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エトセトラ

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書き起こしたものをジャンル問わずまとめています。
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ひとりごと

ひとりごと

今日はなんとなくnoteを開いてみました。本当に思いついたことを綴るだけの予定です。

最近は文字に触れようということで小説を買いあさっては読むを繰り返しています。もちろんこうして自分の思いをそのまま文章に起こすことも好きですが、やはり人の綴った文章や言葉にはその人の心の内側が表現されると思います。そこが好きです。

立夏が通り過ぎましたね。皆様ご機嫌いかがでしょうか。
ところで私は「夏」という季

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春に舞うことば

春に舞うことば

「微睡んで春、夕暮れに風」

「凛冽として春 かはたれ
  曇天の切れ間より見える青空とは
       青春彩る さくらのうた か」

「妻眠り 川沿い歩く 外套の
  影落としたる 夜半の月
   はしる蕾に 春告鳥や
    月ぞ明かりて 萌ゆる葉ら」

「その姿はまるで、レインコートを羽織った春のようだった。」

「春眠しかし暁を覚えて夢から醒める
  風に吹かれて待ち侘びた夏はもう亡い

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Make it Home

Make it Home

『Make it Home』。
 美しくも儚い、幼い夢のようでありながら厳しくたしかな現実を静かに孕んでいる曲。
 あんなに切なく繊細で、フジコ・ヘミングさんの歌声のように絶えず揺れる心や深い慈悲を感じる曲は今までに聴いたことがありませんでした。

 どうか穏やかに、美しい世界で見守っていてください。

 フジコ・ヘミングさんのご冥福をお祈りします。

あ、マッチした。

あ、マッチした。

 久しぶりに旧友と笑い合い、あっという間に帰路に着いた。三十分前に飲んだサワーのアルコールがまだ残っている気がする。
 歩きながら、今は春とも夏ともいえぬ曖昧な時期だと思った。立夏はまだ少し先で、夜風は涼しく心地がよい。

 旧友との久しぶりの再会を果たしたというのに、私の言うことは以前とちっとも変わらなかった。

『彼氏ができない!』

 何年も同じことを嘆く私。
 そんな私を見て、彼女はマッチ

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「エモい」は言葉だ。

「エモい」は言葉だ。

 どうしてか、最近生まれた新しい言葉は、簡単には“言葉”として容認されない風潮があるように思える。

 誤解を避けるために先に記すが、私は決して「エモい」のような“新しい言葉”を、皆が皆全員受け入れるべきだ、率先して使うべきだと主張したいわけではない。むしろ、各個人が好きな言葉を好きなだけ遣って、その人なりの表現を自由にすべきだと思う。

 しかし(個人的に)悲しいことに、新しい言葉を頑なに受け入

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「おやすみ」の魔法

「おやすみ」の魔法

私はよく寝る直前に寂しくなると、相手に迷惑をかける申し訳なさを感じつつ、「おやすみ」をひっそりとメッセージに送ります。

「おやすみ」という挨拶には、
「あなたが今夜安らかに眠れますように」というささやかな願いが込められていると思っています(少なくとも私はその気持ちを込めて送っています)。

「おやすみ」は、自分が誰かに渡せたら密かに嬉しくて(おやすみと言える関係性をもつ人がいてくれると感じられる

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たんぽぽに願いを

たんぽぽに願いを

1.どうかな。

「休んでいる時間は、このトラウマを解決するんでしょうか。」
 そう訊くと医師はすこし困ったような、どこか哀れんでいるような、そんな表情でこちらを見た。

2.ふうん。

 昨年無事に大学を卒業して職に就いた私だったが、たったの三ヶ月で休職を余儀なくされた。
 めまいだ。職場に向かおうとすると途端にめまいがして胸が苦しくなり、その場に蹲ってしまう。職場を目の前にしてあと百メートルが

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