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映画

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2023年6月の記事一覧

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北欧発サイキックスリラー『イノセンツ』今夏公開!

『語り出したら止まらない』そんな映画を、君はいくつ持っているか。

「いい映画」に出会ってしまう、ということは、すごく幸福で、そして、時として、すごく怖い。 TOHOシネマズで映画を観るのに必要な映画鑑賞料が、2,000円に値上がりしてから初めて映画館で2,000円を支払って映画を観た。 『怪物』という作品だった。 映画館で映画を観ることの愛おしさが渦巻いて、涙が出た。はじまりの回を観て、次の回も観て、レイトショーでも観た。次の日も、観に行った。 止まらなかった。 感情の渦が、うごめいて、止まらなかった。 “映画観で観るべき映画”

【日本よ、これがフランスの戦隊ヒーローだ】映画『タバコは咳の原因になる』感想

突然ですが、皆さんは配信サービスに加入してますか? Netflix、Amazonプライム、Disney+…今や世の中は様々な配信サービスが溢れている。この記事を読んでる方も何かしらの配信サービスに加入しているのではないでしょうか。 自分はこれまで配信サービスには一つも入っていませんでした。 理由は色々ありますが、家で映画や番組を観る習慣がないというのが一番の理由だと思います。 そんな自分が初めて入った配信サービスが『JAIHO』。 映画祭などでしか上映されていない作品など

【走れ、クソみたいな人生に追い付かれる前に】映画『Rodeo ロデオ』感想 

男性社会のバイカー集団の中で、人生を疾走する女性の姿を描いた映画『Rodeo ロデオ』 鮮烈なビジュアルと『郊外の鳥たち』を配給したReally Like Filmsさんが関わっているということで気になっていた作品。 事前情報をほとんど知らずに観たが、これが想像以上に良い作品だった。 こうした何も知らない状態で観た作品が面白いと予想以上に嬉しくなるもので、帰り道は自然と気分が上がっていた。 本作は犯罪映画であり青春映画。 舞台はフランスだが、いわるゆ「お洒落映画」とは真

映画 『わたしたちの国立西洋美術館』

美術館が舞台となっているドキュメンタリー映画 ◉『プラド美術館 驚異のコレクション』 ◉『グレートミュージアム ハプスブルク家からの招待状』 ◉『ナショナルギャラリー 英国の至宝』 ◉『みんなのアムステルダム国立美術館へ』などなど。 映画としての出来不出来は別にして、美術館の所蔵作品や 知られざる美術館の舞台裏がスクリーンで見られるだけで大興奮!。何度も見返しています。 そして、2023年7月15日(土)。 『わたしたちの国立西洋美術館』の映画が公開されるそうです!!! 日

【映画ログ】力を誇示する人ほど内心怯えている

最近、友人とずっと行きたかった鎌倉の東慶寺さんに行ってきました。 ド平日に行ったのにけっこうな人がいてびっくり。 飲食店の方のお話しだと、今は紫陽花がちょうど見頃で、という理由らしいです。 それなのに写真の一枚も撮らなかったことに、帰ってきてから気づきました。 いいんです、心のフィルムに刻み込んだのです。笑 この東慶寺さん、どうしてずっと行きたかったのかというと、以前鑑賞して、とても印象に残っていた映画「駆け出し男と駆け込み女」の舞台になったお寺だったから。 お参りした後、

【感想ではなく記録のための雑文】五月に観た映画8作品(2023/5/1~2023/5/31)

今年からはじめた映画の記録。 本を読むのは実はあまり得意ではないので、映画を観ようという流れです。 アマゾンプライムは月500円だから、5本くらいは観たいなと思っています。 例によってアウトプットする準備は一切なく書いています。観てない人から見れば(観た人もかも)意味不明かもしれません。 どうぞすっ飛ばしてください。 ルパン三世 ルパンVS複製人間 1978年のアニメ映画。金曜ロードショーで視聴。 マモーです。マモー。懐かしい。口に出したくなる、マモー。 初めてみたのは

映画『イニシェリン島の精霊』自分の人生を問われる哀しくも美しい人間の物語

中年期以降の人間ならば誰にでも思い当たるであろう「誰かとの分かれ道を感じた瞬間」の寂しさとやるせなさをこの『イニシェリン島の精霊』が恐ろしくも可視化してしまったのかもしれない。私自身は去ってしまったことも、去られてしまったこともどちらも経験がある。多くの人がそうであろう。 また同時に、この作品では「人生を豊かに生きるとはどういうことか」ということについてとても真剣に考えさせられる。価値観が多様になり様々な生き方や暮らし方が肯定されているように思えていても、実は人間の根底にあ

土曜日の午後、『ザ・ホエール』を観た

『ザ・ホエール』を観た。思考がまとまらない。ベッドの上で見ていたのに、気づくと机に向かって台詞を書き綴っていた。まとまらない。まとまっている文章を期待している人は、ここから先は読まないほうがいい。作中にもあった、「エッセイなんかやめろ、正直に書け」というチャーリーのメッセージを受け取って、断片的に、思考を綴りたい。あとでまとめる、では意味がない。今書かなきゃ。評価されるとかしないとかじゃなく、感じたことを、純度高いまま、書き残さなきゃ。何のために?そうしなければいけない気がす