12月10日

 パソコンがインターネットに接続できなくなった。無線なので、スマホでは接続できていると確認できるが、パソコンではエラーになる。メールの送受信は出来るし、インスタグラムは見られる。プロバイダーのメールサイトにも繋がるのだが、他がすべてエラー。面接対策も滞り、ハローワークなどの就活サイトにアクセスすることも出来なくなった。
 インスタ&メールサイトのみOK…というパターンは過去にもあり、電源を落としたうえで各種電源を抜く…という方法で回復したこともあったが、連日連夜試したこの方法も、スマホの小さな画面と格闘しながら調べた様々なその他の対策も、何ひとつ効果が出なかった。
 面接対策どころではなくなった。
 大掃除ノルマの合間を縫って家電量販店を廻る。どの機種も求めているシステムの何かが欠けているのに、値段は予算以上。パソコンという機器を使いこなしているわけではないので、必要最低限の単純なシステムが装備されていれば問題ないのだが、その〝必要最低限〟の重要な部分が欠けているものが殆どなのであった。
 毎晩ブラウザを立ち上げるが、何度やっても無駄である。
 メールを確認した後、寒さに耐え兼ねて布団にもぐり、求めている機種をスマホの小さな画面で探す。ハローワークサイトも覗くが、〝スクロール〟という機能が眼精疲労を引き起こし、埒が明かなかった。
 思い立ってメーカーに電話する。買い替えを前提とした相談であった。
 電話は嫌いである。身内ですら、必要最低限の会話でとっとと切ってしまうくらいだ。本来なら、見ず知らずの人間と、話なんてしたくない。
 しかし気持ちの良い電話になった。受付対応は丁寧で、混雑していたために時間を追って再度かかって来た専門員の対応も、素晴らしく親切。適当な機種を見繕ってもらい、それに何を付けて何を削るか、適宜対応してもらった後、即決したことで数千円割引してくれた。商売の一環かも知れないが、素直に気持ちが良かった。
 オペレーションセンターの仕事が、自分に出来るとは思えない。そもそも電話が苦手な私には勤まらない仕事である。顔が見えない点を悪用した、難しい客が多いイメージも拭えない。対応マニュアルや研修など、社員教育は徹底されているだろうが、誰もが上手く立ち回れるわけでもなかろう。
 私が当たったのがたまたま良い人だったのか、私が案外良い客だったのかわからないが、コロナ禍兼無職引き籠り状態で他人との関わりが途絶えて半年以上である。赤の他人で、恐らく今後出会うことすらないような人とのケーブルを介した関わりが、とても幸せだった。
 新しいパソコンが届くまで、一週間を要すると言われたが、掃除が忙し過ぎて気が紛れる。しかし、インターネットが繋がらないということが、こんなに不便だとは思わなかった。本格的に就活を始めて一年以上、ネットで情報を探し続けているので尚更だ。毎月、『来月からはきっと…』と思いながら就業を目指してきたが、『新年にはきっと…』という切実さにも暗雲が立ち込めてきた。新しい年まで残り半月である。

 

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