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『アフリカ』vol.30(2020年2月号)の予告編

『アフリカ』の新しい号を本日、無事に(たぶん無事に)入稿。どれだけ楽に、無理のないようにやろうとしても、最後は、グイッと集中しないと出来ない。何しろ、最後は全ページをプリントし直して、通しでチェックしないと気がすまない(ページが増えれば増えるほど時間がかかる)。もう何度も見て、執筆者本人にはもちろん校正のKさんにも見てもらって、たびたび手を入れているのに、まだやらないと気がすまない。

本をつくる仕事をしている人にすれば当たり前のことだろうけど、こういう、何というの? リトル・プレス? の割には、えらいしっかりつくってますね? とたまに言われる。しょうがいないよ。こういうふうにしかつくったことがないんだから。最初から手を抜いていたらよかったんだろうけど、14年もやってきて(その前にやっていた雑誌から数えると17年?)、今更変えるというのもね、縁起が悪いというか、そういうところは変えたら、運(というか念力というか)が逃げてゆくからサ。──なんてブツクサ言いつつ、終わってみるとやっぱり嬉しい気持ちもある。もう、やらなくていいんだからね。終わったら、さぁまた次、という気持ちだ。こういうのはやったことのない人には説明が難しい。

前置きをダラダラ喋ってしまったが、『アフリカ』の30冊目、来週には完成して関係各所へはお届けできると思います。

ザックリ言うとエッセイと小説、漫画、写真とその他、なんですが、校正のKさんが雑談で「いやぁ、しかし面白い原稿が集まってますねぇ」なんて言ってました。おたのしみに。

販売も、おなじみ珈琲焙煎舎での店頭販売と、2/22(土)の「オトナのための文章教室」、3/1(日)に"ひなた工房 with アフリカキカク"で出店予定の「丘の上のマルシェ」(@横浜らいず)でも販売予定、その他はまた追々。

繰り返しリンクを貼ってますけど、目次を公開してます。

『アフリカ』第30号(2020年2月号)
2020年2月22日発行 全80頁 500円
【目次】
「牛久沼のほとりから ①」柴田大輔
「別の名前になりたい」田島凪
「危うい御殿」犬飼愛生
「道草の家・ことのは山房 の 日めくりカレンダー 二〇一九年下半期ベスト・セレクション」芦原陽子
「おとずれ」鍋倉僚介
「フェスティバルと混乱」中村茜
「それだけで世界がまわるなら」髙城青
「キレイなオバサン、普通のオバサン ②」犬飼愛生
「吃る街(九)」下窪俊哉
執筆者など紹介/校正後記/五里霧中ノート/編集後記

『アフリカ』のことを知っている人でなければ、知っている名前はほとんどないだろうし(だからサ、ここでしか読めないよ?)、タイトルを見るだけではどんなものかサッパリわかりませんね? そのへんはまた来週、ここで書きます。

『アフリカ』は、始めた頃、読んだ人から「挑戦的なものを感じる」とか何とか言われたものだった。

でも、(いろんなところでくり返し書いたり喋ったりしているけれど)落ち込んでいた自分を励ますために、リハビリのために1冊だけと思ってつくった雑誌だからね。30号なんて、嘘みたい。自分は本物のバカじゃないか? と思うことがある。だからアフリカという雑誌名もどうでもよかったわけで、まさかこんなに続くとは思っていなかったから(アフリカと関係がないとかあるとかという話にもとっくに飽きた)。

こういうふうにも、考えられると思う。

いまから思えば、もし『アフリカ』が、もっと内容とベッタリくっ付いたような名前だったなら、こんなには続かなかったのではないか?

器用に(人前に)出て行き、もっともっとたくさんの人に読まれていたら、売れていたら、こんなには続かなかったのではないか?

のらりくらりと生きているようなものだから、生き続けられた。そこに社会的な意味とか意義を求めていたら、おそらくもう死んでいた、と思う。──というのが正直なところだ。

ぼくは20代の頃、小川国夫さんという作家に、たいへんお世話になったのだけれど、小川さんの教えの中には、弱小チームの戦い方としては奇襲戦法でも何でもいいからサ、という感じのところがあった。ぼくにはもともと、手段にこだわらないところがあったから、いま思い出しても「それで(も)いいよ」と肯定されているように感じる。ありがたい師匠がいたもんだ?(空の上で苦笑いしているかもしれない)

言い出せばいろんなことがあるんですが、今週はこのへんで。また来週!

(つづく)

前号(vol.29/2019年7月号)も、もう少し在庫があります。よかったら最新号と一緒にどうぞ。

オトナのための文章教室 in 横浜」、次回は2/22(土)の午後、「"(僕)は自分の家を平均的な家庭だと認識していた。" を最初の一文にして、その続きを書く」です。参加したい! という方はあらかじめウェブから参加申し込みをして、ぜひ何か書いてご参加ください(何も書いてなくても参加はできます)。

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