見出し画像

昨日、喫茶店で(140字小説*23)

JAZZ喫茶の床に、仰向けの蝉がいた。客の鞄か服にでも着いて入ってきたのだろうか。少し動く。まだ生きているようだ。僕はティッシュで蝉を包み、店の外の路地の木の根元に蝉を置く。蝉の死に場所としてふさわしいと思ったのだ。「JAZZを聴きながら死にたかったのに」そう呟き、蝉は息絶えた。

#140字小説 #掌編小説 #超短編小説 #日記 #創作小説 #JAZZ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?