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窓際従業員、世にはばかる

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ある若い窓際従業員が、窓から外の世界をのぞいてみた。 窓の外は、広かった。
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#社会運動

反「市民」の運動論-こたつぬこ(木下ちがや)の『「社会を変えよう」といわれたら』を読む

 twitterでは、こたつぬこというアカウント名で知られ、3.11以後の国会前における社会運動シーンにおいて奮闘した、新進気鋭の社会学者で民医連の事務員でもある木下ちがや氏の『「社会を変えよう」といわれたら』を遅ればせながら読みました。

 最初、読んだときは、社会運動本にありがちな人々の語りに基づいた濃厚かつ克明な記述は乏しく、肩透かしを食らったような気がしました。一般的に社会運動の本はどう

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『ドイツにおける原子力施設反対運動の展開』より気になった点

 たいへん、面白い本を読みました。

 この本の面白いところは、活動家ありがちの「素晴らしい市民意識の高いドイツ人」という描き方をしていないところです。いかにヨーロッパが進んでいて日本が遅れているかというのは、「自虐史観」だな、と思います。

ビュルガーイニシアティブについて
 日本の社会運動の議論では、「住民運動」と「市民運動」は違う意味合いを持って語られてきました。前者が地域に閉じたもの、後者

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