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ノンフィクション

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エッセイです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

もう、入園準備は怖くない。 #メルカリで見つけたもの

保育園に入園すると、そいつはやってくる。苦手だからと今までの人生で避け続け、なんとかして直面しないように生きてきた――「裁縫」が。

街中に布地やボタンなどの裁縫用品は使う店は多い。本屋にもコーナーがあることから、世の中の需要は高いのだろう。しかし、私は悲しいくらい裁縫が苦手だ。そもそも針に糸を通すことすらできない。諦めて針をその辺に置いといて、後で足や手に刺さってしまい「くそ、裁縫め……」と余計

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東大医学部の卒業式で見た、親の共通点

東大医学部の卒業式で見た、親の共通点

東京大学の卒業式へ行った。そこで見た「親の共通点」がはっきりしていることに衝撃を受けたので、話そうと思う。誤解を生まないように説明しておくと、私の卒業式ではない。参加の理由は、今回の記事では関係ないので省かせていただく。

東大の卒業式は例年2日間にわたって行われる。22日は修士と博士、23日は学部生だ。1日の中で3部制に分かれており、学部によって式の時間が違う。私が見てきたのは22日の第2部で、

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10万課金で気付いた、サウナ向け最強トリートメント~相性最悪な「髪質改善」メニューも紹介~

10万課金で気付いた、サウナ向け最強トリートメント~相性最悪な「髪質改善」メニューも紹介~

サウナが好きだ。それでも髪は傷めたくない。そんな浅ましい欲望を抱く同志たちに朗報だ。ついに最強のトリートメントを見つけた。

初めに断っておくが「こちらのリンクから購入したら55%オフ!」「今なら定期購入が初回99円!」というクソみたいなアフィリエイトは貼っていないから安心して欲しい。

私は美容系のライターではないし、美容師でもない。ただハイライトを入れていることもあり、傷むのが早い。髪が傷むと

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雨の日は軽率にタクシー使っていいよ~仕事の成果は"仕事以外"で8割決まる~ 

雨の日は軽率にタクシー使っていいよ~仕事の成果は"仕事以外"で8割決まる~ 

大事な会議の直前に、親から憂鬱なLINEが来た。"お願いだから、この日だけは"という日に、保育園から「お子さんがお熱で……」とお迎えを要請された。正直言って仕事どころじゃない。そんな経験は、誰もがしたことがあるんじゃないだろうか。

子連れ共働き世帯は、仕事以外の環境をどう整えるかで、仕事の成果が決まる。仕事の成果は"仕事以外"で8割決まると言ってもいい。3児の母である私は十数年に及ぶ社会人生活を

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人前で屁をこき続けてきた半生でした。俺はどうやら、とんでもない思い違いをしていたようだ……

人前で屁をこき続けてきた半生でした。俺はどうやら、とんでもない思い違いをしていたようだ……

私には18年間思い込んできた事実がある。それは「人間がおならをしても、その臭いがわかるのは自分だけ。他人には決して臭いがばれることはない」というものだ。

今思えば、恐ろしい話である。なぜそのように思い込みに至ったのかは定かではない。おそらく当時の私を取り囲んでいた優しい人たちが、私をおならをしても知らんぷりをしてくれていたからだろう。幸か不幸か、一人も「うわ!お前、屁こいただろ!臭えよ!」と言っ

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大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう

大丈夫じゃなくても大丈夫なふりをしてしまう

先日アフタースクールの面談で、小学1年生の長男がどう過ごしているか教えてもらった。「基本的には問題ないんですが、大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをしてしまう時があるんですよね」と先生から言われた。

長男にはよく一緒に遊ぶ、Aくんという男の子がいる。Aくんは長男と二人きりで遊びたいタイプの子だ。だから他の子たちが「仲間に入れて!」とやってきた時、Aくんは長男に「なんか、人いっぱい来ちゃったな……あっ

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「最近、面白い小説がないな」という人へ、絶対にお勧めできる海外の小説たち(2024.3.5更新)

「最近、面白い小説がないな」という人へ、絶対にお勧めできる海外の小説たち(2024.3.5更新)

本屋をブラブラしても「面白そうな小説がない」と感じる。あるいはパラパラっめくってみても、全く食指をそそられない。昔は小説が好きだったんだけど、最近は面白いものに出会えない。そんな人は多いと思う。

そこでおすすめしたいのが、外国人作家の小説を読んでみることだ。ドストエフスキーとかエミール・ゾラとかの古典ではない。本屋を当てもなく彷徨っている人の大半は心が疲れているから、古典を読む元気はないと思う。

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離婚しても死なないように、投資信託を買う

離婚しても死なないように、投資信託を買う

 「職業はライターです」と言うと、相手の顔色が変わることが多い。相手が金持ちのハイスペ女性だと顕著だ。有名私立女子中学から一流大学を出て、外資系企業でバリバリ働いているくせに、なぜか立ち振る舞いはトラック運転手のような女性。そんな人種には言う前から分かる。今まで同じ部屋で和やかに話していたのに、職業を知った途端に、さっとカーテンを引いて奥の部屋に引っ込んでしまう。

 この反応は無理もない。「どう

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「何も学ばない」を学んでみる

「何も学ばない」を学んでみる

「また出たよ、1月恒例のお題が……」

そう思った人も多いのではないだろうか。今回の「今年学べたいこと」のように、「今年こそ」系は1月には多く見かける。

少しだけ思い返してほしい。果たして「今年学びたいこと」に掲げたことが、「今年学べたこと」として、年末に振り返ることができただろうか。

私の経験から話すと、ほぼない。
1月に立てた目標なんて、きれいさっぱり忘れているからだ。

じゃあ、目標を立

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ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

第二子の育児休業は、ぎっくり腰とともに幕を開けた。

長女が生まれたのは、長男が2歳の頃だった。0歳と2歳の子供たちは、二人とも赤ちゃんみたいなものだ。どこかへ移動する時は2歳長男をベビーカーで、0歳長女を抱っこ紐に入れていた。

栄養不足、運動不足、寝不足。母親にとって産後は、足りないものをあげたらきりがない。育児給付金もしばらく経たないと振り込まれないから、お金も満足にあるわけじゃない。
当時

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中国の田舎で、詐欺に遭う #わたしの旅行記

中国の田舎で、詐欺に遭う #わたしの旅行記

まさか自分が詐欺に合う日が来るとは、思わなかった。

あれは十数年前のゴールデンウィーク前。「ANAのマイルが失効しそうだから、一緒に海外旅行へ行かない?行先は上海ね。もうチケット取っちゃったから」と、同期の女性に声をかけられたのがきっかけだった。

今思えばずいぶんと雑な誘われ方かもしれないが、私はひとつ返事で了承した。当時の私たちはメガバンクで法人営業をしていて、小さな箱の中にぎゅうぎゅうに押

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【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

【エッセイ】創作大賞の中間選考を通過するまで~自己肯定感とのデスマーチ~

「五菱銀行 怪奇事件 専門課」が漫画原作部門を通過するまで

五菱銀行 怪奇事件 専門課「呪いの銃①」 が、noteが主催する創作大賞の中間選考を通った。これまでに出版詐欺に遭い、賞に応募して落選することに慣れ切っていたから、「【おしらせ】あなたの作品が創作大賞の中間選考を通過しました」というメールを受け取った時、「詐欺か?」と感じてしまった(運営さん、疑ってすみません)。

また創作大賞には四部

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歪んだ承認欲求を正してくれた会社

歪んだ承認欲求を正してくれた会社

銀行に勤めていた頃は、取引先を含め数多くの会社を見てきた。従業員の方たちが精悍な顔つきで、「ここに転職するのもありだな」と感じるオフィスもあれば、「この社長と副社長のコンビでは大変だよね」と社員に同情してしまう企業もあった。銀行を離れてからは特定の法人と深く関わることはなかったのだが、ある日を機に、大きく価値観を変えてくれる会社と出会うことになった。

・会社との出会い、推すきっかけ

きっかけは

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嫌いな海、狭い心

嫌いな海、狭い心

海が嫌いだった。消したい過去のように、洗っても足にまとまりつく砂。ビーチパラソルを建てたところで、ほとんど逃げられない日差し。夜には日焼た肌がヒリヒリと痛み、黒く焼けた肌には脇腹の白さが醜く目立つ。だから子供の頃に親に連れられて以来、海に行くことは一度もなかった。

私は自他共に認めるように心が狭く、嫌いなものが多い。相手を嫌う感情は、自然と伝わるものだ。特に今年の夏は「地球奮闘化時代」の気候のせ

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