憎しみとは我への固執であり、己の形を明確にしていく。許しとは我の融解であり、形を曖昧にしていく。我執か融和か。どちらでもよい。宇宙のあるがままとは、そんな心の働きも摂理として組み込まれている。憎しみも許しも、我の純度を高めて行くが、その結果起こすことは正反対のものとなる。
人は自己を尊重しなければ、自信を失い生きていけない。だが堅い自尊心は隣人と衝突する原因にもなる。一番良いのは己を尊ぶ根拠を、外の出来事などに求めないことだ。理不尽なことが起きても自分は素晴らしいから、不必要に他者を恐れない。その精神こそが自尊心と隣人との融和を両立させる。