少し前から告知していた通り、珈琲焙煎舎（府中市）の8周年を記念して、ひなた工房の道草だるまのブックマーカー+焙煎舎を代表するブレンド2種のドリップバックをセットで、限定販売します。なになに？　888円！　だそうです。

道草だるまのブックマーカーも、焙煎舎バージョンだそうで、裏を見ると、こんなことになってます。

これ、おみくじつきで（道草だるまのありがたいお言葉が入っているらしいです）、今回、大吉が出た場合は、「焙煎舎ブレンド 店内一杯無料券」がもらえるとか、何やら楽しそう？

納品に行く9日（土曜日、もう明後日ですね！）には、ひなた工房の「ミニ展示販売会」も開催予定、だいたいですけど、13時30分から16時30分くらいの開催だそうです。※上の写真は、先日の「丘の上のマルシェ」（横浜らいず）で大好評だった「どんぐりホルダー」の新作。

さて、珈琲焙煎舎は、2011年11月11日（たしか金曜日）11時11分、府中市美好町にある長屋の一角で産声をあげました。

あの3.11の年の、秋でした。ぼくは当時、その裏にある建物の1室を借りて住んでいた。少し前から、珈琲屋ができるんだな、ということには気づいていて、オープンしたら行こうと決めていた。しかしオープンの日、ぼくは朝から府中を留守にしていて、帰って来たのは夜中だったので、初日には行けなかった。はじめて行ったのは2日目。よく覚えているのだが、とてもよい天気の日で（初日は大雨だったそうだが）、ぼくは大國魂神社まで散歩して、帰宅前に寄った。

そこで珈琲豆を買って、帰って飲む。美味しいね。そんなことを何度かくり返して、終わってもおかしくないところだが（ぼくはその数ヶ月後に横浜に引っ越すことになる、しかしその時はまだそんな未来があるとは思っていない）、「ちょっと飲んでみますか？」と言われて、当初、店を手伝っていた焙煎士がその場でドリップして、デミタスカップで出してくれた。それが異常な美味しさで。あの感動は、いまでも、何と言っていいかわからない。

いま珈琲焙煎舎で飲める珈琲とも、ちょっと違うだろう。いまの焙煎舎ができる"前史"、いや、"前味"（？）と言えばいいか。

その感動を、ぼくは当時やっていた（何年かの間、毎日書いていた）ブログ「道草のススメ」に書いた。彼らはそのブログを見てくれたのだった。

ある日、帰宅したら、「ご飯、食べに来ない？」と連絡が来て、びっくりしたが、「そんなのもたまにはいいな」と思って「行きます」と言ったら、「ご飯茶碗とお箸は持ってきて。あ、シャッター閉めたから裏口から来て」とか言われて、行った（当時は店主ひとりで営業しているわけではなく手伝っている人が何人かいた）。そんなフランクな感じで、親しくなった。

その頃、『アフリカ』のクリスマス号を出そう、ということになり、話したところ、「うちで売ったら？」「アフリカブレンドをつくるからセット販売しよう」とかその場でどんどん話して決めてしまい、実際に売った。

これも9日に少し持って行きます（他にも、バックナンバーの補充を少しだけやりますよ）。

高城青のエッセイ漫画「それだけで世界がまわるなら」が初めて描かれた号であり、芦原陽子が初めて『アフリカ』に書いた号であり、ぼくが2009年の年末に書いていた「ハコちゃんの家の美しい夜」に北村愛子さんが美しい絵をつけた共演作も載っている。

妻（芦原陽子）とは、焙煎舎に初めて行った日の、その翌日にぼくが横浜に行き、彼女の朗読会に参加して、初めて会った。12月に入ると彼女も府中に遊びに来るようになり、焙煎舎には毎回、ふたりで寄るようになった。

これは、オープン当時の写真。1周年の時（2012年の秋）に、ぼくとサックス奏者のOくん（元気かな）とで「レイアウト変えて、お客さんの入れるスペースをひろくとればどうだろう、手伝いますから」と店主に話して、模様替えをしたのだった。狙いのひとつには、広くなるスペースをつかって1周年を祝う & 頑張っている店主を励ます（？）パーティーを開きたかった（実際に開いた）ということもあったと思う。

今となっては、「そんなこともあったねぇ」だ。でも、そういうことは、忘れないね。毎年、11月に入るとお祝いに家族で行く（今年はお祝いがてら納品と「ミニ展示販売会」をやろうとなったわけ）。そして毎年、あの頃のことを思い出す。

（つづく）

珈琲焙煎舎でも好評！　発売中の日常をぷらぷら旅する雑誌『アフリカ』最新号（2019年7月号）、相変わらず発売中。在庫が少なくなってきたので、お早めに。ウェブ・ショップからも買えます。

「オトナのための文章教室」（三鷹と横浜）は、11月のスケジュールを更新しています。ぜひご覧ください。

「道草の家・ことのは山房」のトップ・ページに置いてある"日めくりカレンダー"は、1日めくって、11月7日。今日は、「どんぐりホルダー」の新作について。

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