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人生を変えた一枚のポスター

大学の卒業旅行は九州の一人旅でした。

1年の夏合宿で訪れた時に乗れなかった路線をすべて踏破し、九州の鉄道路線完乗を果たす旅でした。

途中、同じ会社に内定した同期と吉松駅(肥薩線)でバッタリ出会うという素敵な偶然にも恵まれたりして、基本的には楽しくマイペースで充実した旅行でした。

そんなさなか、佐賀県の西唐津という小さな終着駅に立ち寄ります。

乗客の多くは一つ手前のターミナル唐津駅で降りてしまうため、ここ西唐津には出入庫に必要な最低限の列車しか来ない、そんな寂しいところです。
(そのほかに唐津線のディーゼルカーもやってきます)

ふと駅の出口を見ると、一枚のポスターが目に留まりました。

2014年12月27日20時07分23秒


途端に胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。

「学生時代にサッカーをすることは、ついに叶わなかったな…」

みるみるうちに全身を包み込む後悔の念。

泣こうが喚こうが、これからは社会人として生きていかなければならない。

止められない時の流れ。

巻き戻しはできない時の流れ。

動かしようのない、冷徹な現実を突きつけられた思いでした。


しかし「だからといってサッカーのことを忘れないで」というメッセージを、この時に無意識に受け取っていたのかもしれません。


もしあのポスターを見ることがなかったら。

会社の同好会でサッカーを始めることはなかったかもしれない。

金輪際サッカーと関わることをあきらめていたかもしれない。

苦しむこともないが、刺激のない退屈な人生になっていたでしょう。


マイペースな卒業旅行の、良いスパイスとなりました。

めぞん一刻流にいえば春のワサビ

いや九州だから柚子胡椒か?


人生を変えてくれた、大学サッカーのポスター。

もちろん、いいほうに。

※トップ画像 九州の鉄道完乗を果たした西鉄宮地岳線・津屋崎駅
       末端区間の廃線により現存しません。

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