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日本が滅ぶと思う理由

コロナウイルスがいよいよ大変なことになって来ました。

最近思う事は、全人類が共通のウイルスに苦しめられているという、かつてない稀有な状況の中、各国の対応を見比べる事が出来てしまい、それによってその国の性格がいつも以上に露わになっているという事。

日本は良い国だと思う。とても安全だし、犯罪も少ないし、道にはゴミ一つ落ちていなくて清潔だし、ご飯はとても美味しいしその上健康的。配達も2時間刻みに指定出来るきめ細やかなサービスを、親切丁寧確実に提供してくれる。可能で有れば日本にずっといたいと思う。可能ならば…。

私はフォトグラファーなので、クリエイティブやアートの領域で仕事をしているんだけど、前々から日本のアートに対する意識の希薄さに不満を抱いていた。もっと分かりやすく言うと、アート関連の仕事をしている人への尊敬がない、それをプロフェッショナルとして仕事にしていると、理解してもらい辛い、と言う事。
他の国ではどうなんだろう?と思ってロンドンに行ったんだけど、帰国してその疑念は確信に代わり、今回のコロナウイルスで政府が出してくる時代錯誤の愚策の数々によって、確固たるものに変わった。

2年間ロンドンに住んでいた経験を交え、このままでは日本は滅んでしまうのではないか、と思う理由を考えたい。

理由その1:人口が少ないのに子供を育てづらい

と言うよりは、子供を育てずらいから人口が減っているのか。
人口はその国のパワーを表す数字だと思う。ロンドンに行った時、驚いた事の一つに「日本の人口どのくらいなの?」ってよく聞かれる事。はっきり言って人口になんか興味無いのでいつもグーグルで調べて答えてたんだけど、相手に聞き返すと大抵みんな自国の人口くらい答えられる。人口は国の大きさやパワー示す一つの指標なのだ。

日本の人口はひたすら減少している。つまり日本人の数を増やす政策を取るか、移民を積極的に受け入れないと、このままでは国が立ち行かなくなる。

しかし日本では給料が減少傾向にあり、共働きが多くなっているにも関わらず、保育園が足らず、育休も取りずらい上に、妊娠が分かったらハラスメント受けたというニュースも聞く。または育休後職場に戻れても、ポジションを下げられたという話もよく聞く。つまり日本では子育ては歓迎されておらず、仕事へのハンデなのだ。このような状況でどうしたら子育てをしようと思えるだろう?これは男尊女卑の文化が未だ根強いのも原因と思われる。

ロンドンで外国人の友人にこの話をしたら、信じられないという反応を絶対される。How!? どうしたら!?!って感じ。
ロンドンの不動産屋にいった時の事、私の接客をしてくれた女性は赤ちゃんを連れて出勤してきていて、彼女のデスクの側にはベビーベットが設置されていた。彼女が接客をしている間は、同僚が誰とも無く赤ちゃんをあやしたり、抱っこしたりしていて、日本の様に職場に赤ちゃんを連れて来るなんて迷惑、もっての外!なんて誰も思ってなさそうだった。むしろ赤ちゃんと遊ぶのを楽しんでいる感じだった。今まで日本の職場でこんな光景を見た事が無かったので、とても驚いた。

あとロンドンのモデル事務所と良くEメールでやり取りしてたんだけど、たまに産休中なので休んでますっていう自動メールが帰って来る事があった。
日本でその様なメール受け取った事が無かったので、関心した。産休終了後は、産休を取る前のポジションに元通り職場に戻れそうな雰囲気だった。

また現在ニュージーランドの首相はアーダーンさんという女性だが、彼女は出産のため首相任期中に産休を取っていた。これは世界初だそう。


日本帰国後びっくりしたのは、電車でベビーカーの親達が申し訳無さそうにしている事。ロンドンのベビーカーの親達は混んでようが、ガンガン乗って来る。そしてベビーカーが乗ってきたら大抵皆どける。どかない方が周りに配慮出来てないダメな奴に見える。
更にいうとイタリアとフランスでは、お年寄りとか小さい子に席を譲らないと、そこどけて譲って下さいって言われる。優先席じゃなくても。なので周りには配慮しないといけないし、それが当たり前であった。弱者には配慮するのが当たり前なのだ。
職場でも交通機関でも過酷な扱いをされる子育てを、誰が進んでしたがるだろうか。このままでは日本人は自然消滅しかねない。

理由その2:外国人を受け入れようとせず、差別する

先ほどの続きだが、人口減少を食い止めるもう一つの方法は外国から補う、である。しかし日本の難民認定率はなんと僅かに0.02%である。ちなみにドイツは何と42%。雲泥の差である。


また入国管理局での外国人への虐待がニュースになったのも記憶に新しい。
入国管理局は不法滞在者などを収監しておく施設だが、ここでの外国人の扱いが大いに問題となっている。


また今回のコロナウイルスの補助金制度では、外国人への補助金給付は始め認められなかった。明らかなる差別であり、私個人としてはこれは国をまとめる政府という機関が絶対にやってはいけない事の一つだと思う。
働くビザが有り、税金を納めているのであれば外国人か日本人かは問題ではない。これだともし優秀な外国人が日本でいいビジネスをしてくれたとしても、日本に居続けたいとは思えないだろう。そうやってどんどん優秀な人が日本から去って行く。

原因は島国特有の単一民族文化で、外国人を見慣れていないからだと思う(特に田舎と高齢者ほど)。あと和を重んじる文化。なので日本人という枠からはみ出ている物は除外される。端的に言ってしまえば外国人を人間扱いしていない事になる。考えられないほど浅はかであり、2020年とは思えない差別行為を堂々としていて、国際社会へ日本がどれほど時代遅れであるか知らしめてしまった。

ちなみにイギリスも最近EU離脱が決まった。ロンドンに住んでいると、その労働力はほとんど移民に頼っているのが分かる。地区にもよるが街を歩いていても、褐色肌の人が人口の半数を締めているのが分かる。レストランや清掃業者、ウーバーの運転手、スーパーのレジなどの所謂労働者は、殆ど移民が締めていてイギリス人を探す方が難しい。これからどうなって行くか注目である。

理由その3:国会議員の大半が高齢男性、そして給料が異常に高い

日本の国会議員は実に90%が男性である。そして最も国を動かす力を持っている内閣官僚の年齢に注目した。安倍首相は65才、官房長官は71才、麻生太郎は79才。また二階幹事長と森喜朗オリンピック委員長に至っては共に80オーバーの81才と82才。

つまりこの国の大事なことは、正常に働けるであろう年齢をとうに越えた定年オーバーのおじいさん達が決めている事になる。今の時代ITなどの発展が目覚しく、この10年でスマートフォン、SNS、LGBTなどの所謂新しいものや今まで認知されて来なかったものが次々に登場し、インターネットによって仕事も生活もスピードアップし何もかも便利になった訳だが、果たしてこのおじいさん達がこれらを理解し使いこなしているだろうか?

この前引っ越しをしたんだけど、日本の区役所に行くと、その不便さに唖然とする。未だに住所変更するのに転出届という紙が必要で、いちいち現、新住所と本籍まで書かされ、最後に転入届という紙をまた渡される。3月の引っ越しが多い時期には2時間待ちの時もある。このインターネット時代に!!!何の為にマイナンバーを作ったのか。国のシステムがうまく機能していないのである。
最近の若い子達は生まれた時からインターネットがあった訳で、そろそろその世代が働き出す年齢になる。政府の方針と労働する人達の考え方に乖離が生じるに決まっている。

また国会議員に日本でなるには、金持ちじゃないとなれない。選挙に出るにも数百万必要だし、親が政治家だったとか、東大出身とか、その人自身よりその人の背景にあるものを日本人は重視する傾向にある。これが結構ダメだと思う。
所謂世襲制というやつだが、親が総理大臣だったからといって、その息子までその才能があるとは限らないでしょ。
あと日本は大学の学費が高いので、才能がある人がいい学校にいける訳でもない。金持ちにチャンスが多く与えられる国だと思う。

最近フィンランドに34才の女性の首相が誕生した。
希望に満ち溢れた瞳が印象的なサンナ・マリン首相。フィンランドは学費が無料なので、優秀であれば努力次第で行きたい大学に行き、学びたいことを学べるそう。マリン首相も大学生の時はレジ打ちのバイトをしていたらしい。家柄や経歴ではなく、実力で全て図られる=全ての人にチャンスがある、だから女性だろうが若かろうが優秀な人が良いポジションに付ける。適材適所なのだ。


あと今回のコロナの件で注目されたのが台湾のIT大臣、オードリー・タン。
なんとIQ180で、世界初のトランスジェンダー大臣だそう。マスクの在庫がどこにどの位あるか分かるアプリをすぐさま開発したり、その神対応っぷりが話題となった。自国の大臣達と比べるとどんどん悲しくなってくる。


また日本は国会議員の給料が高い国だそう。
月収129.4万円+635万年の年間ボーナス、最終的に税金が引かれ月収70〜80万になるそう。日本人の平均が420万(月収35万)だと言われているので約2倍。ただ特権も多く、非課税で交通費や滞在費として毎月100万(!)の支給がある。なんだそれ!あとJRのグリーン車が乗り放題だったりとかまだあるけどとにかくかなり高待遇。

これだと庶民との意識はドンドンずれて行き、国民本位の政治は出来にくいと思う。また高待遇を死守しようと、失敗しなければ辞めさせられ無いという考えになり、国を良くしようとする意識は欠落していきそう。勿論使命感を持ってやっている国会議員もいると思うが、森友、家計学園、桜を見る会などを見ると国民中心の政治とは程遠いのがよく分かる。


理由その4:
職業によって差別をする

初めに補助金の話が政府から出た時、フリーランスは除外されていた。
次の段階になった時には、ナイトクラブ、キャバレー、性風俗は対象外にされた。国の運営は全て税金でまかなわれているはずなので、どの職種であっても労働の対価として賃金を貰い、税金を払っていれば対象外にされるのは明確な差別。おそらく従来の雇用体制に当てはまらないものや、アートや音楽、ダンス、夜の仕事、娯楽など、ちょっと楽しげだったり性的なサービスは仕事として見ましていない事になる。

ドイツがすぐさまこういう辛い状況こそアートが必要だと表明をだし、外国人かドイツ人かは問わず、フリーランスに60万ほどすぐさま振り込んだというニュースと日本政府の対応の遅さは良く比べられているのを目にするが、まさに雲泥の差である。

また個人的に性風俗補助金除外でショックだった理由は、私がオランダのアムステルダムに行った時の事、飾り窓地区という有名な風俗地域があり、ガラス張りの窓や扉の向こうに女性達が立っており、彼女達が提供するサービスを買う事が出来る。小さな空間の中、赤い照明にセクシーなランジェリーを纏っており、かなり魅惑的なので思わず写真を撮りたくなる場所なのだが、その小窓の前には撮影禁止のマークが貼られており、「セックスワーカーに敬意を払って下さい。」という注意書きもされている。
またアムステルダムにはセックスミュージアムというのもあり、かなり性に対してオープンであり、きちんとそれも一つの仕事ととして認められている感じがした。

娯楽やアート、音楽は脳を活性化させるものであり、ストレスを軽減させ人間として文化的で私たちに生きる力を与えてくれるものだ。考えてもみてくれ、映画も、美術館も、音楽も、ダンスも、クラブも、セックスもない世界。刑務所じゃないか。

今回のコロナの補助金対応で日本政府がこういった職業を仕事ととして認めておらず差別意識を持っていると堂々と国民に明確に表明してしまう形となった。私個人の感想は、やっぱりね、と思うと共に失望を通り越して幻滅している。やっぱり日本でアートは出来ないなと思った。ベルリンに行くことを決意したよ。

理由その5:現金、書類、ハンコなど物体を大事にする文化

イギリスはキャッシュレスがかなり進んでいて、皆ジュース一本買うのもカードを使っていた。正確にはよく使われるのはデビットカードまたはグーグルペイ。犯罪が日本よりもはるかに多く、現金を持っていると盗まれるというのも大いに関係あると思うが、振込も超簡単で、銀行のアプリを携帯に入れればどこからでもすぐに送金出来た。日本の様に他銀行へ送金しても手数料なんかかからない。

今世界はどんどんキャッシュレスに移行している。だってめっちゃ便利なんだもん。外国人が日本に旅行して困ることはカードが使えないところが多く、現金が必要な場面が多い事だろう。先日ロンドンから外国人の友人が来ていたので一緒に色んなところへ行ったのだが、まず電車のチャージがカードで出来ない事に驚愕していた。大型スーパーとか居酒屋とかでもカードが使えないところが未だにあり、しかも日本人は英語話せない人が多いので、自分が外人だったらこれ結構きついだろうな、、と思った。

あと未だ確定申告のために紙の領収書を保管しないといけなかったり、パスポート再発行時に戸籍謄本という本物の紙が必要だったり、請求書を郵送しそこに判子を押さないといけなかったり、、それメールで送ればよくね?…みたいな事が多くてイライラしてしまう。
そもそも紙を使うのって地球環境に配慮出来てないと思うし、第一紙だと燃えたり紛失したりレシートだと印字が古くて消えてしまい証拠にならなくて良い事一個も無いと思うけど…郵送だと時間もかかるし切手も買わないといけないし…。

このスピード感の遅さが国際社会からの遅れと、今回のコロナ対応への遅さを表してると思う。いつまでこんなにアナログなのだろうか。昔の価値観にしがみついてないで、便利なものはさっさと取り入れ、効率よくできる事は早急に改良すべきである。

実際今回の対応が遅いせいで、亡くなった方もいるのではないかと思う。私の地元ではコロナのせいで経営が悪化し、自殺してしまった方がいると聞いた。もっと早くに対応してくれてたら…と思う。今までもこうだったからとか言ってる場合ではない。進化しない生物は滅ぶ。

理由その6:怒れない日本人

イギリスでは良くストライキやデモが起こっていた。
フラットメイトが通っていた大学では賃金を上げろと怒った先生たちがストライキをしている為、数ヶ月授業が無いと言ってその子は嘆いていた。

私がロンドンに来た次の月、おしゃれスナップするのにファッションウィークを仕事で回っていたのだけど、そこで激しいアニマルファーのデモに遭遇した。彼らは動物皮から服を作るのをやめろ!ファッションウィーク恥を知れ!と叫び、来場する人に思い切り近づいて叫んだりもしていた。そこからはかなりの怒りを感じた。

パリに行った時もデモに遭遇し、胡椒弾幕に巻き込まれてしまい酷い目にあったし、日本に帰国する時ロンドン→パリ経由→東京のチケットを予約してたんだけど、直前でパリの空港がストライキ中だからと言う理由で、勝手にロンドン→パリ経由→アムステルダムのチケットに変更された事があって、手続きに追われ日本に帰れないのでは、、と冷汗をかいたこともあった。

あと写真のスタジオで働いていたんだけど、残業代が出るにも関わらず勤務時間が予定よりも延びてしまうと皆怒り出す。私は長く働くのには慣れているし、お金貰えるなら良いじゃん?と思ったんだけど、ヨーロッパの人は不当な事をされたらちゃんと怒って感情を表現するのである。

また日本食レストランでもバイトしてたんだけど、そこのネパール人の寿司シェフは閉店時間と共に帰宅する。閉店時間と共に、である。なので閉店時間直前にオーダーを取ると私が怒られるので、閉店時間30、40分前にオーダーをストップして、閉店時間と共に店をし閉まるようにしていた。彼は私と違い正社員なので、いくら多く働いても残業代が出ないので、定時に絶対上がるのである。定時に上がれないと怒り出す。

また去年から香港では民主主義を勝ち取る為、デモ隊と警察が激しくぶつかっている。皆自分の人としての権利を守る為に、必死に戦っている。不当な事には怒りを示さないといけない。

日本でデモ活動ははっきり言って余り見たことが無い。不当な事があっても上司に言い出しずらく、上司が帰らないと仕事が終わっていても帰宅出来ないという謎な状態にされたりする。その一番酷い状態が過労死だと思う。

これは友人に言われるまで私も考えた事なかったんだけど、日本は民主主義を自分達で勝ち取った国では無いことが原因だそう。日本にとって民主主義はアメリカに戦争に負けて勝手に与えられたものなので、その有り難さを日本人は分かっていないのだ、と私の友人は言っていた。

確かにフランスでは王様をギロチンにかけて殺してまで自分達の権利を勝ち取った国だし、だからこそ不当に扱われたと感じた時は声を上げたりデモを起こしたりするのだろう。
コロナウイルスがフランスで流行り出した時も、ルーブル美術館の職員が多数出勤を拒否したため、開館できなかったとニュースになっていた。確かにこんな状況で働けというのは、人道的では無いと思う。こんな状況で働きたい人なんていないよ。

日本に帰国して思う事はつくづく私達には人権が無いなと思う。
今の日本政府の対応を見ていると、国民の命より経済をまわせと言う感じだ。つまり日本では人命より、モノやサービスやお金の方が価値がある事になる。私達は日本政府から人間扱いされていない。
私達は日本政府のための働く兵隊ではない。

日本がここまでコロナウイルスによる感染をゆっくりとしてものに抑えてこれたのは、国民が優秀だからである。食事の前におしぼりが出てきたり、手を洗う事やマスクをする事が習慣だったり、そもそも日本はかなり衛生的である。あと挨拶の時お辞儀する文化なので、他者に安易に触らないのも功を奏している。
緊急事態宣言には法的強制力がそんなに無いにも関わらず、自粛要請程度でも皆きちんと家から出ないようにする。イギリスだったら補償がなかったら誰も言う事聞かないと思う。お金は人を動かすモノだからだ。

長くなったが以上のような理由からこのままでは日本は国際社会から取り残され、消滅する運命にあるのでは無いかと思う。
日本の国民はかなり優秀なので、良いリーダーが現れれば相当良い国になると思うけど、年功序列とか年配者を敬う文化がそれを邪魔しそうだなとも思う。最早祈るしかない。

追記
日本が滅びると思う理由についてロンドンで英語の学校一緒だったMachikoとトークしました。興味あればこちらも是非↓


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