ひとふで小説|7-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[VII]

前章:[I]〜[収録マガジン]

VII

 心底、徹底して食を愉しむ主義なのか、或いは、単に口に合う食べ物が嬉しいのか。それとも、せっかく作ったターレデへの持て成しなのか、真意は分からなかったが、ヴァンダレの、どんなに真面目に話していても菓子を咀嚼するまでの間だけは顔が緩むところを、ターレデは既にひどく気に入っていた。
 また一つ、ターレデが作った菓子を口にほうったヴァンダレは、小麦酒を含んでか

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯)12 ストームに翻弄される様な日々

ふらふらしながら自分の部屋の
ベッドに辿り着いたら
頭ン中には前に見た映画
大波に飲み込まれる船の映像が浮かんだ。

そうそう、
俺…今こういう状況で生きてる感じがする…

って呟きながら行倒れ状態で
爆睡しちまったらしい。

 朝、目が覚めて
もしかして、全部夢だったんじゃないか
って気がした。
 長編の映画みたいな夢を見てたんじゃないだろうか…。

 フ…
 笑える。
 不動明王に剣を持たされ

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯)11 邪気、瘴気、エナジーバンパイアのコードカット

そんな適当な説明でいきなり斬れと?
 紅蓮が結界張れるとか、浄化出来るとか
俺は知らなかった。

 存在を認識したのはアメリカの高校に
いた時だから……
 4年くらい経つのか。
 後々、アメリカンハイでのことを語るハメになる。

 パンッ!と紅蓮の言葉が頭の中に入って来た。

紅蓮:「 俺はお前と一緒にいる
    マスコットキャラクターじゃねぇんだよ。」

 口調がキツい。
 ~じゃねぇんだよ、

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯)3 カミングアウト

「精油? 点滴より効果早かった。」

 「特別な精油なんだ。
  植物の波動、光を信じてブレンドなしで抽出してる。
  俺もこの精油には助けられてる。
  顔色がかなり良くなったし、
  オーラの輪郭もハッキリしてきたな。
  良かったよ。」

 オーラ見えんのか…。
 あ、お礼と自己紹介しとかないとな。

「初対面なのに、親身にここまでみてもらって
 その…申し訳ない。
 なんて言ったらいいか…

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯)2 魔女の男バージョン

身体を支えてもらいながら、神社に辿り着いた。

 初対面の人間にここまでさせてる俺って…
と、情けなくもあり、申し訳なくもあり…
だが、そんな気持ちも襲ってくる頭痛と吐き気の波に
飲まれて頭ん中はカオスだった。

「あぁ、あの木が呼んでたんだな。
ベンチも傍にあるから行こう。」

 木と話せるのか?
 木の考えてる事がわかるのか?
 どの木が呼んでるとか識別がつくのか?

 うっ…おぇっ… それよ

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯)1 偶然じゃなく必然、魂の再会

朝から偏頭痛と嘔吐でフラフラだった。
 親父に頼まれていた届け物がある日に限って…。

 なんかの呪詛から護る護符か何からしい。 
 それを届けろと頼まれた。
 親父は仕事は内科の開業医と
 陰陽師の二つの顔を持ってる。

 俺は違う。
24歳のどこにでもいる普通の平凡な一般人。

 いや、普通じゃない。
 いちいち目立つんだよ、お前は… って
よく言われるけど、嬉しくはない。
 親父が日本人だし

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One Light Burning(とこしえ(永遠)の灯) プロローグ

見えざる処と現実、過去世が絡む現代ファンタジー小説

作品のキーワード
  龍神と二人の青年との深い縁・ツイレンレイ・過去世
(学校で教わる歴史とは違う軸の過去)
転生(異世界転生ではなく私たち人の魂の修行の輪廻転生)
不動明王・倶利伽羅・刀・剣士・虹龍と巫女の悲恋

自分が過去世で龍に育てられたなんて、
転生を繰り返す中忘れてしまっている主人公。
 その主人公にもツインレイが存在します。
 コイ

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「超時空時代劇ファンタジー 魔黒棲 月光奇譚」
以前描いた女ケモ耳剣士「三日月」の戦闘シーン。臨場感溢れるチャンバラ剣劇シーンを描いてみたいわ。

ひとふで小説|4-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[IV]

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IV

「ヴァンダレ様は、どうして魔族を斃せるの?」
 夕闇の奥で黙々と、無垢な亡骸のための火葬と墓につかう穴を掘りながら、シオは尋ねた。
 胸の奥にくすぶる願いとヴァンダレに聞きたいことの本当の意味は「何故あなたは人魔を斃せるか」ではなかったが、シオはまだ己が何を求めて問い掛けたのか自覚的ではなかった。
 ターレデは穴掘りを手伝いながら黙って聞いている。
 ヴァ

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ひとふで小説|3-イェダラスカレイツァ:バルヴァリデ[III]

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III

 湯の波打つ音の合間を縫って遠くから人のざわめきが聞こえる気がしたかと思うと、母屋の戸が開く音がする。なんとも不躾な、宿屋の主人だろうか。考える間も無いうちに湯場に繋がる裏口の扉が開くと、勢いよく入ってきたのは従妹のシオだった。
「ターレデ!ターレデ、助けて!」
 足を縺れさせながら駆け込んできたシオは一瞬だけヴァンダレの存在に怯んだが、そこから

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