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お前さパンツ被ったままだと今いち伝わってこない、被せたの伊達さんじゃないですか。オレとしては意外と気に入ったのでこのままで。さっきから気になってたこれはクッキー?けっこうな重さ。厳重なシールパックをそっと開け、自分と伊達さんの口に突っ込む。うわあうんまい、ほんとですね美味い(続)

目が覚めたら色々尋常じゃないことになってた。なんでオレは頭にパンツかぶってんだ。腹の上には本だのなんか紙袋だの。足元にあったかい感触。何でこんなとこで。爆睡してる伊達さんは一向に起きる気配がない。オレの周りにアイテム類が置かれる状態には覚えがある。弟が小さい頃やってたやつだ(続)

いつのまにか映画はエンドロール、画面を見ないで器用にリモコンを操る手。次は新作見ようか、抱き合ったオレの背中をぽんぽん、お前こういうの好きよね、オレの見たかった配信。伊達さんをほぼダッコ状態で、さっきよりもっと距離を詰めて画面を見る。体温が、心音が、なんか全部シンクロしてて(続)

オレが起きたらこれで遊ぶつもりだったんですか?ここんとこすれ違ってたし見せたいものが増えちゃった。このアイテムの数以上にオレと遊びたかったんですね、ちょっとくすぐったい思いよりもこう、色々あって伊達さんの胸元に顔を埋める。お前重たいい、それは重たいってことですが、んや物理で(続)

伊達さんが少し身じろぎした。設楽起きたん?半眠りでくっちゃくちゃだけど可愛いな(当社比)。伊達さんこれは。えっとねえ起きたら見せたろう思って持ってきたんよお。やっぱり。ニイちゃん起きたらこれで一緒に遊ぶんだ、弟はそう言ってたくさんのおもちゃでオレの周りを埋め尽くしていたっけ(続)

その辺の服に着替えて三人で夜の商店街へ。やっぱり台湾のだよねえ、伊達さんはオレと雲母さんの手を引いて進んでいく。シャッターの群れのところどころの灯りを目指して進む感じは、そうだ今こんなふうに導かれている。三人で笑いながら触れ合いながら美味しいもん食べて。伊達さんについていく(続)

最高画質での作品が撮れると思っていましたのに。オレはいつも不思議に思うんだけど、雲母さん即混ざったらいいんじゃ大歓迎なのに。すると大真面目な顔で答える。全年齢版ではNGですから、そういう生真面目さは買うけどこの際もういいんじゃ。もーみんなで飯食いにいこお!伊達さんの一声(続)

持ち込みの作業終えてリビング覗いたら、設楽がソファーで寝落ちてた。何でこんなとこで。おま布団行って寝な、ぜんぜん起きる気配がない。仰向け姿で規則正しく上下する胸元。それにしても窮屈そうだねえ上下ぎゅうぎゅうじゃんね、腹の上に座ってやる。低く唸って眉がギュッ。まだ起きないとか(続)

俺と出会わなかったら、俺とこんな関係にならなかったら、意味のない自戒をぐるぐる巡らせて、ごめんな俺なんかと付き合ったせいで、そんな時真弓は笑いながら言うんだ。関わった全ての子供は他人のとかそういう括りじゃなくて俺の子供だと思ってる。まっすぐで揺るぎない真弓。そうじゃないんだ(続)

オレらに対しては気遣いハンパないけど自分には無頓着だ。こことあと平屋の家の中、そこかしこに靴下やらブランケットが一見無造作に置いてあるのは、この人を守るためだ。寒かったら寒いままで寝てたりする、そういう癖をオレと雲母さんでフォローする。ご自愛ください、そんな言葉を思い出した(続)

日やら月やらよりオレを食っ…言い終わる前に金的が軽く入った。ジャストミートですね今ちょっと膨張気味でイタタタ、懐かしいの知ってんねお前、前屈みで伊達さんに掴まって家の中へ。ソファーに座った伊達さんの足に触れると冷たい。裸足はいけませんね、その辺にあったふかふかソックスを装着(続)

上着も追加。流石にもう暑いよう、それでも大人しくされるがまま、伊達さんは缶チューハイを開ける。俺のことは2人にお任せだから安心安心。盾を持たない勇者のようなスタンスは伊達さんだからこそ似合うのかもしれない。このまま夜明かしコースかな、そんな事を思いつつ柔らかい頬を撫でるんだ(了)

今日は俺1人お留守番な感じ。起きたら設楽のメモがあって、お昼に弁当があります、あいつはマメだねえ。ちゃんと昼まで待って軽くチンして。魚フライに卵焼きに軟骨入りつくね。テレビ見ながら食べてたら設楽からメッセージ。つくね食べないんですか?ヒイどっかで見てんの?俺は好きなものは最後派。

チューハイ手にリビングに戻ると伊達さんがいない。するとルーフバルコニーに面する窓、カーテンが少し開いてる。窓から覗くと素足にサンダルひっかけた伊達さんが空を仰いでる。オレに気付いて手招き。そういや日食だか月食じゃなかったっけ?それはこないだですね。そうなん?見れなかったねえ(続)

至近距離で鼻突き合わせて。ピントの合わない近さでもオレはこの人のこと全部知ってると思いたい、知っていたい。その願いは果たして叶えられて、チューハイの冷たくて甘い味と一緒にぬるい温かみを味わって。諭すように、宥めるように。お前の知らないことなんてないからね、小さな声が転がって(続)

ハルちゃんがプリントアウトしてくれた俺の寝顔(?)、喜多村ちぃたんの手作りクッキー。あっこはキロ単位(?)で作るから量が半端ないん。ものすごい美味かったからこれも置いとこうかね。そうそうナントカ廻戦の新刊出たやつ、いたどりショッピングモールで買った新作のパンツ、それとあと…(続)

締切が重なってひたすらキーを叩いてたら、いつのまにかあの人が家の中にいた。ビックリして固まる俺に、玄関が開いていたから声をかけたんだが。すみませんこちらが悪いんです、いいから君は仕事を片付けなさい、キッチンに向かうあの人の背中に詫びた。すみませんその辺魔窟になってるんです…(続)

大体なリウ一人でも大変だぞ、まるででっかい子供みたいな時がある。確かにそれは自覚してる我儘だしほんとすいません、早めに銭湯を閉めて、真弓の作った夕飯を一緒に食べる。今日は俺の好きな手巻き寿司だ。リウちゃんと野菜も食べろよ、そうか、俺たちは色々とうに超えた、ただの家族なんだな(了)

俺は俺と出会った人全てが幸せになって欲しいと思ってる。そうかでも幸せの定義は人それぞれだ、真弓の揺るぎない瞳。リウが思う以上に俺はリウを思っているからな。真弓は俺の暴走気味の心を全部わかってて、その上で俺を受け入れてくれる。昔から変わらない真弓の心を、俺は有り難く受け止める(続)

オレにとっては初見の映画、伊達さんにはとても懐かしいもののようで、あーここねえわかるう、時々小さな声で呟いては、隣に座ったオレにもたれかかるようにため息をつく。オレにはコメディに見えるんですが伊達さんはどうですか。あア、どっちも正解だろうね、伊達さんのそのもう片方が知りたい(続)