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倉橋由美子桂子さんシリーズ+慧君シリーズ

「人は直立して、しかも望むままに前後いずれの方向へでも歩いた。のみならず一たび急いで駆けようとする場合、ちょうど飜筋斗(とんぼがえり)する者が両脚を逆立てながら輪を描いて行くように、彼らはその当時具えていた八つの手足に支えられて輪を描きながら迅速に転がって前進した」…たのしい☺︎

そして…「ゼウスが人間を憐れみ別の手段を案出した結果、お互いに、男性が女性の中に、生産し得るようになった。遥か昔から相互の愛は人間に植えつけられていた。それは人間の昔ながらの本性を再合せしめて、二つの者から一つの者を造り、人間の性質に治癒をもたらすことを企てている」のだそうです。

私は男女にまつわる甘美な部分だけを掻い摘みましたが、さすが古代ギリシア、治癒の中にはもちろん同性間のことも自然に書かれています。「男が男に出逢ったとき、少なくともその会合に飽足を感じ、欲を鎮め、ふたたび自分の仕事に向ったり、その他の人生の営みを顧慮したりするようになるためである」

さらに胸に響く続きがあります…人は再び身体をひとつにする欲望に燃えつつ 腕を絡めて互いに抱き合い ついには飢えと一般的活動不能のために死んでしまった 互いに離れていては少しも働く気になれなかった 半身のいずれかが死んでも 生き残った方はもう片方の半身を抱きしめたまま滅びていった。

人は本来、双頭で手脚が4ずつ、背中合わせの球体のようで、ゼウスがこれを裂いた。互いの顔も見えず、抱擁もできず、共に同じ景色を見て歩くこともできなかったのだから、これを知った時は裂いてくれて良かったのでは、と素朴に思った。だが人の末裔ともなると、まず出逢えるのかどうかか、至上命題。

demystify feast ; or the demystification of the platonic "Symposium" 宴(シュンポシオン)へ人と言う謎の煙に巻かず、その神秘な真理を、砕けろう!

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