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そうじして、昼寝して、料理して (2)

毎朝、暑かろうが寒かろうが、雨だろうが大雪だろうが、玄関のドアを全開にして掃きそうじをする。どこから来たのか、どうやったらこんな物ができるのかわからないホコリのかたまりや、誰かの靴にくっついて入ってきた土を、愛用の箒で
「エイヤー!」
と掃き出す。箒の…なんと呼ぶのか?先のバサバサの部分は、何かしらの植物でできていてちょっと硬めなので、力の入れ具合で実に使いやすい。これをダイソーで売っているのだから、ありがたいことである。

そんな朝の習慣を邪魔するヤツが現れた。
同居している父である。夫は婿養子なので(感謝しております)、私達は私の両親と暮らしている。毎朝、犬のさんぽをする父は、なんと!私がそうじしたばかりの玄関に泥まみれのクロックスを脱いだままにするのだ!
ーー今、掃いたばっかりじゃん…ーー
汚れのみならず、私は玄関に靴を出したままにしてあるのがとにかく嫌だ。
そこで、
「駐車違反!すぐに移動してください」
という貼り紙を作り、父のクロックスにセロテープでとめてやった。数分後、すまんすまんとそれを片付ける父を見て、
ーーよしっ!ーー
とニンマリした。父よ!それで良い。
しかし翌日、そうじを終えた私が見たのは、やっぱり泥まみれのクロックス。
ーーなんでじゃ!ーー
昨日の「すまんすまん」は何だったのか。それならこちらもやるしかない。再び貼り紙の登場である。
「駐車違反!次回からは罰金が発生します」
セロテープでしっかりとめた。父の反応は、「おお〜!すまんすまん。罰金?厳しいのう」と、慌てて片付けていた。
更に翌日、やはり…それはそこにあった。
ーーはあ〜?ボケとるんかい!ーー
いよいよ罰金の取り立てを開始する。
「駐車違反!再三の忠告無視のため罰金1,000円徴収します」
セロテープでベタベタに貼り付けた。まあ、本気で徴収する気は無かった。おもしろおかしく注意したかった。「うわー!」と叫ぶ父の声が聞こえた。ニンマリ。
その日の夕方、私の部屋に上がる階段に、コーヒーのペットボトルが1本と「これでお許しください」と書かれた紙が置いてあった。
ニンマリ。

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