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しみじみエッセイ

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半笑いの表情で書いています。
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#随筆

暗がりの中で本を読む

罪悪感が伴うと、愉しみは一層つよくなる。
そしてそれは深夜に起きることが多い気がする。
ラーメンもプリンも、音楽も映画もタバコも、夜のほうが絶対ウマい。

私は本を読むのも、夜のほうが楽しいように思う。
それも暗がりの中で、少しの明かりを頼りに読むほうが。

目にも悪いし、昨今はスマホで明々と照らされた画面もあるものを、敢えて紙の本で「読みづらいなぁ」と思いながら読むのが好きだ。

ひっそりと隠れ

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【エッセイ】死に際に笑う

【エッセイ】死に際に笑う

今際のときになって、にやりと笑って消える。
そんな死に際に憧れる。ゴールド・D・ロジャーみたいな。

人には誰しも、表立っては言えないようなものがある。
やましさだったり、嫌悪だったり、願望だったり。
多くの共感を生むような言葉には、いつも反論がつきまとう。
そうした反論が怖くて黙ってみたり、勇ましく宣言してみたり、レトリックでごまかしてみたり、あるいは潔白のように振る舞ってみたり、どちらにしろ批

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