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「メモのすすめ ~B to B(back to basic)~」

ここ最近になり、SNSなどを通して「メモ」についての話題を目にすることが多くなり、若いビジネスパーソンの間でも「メモ」をすることへの評価が高まってきているようです。その背景には、SHOWROOMの前田祐二さん著「メモの魔力」(2018 幻冬舎)を含めた複数の書籍が大きな一因となっているのは確かなようです。デジタル時代に生きるからこそ、アナログの持つ効果を最大限に活かすことで、デジタルを超える力を発揮することが可能となります。正に、これからの時代に求められる ”Fusion of Analog and Digital” の実践であると言えるのではないでしょうか。

私もメモ魔の一人であり、既に以前のブログ記事にて私のメモに関する持論を述べさせて頂きました。

2019年3月6日付「 MBAデザイナーnakayanさん流「メモの魔力」 」

https://note.mu/happybongo/n/n8d2e8b9af2f4

要約しますと、メモには「一時記憶用のメモ」と「考えるためのメモ」があることを前提として、「一時記憶用のメモ」を取ることは、直ぐに忘れても問題ない状態にするため、つまりは目の前の仕事に集中するために行い、「考えるためのメモ」は気付き、考え、実行するために行います。換言しますと、事実、解釈、実行とも言えます。全ては、無駄な実行をせずに正しい実行へと繋げるために行っているとも言えます。

私の現在のメモの習慣に至るまでには、これまでに多くの書籍を参考にした上で、自らが実際に実践し、選りすぐってきましたが、これまでに参考にした書籍の一つには「竹中平蔵さん著「竹中式マトリクス勉強法」(2008)」があります。


竹中式マトリクス勉強法では、メモをすることについて以下のように述べられています。

以下引用。

「メモを持ち歩け」メモを持ち歩き、アイディアや目にとまった情報を書き込むのも、勉強の質を高める効果的な方法です。というのも、人の記憶はさほどあてにならないから。人間は何事もすぐに忘れる傾向が強いので、自分の頭をあまり信用しないほうが無難です。私は経済財政担当大臣就任直後から、日記をつけましたが・・・(中略)・・・、今頃になって読み返してみると、「そういえば、こんなこともあったっけ」とすっかり忘れていることが実にたくさんあります。この日記がなければ、手記の出版など、絶対ありえなかったでしょう。また、メモや日記は後から読み返してみると、反省材料にもなります。実際、私は日記にあえて失敗を書き込むことで、「こういうことはもうしない」といった教訓をたくさん得ました。

さらに、メモや日記は、企画のプランニングなど、試行錯誤するための格好のツールとなります。複雑な問題の解決には、熟考を繰り返すことが欠かせないものですが、ただ1時間も2時間も根をつめて考えていても、堂々めぐりで終わってしまうこともあります。ところが、日頃から浮かんだアイディアをメモし、読み返す癖をつけていれば、別の思わぬアイディアが浮かぶこともあります。原稿にしてもそう。一度、ザッと書き上げた粗原稿を持ち歩き、移動中に読み返し、添削していけば、最終的な仕上がりが変わってきます。

・・・(中略)・・・人間は習慣の動物です。いつでもどこでもメモを取る癖がつけば、せっかく浮かんだアイディアを逃してしまうことも、大事な仕事や勉強のノルマを忘れることもありません。やはり”メモカ”はビジネスパーソン必須の能力です。わけでも、私は財務官僚のメモ力には感心した覚えがあります。・・・(中略)・・・彼らの能力はやはり押し並べて高い。特に、私がちょっともらした一言でも聞き逃さない姿勢には脱帽しました。「先日、大臣が仰ったことですが、参考になるかと思いまして、資料をお持ちしました」などという具合に、気を利かせてくれるのです。こうした機転の裏には、彼らの何でもメモする癖があることは、いうまでもありません。・・・(後略)


改めて、竹中さんが著書の中で仰っていることに鑑みた上で、私の「解釈」を加えますと次のようになります。

■メモをしない人は、自分の頭を過信している可能性大。

■メモをしない=メモを読み返すことがない人は、自らを客観視する視点が欠落している、或いは反省することがない=成長しない可能性大。

■メモをしない人は、堂々めぐりの思考(意図的思考)には長けるが、イノベーション力やアイデア力(創発的思考)が欠落している可能性大。

■メモをする必要はないとメモをすることを軽んじる人の周りにはメモをしない人が集まる。つまりは気が利かない、或いは、機転が利かない人間が集まる可能性大。


上記にまとめた「解釈から推測に至る内容」を「メモが不要であると言っている人たちの周りにある事実」と照らし合わせてみますと、「やはりそうだよな」と納得に至ります。これまで、私自身が違和感を感じていた内容が明確になった感すらします。

その上で、上記の解釈から私の実行は次のようになります。

■自分の頭を過信しているような人や、反省のない人、或いは成長性のない人とは距離を取った方が賢明ですので、可能な限り距離を取ります。

■今の時代は、創発的思考が求められ、参考にする要素は限りなくないに等しいが、意図的思考の参考にはなるので必要な際は参考にする。しかし、創発的思考の参考にはしない。

■私自身も、気が利き、機転の利く人でありたいので、改めて「メモ」を取ることを重視する。更には、私の周りには、気が利き、機転の利く人たちに集まって貰いたいので、「メモを取る習慣があるかないか」を一つの判断材料として見ることにする。


※こちらは2019年3月20日(水)のnakayanさんの連続ツイートを読みやすいように補足・修正を加え再編集したものです。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

記事:MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ 2019年4月8日付

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