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綾部まと
2022年5月14日 22:05
三人目を産んで退院した朝。病院に迎えに来た夫は夜勤明けらしく、人生最悪の夜を乗り越えたように疲れ果てて見えた。これではどっちがお産をしたか分からないなと思いながら家まで歩いていると、彼は言った。「昼飯はおかんが準備して、家で待ってる」。彼の弾んだ声は空腹と、不吉な予感をもたらした。彼の好物はたいだい苦手だった。「何だった?」「お好み焼き」。沈黙。夫は言葉を続けた。「まとがお好み焼き嫌いって、おか