参加型デザイン

04:北欧のリビングラボ

執筆:安岡美佳
2018年9月25日

はじめに

デンマークやオランダなど欧州北部では、70年代頃から、市民などの利害関係者を巻き込みつつコミュニティ全体で実施する「参加型デザイン」と呼ばれるイノベーション手法が独自に提唱されてきた。当初は、弱者である当事者(搾取されている労働者)を巻き込むためという政治的な色彩が強かった参加型デザイン手法であるが、近年それら北欧で実践されてきた社会的参加型手法

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Co-Design;ヘルシンキの新中央図書館Oodiを市民とデザインする

12月5日、ヘルシンキに新たな中央図書館"Oodi"がオープンします。そしてもちろんこの図書館は参加型のデザインプロセスによって作られてきました。今取っているStrategic Co-Designという授業のプロフェッサーはこの図書館のCo-Designにコンサルタントとして携わっていたこともあり、どう設計してきたかを授業にてモデルケースとして取り扱ったのでご紹介。

フィンランドは図書館利用率が

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Co-Design; ヘルシンキの市場の体験を参加型で改善する

本日は授業のプロジェクトチームが同じのフィンランド人が、ヘルシンキ市ハカニエミにあるマーケット(サーモンスープが有名です!)に参加するんだけど、外国人観光客が必要だから来てくれる?と言われて、市場の体験向上を目指すプロジェクトのワークショップに参加してきました。

現在ハカニエミの市場は従来の建物がリノベーション中ということで、市場の中のお店もすべて仮の建物に移っているのですが、2年計画でリノベー

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Co-Design; ツールボックス-創造性へのアクセス

Co-Designアプローチでは、ツールおよびそのテクニックが非常に重要になります。ちなみによく混同される単語の関係性としては、下記のようになります。日本語でよく用いられる「手法」というのは、 Tools(Toolkitsはその集合体)=何をするか +Techniques=どう行うか、を総体として見た"Methods"に相当します。

また下記の図において、重要な部分としてそれぞれのアプローチの根

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Co-Design; 期待するメリットおよび価値とは?

前回、Co-Designを中心としてUser Involvementに関わるアプローチのご紹介をしました。今回はBenefits of Co-design in Service Design Projectsという論文で述べられている、Co-Designの利点を事例を踏まえながら考察したいと思います。

例えばどんなメリットがあるのかというと

■顧客理解/アイデア創造
・多様なアイデアを創造し、

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Co-Design; デザインの民主化と変わるデザイナーの役割

ちょいと前からから留学先のアールト大学でUser Inspired Design Knowing / Makingというコースが始まりました。これは、HCDの基礎を押さえつつ、Co-Designに踏み込んでいくための基礎コースのようなもので、僕が注力的に学びたい領域に強く関連してきます。

さて、Co-Designとはいっても、いまいち定義が不明瞭。
もともとは北欧で1970年代に生じた、Part

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余白・解釈・美

余白があるものは美しい。
余白の創造とはデザインの基礎原則でもありながら、奥深さを物語るものでもあるのです。

その奥深さは意匠だけにとどまるわけではありません。
むしろ僕が強調したい余白とは、人の創発可能性と自己解釈を最大化するための余白のデザインです。

以前、道具を創るための道具を創るという記事にて、風呂敷を一例として取り上げました。
これは適切な余白がデザインされている好例といえるでしょう

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