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映画

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2023年5月の記事一覧

【誰だって負け犬になるため生まれてきた訳じゃない】映画『ライオン少年』が素晴らしい!

日本の獅子舞とは大きく異なる「中国獅子舞」。 それは踊り、音楽、武術が一体化し古来より受け継がれてきた中国の民間芸能だ。 そんな「中国獅子舞」に魅せられた少年の成長と奮闘する姿を描いた映画『ライオン少年』。 この作品、元々は去年開催された「電影祭」という上映されていた。 そこで観た人が絶賛しているのを見かけたし、その年の年間ベスト1位にこの作品を挙げてる人もいて気になっていた。 今回、実際に観ることができた訳だが納得。 これは多くの人の心に刺さることだろう。 『ライオン

タクシー映画って良いよね【映画5選紹介】

突然ですが「タクシー映画」って良くないですか? そう思ったキッカケは『パリ・タクシー』という映画を観た時のこと。 パリを舞台にタクシー運転手とマダムの交流を描いた話だったのだけど、これがしみじみと良い作品だった。 内容を思い返しているうちに「そういえばタクシーが舞台の映画って面白い作品が多いな」という考えに至ったという訳です。 自分が観てきた「タクシー映画」はそのほとんとが面白かった。 ※ちなみにここで言う「タクシー映画」はタクシー車内が舞台となっている映画のことと解釈

【感想ではなく記録のための雑文】四月に観た映画3作品(2023/4/1~2023/4/30)

今年からはじめた映画の記録。 本を読むのは実はあまり得意ではないので、映画を観ようという流れです。 アマゾンプライムは月500円だから、5本くらいは観たいなと思っています。 例によってアウトプットする準備は一切なく書いています。観てない人から見れば(観た人もかも)意味不明かもしれません。 どうぞすっ飛ばしてください。 4月はあんまり観れませんでした。時間があっても心の余裕が無いとなかなか観れないものですね。 PLAN75 2022年の日本映画。というかフランス・フィリピ

人生の良し悪しとは ー 「銀河鉄道の父」を観てー

宮沢賢治の一生を思うたび、思うことがある。 それは「その人の一生がいいものだったのか、ということは死ぬときにはわからないし、死んだ後でもわからないものだ」ということ。 でも、それと共に賢治の生き方は、枠に捉われず不器用にもがき苦しみながら生きる勇気を私たちに与えてくれる。 だからこそ死後90年経った今もなお、何度も彼の生涯がさまざまな形で語り継がれているのだろう。 今でこそ自己の価値観がひとりひとり尊重され、自分の将来は自分で決められる時代だけれども、賢治が生きていた明治、

映画『TAR/ター』から思う現代の芸術家の在り方

世界的な女性指揮者に起こる事件の顛末を描いた映画『TAR/ター』。 主演のケイト・ブランシェットの演技が評判となり、アカデミー賞でも主演女優賞含め6部門でノミネートされた話題作だ。 先に言うと、この作品が気になってる人は詳しいあらすじを知らないで見ることをお薦めしたい。 あらかじめ内容を知っておくのも悪くないが、自分はストーリーがどう展開していくのかも含めて楽しめた部分が大きかった。 本作は上映時間が2時間38分と長め。 仕事終わりに鑑賞したこともあって「内容次第では寝

【AI生成】ウェス・アンダーソンがもし「スター・ウォーズ」を撮ったらの予告編がおもしろい!

ネットでバズっていたこの予告編がめちゃくちゃおもしろかったです。 AIが生成した「ウェス・アンダーソン風の『スター・ウォーズ』」の画像を使ってアメリカのWEBメディア Curious Refuge が予告編を制作。 『スター・ウォーズ』なのにちゃんとウェス・アンダーソンという面白さ笑 これは見てみないと分からないので早速みてください。 ▼Star Wars by Wes Anderson Trailer / The Galactic Menagerie めちゃくちゃ

ラストレター

「あなたのことなんか、好きにならなければよかった」 と、君は言う 「君となんか、出会わなければよかった」 と、僕は思う 始まらなければよかった ありきたりの言葉 終わりが来ると分かっていたなら、始めなければよかったんだ 君は僕を あの季節に置いたまま 消えてしまった 苦いままの毎日を残して 消えてしまった

【素晴らしき旅の終わり】映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』感想

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』。 銀河の危機に立ち向かう落ちこぼれたちの姿を描いた人気作品でシリーズ3作目にあたる作品だ。 シリーズ最終作ともなる本作は、銀河のリセットを企むマッドサイエンティストに立ち向かいつつ自分たちの過去にもケリをつけるという話。 衝撃を受けた1作目から約9年。 遂にシリーズが完結した。 もうね…感無量。 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(GotG)は、MCU関係なし

3日前まで『BLUE GIANT』を知らなかった私が、映画館で泣き崩れた話|音楽は今でも素人だけど。

■音楽への無知さが生んだ「食わず嫌い」 そんな文字が踊るほどの有名作品でも、なんとなく素直に飛びつけないことがある。世の中の話題についていくためにも、最低限触れておいた方がいいものはたくさんあると頭ではわかってはいるのだが。 昨今でいうと、映画『BLUE GIANT』がまさにそうだった。職場や身近なコミュニティー内でも早いうちからかなりの話題になっていた。 曰く、「絶対行ったほうがいい!音楽が本当に素晴らしい!」「(作者の)石塚先生にサインもらった……!もう家宝!」「轟

【モンゴル発】映画『セールスガールの考現学』感想【性と生を巡る青春物語】

モンゴルの映画って観たことありますか? 自分はない。それがこの映画に興味を持ったキッカケだった。 しかもこの映画、アダルトショップで働くことになった女の子が主人公の物語らしい。 「モンゴル×アダルトショップ」!? それってどんな映画なの? そもそも自分のモンゴルに対してのイメージは朝青龍、草原、スーホーの白い馬ぐらいしかない。 どんな映画だ?気になる… という訳で鑑賞してきたという次第。 映画のタイトルは『セールスガールの考現学』。 今回の記事ではこの映画の感想を述べ

【家族の喪失と再生】映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』感想

遂に公開されましたね『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOLUME 3』。 SNSでもGotGの話題で盛り上がっていて俄然期待が高まってます。 自分は5月5日の金曜日に観に行く予定。 感想もチラッと見てますが、好評なようで今から凄く楽しみ(ネタバレ踏まないよう気を付けないと)。 ということで、今回は前回のVol.1に続き、続編の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーリミックス』の復習&感想記事を挙げていきます。 ちなみに皆さんはvol.1とリミックス、どちらが好きです

マリオ育ちじゃない自分から観た『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想

任天堂の世界的大ヒットゲームである『スーパーマリオ』シリーズを映画化した作品『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。 その人気は凄まじくアメリカでは4週連続1位を記録し、現時点で全世界で10億ドル(日本円にして約1360億)という驚異的な興行収入を突破している。 日本でも公開3日間で19億円の興収を挙げており、100億円の記録も視野に入っているという大ヒットぶりだ。 興行収入だけじゃなく評価もすこぶる良い。 映画レビューサイトfilmarksでは5点満点中4.1とい