置いている環境の中で関係性を選ばないといけないということではない」ということ。

ときに、「自分と価値観が合う人がいない」と悩むことがあるかもしれません。それは、あなた自身が「自分」を理解しているということでもあります。

そんな「自己理解」が深まった人であれば、「自分はどのような環境に身を置くことで居心地よく過ごせるのか」というところまで自分自身を深掘っていくことができるでしょう。

そんな深掘りの先に、何となくでも理想の環境が見えてきたのなら、その環境を探していったん身を置いてみるのがよいでしょう。

このような努力は、一見めんどうにも思えます。

何も考えることなく、たまたま置かれた環境で満足し、たまたま出会った人間の中から関係性を築いていけば余計な努力は必要ないからです。

しかし、何もかも「たまたま」をただ受け入れて流されていく人生にあなたは満足できますか。

少しでも違和感があるのであれば、少しだけめんどうな努力をしてみようではありませんか。

あなたの実力を存分に発揮させてくれる必需品は、心地よい「環境」と「人間関係」なのですから。

”つながりやすさ”第一主義に徹して後悔するのではなく、あくまでも自分を主軸に据え、自分で選択して自分で人生を切り開いていくことが主体的に生きることだと思うのです。

▼まとめ

本記事では、「”つながりやすさ”が孤独を深める」という内容を書きました。

こんなことは、学校では絶対に教えてくれません。

しかし、家庭では「友達は多い方がいいよ」とか「子どもなんだから」といった間違った選択を促されることもしばしば。

ぜひとも、社会の変化と共に価値観もアップデートしましょう。

もちろん、ここに書かれたこともいつかは古くなり、時代錯誤感が漂うかもしれません。

しかしながら、いつの時代になっても「自分で考えて選択する」ということの価値は色あせないでしょう。

AIが民主化され、ますます手間のかからない時代になったからこそ、「自分」に対してもっと天塩をかけてあげることをおすすめします!



📙「不登校の教科書」ダウンロード開始と思いきや・・・

どうやらkindleは、「出版する」からの審査時間があるみたい。

30分ほどでさくっと読めます!

少し時間がかかっていますが、ぜひぜひダウンロードしていただけると嬉しいです(^^♪




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