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12星座別★水瓶座からのラブレター

 わたしの太陽星座は水瓶座で、よく視点の話をする。占星術家のみなさんもそれぞれご自身のホロスコープがあって、言葉の使い方も様々。彼らから見るサインはやはり偏っていて、魚座っぽく表現されたり、牡牛座っぽく表現されたりしている。だからわたしたちにはお気に入りの占星術家がいる。それが万人ウケしている人もいれば、少数だけれど深く響いている人もいる。

 わたしは水瓶座の視点で世界を見ている。もちろん、それすらも超えた全惑星の意識というものもある。でも、わたしは水瓶座の眼鏡を通して物事を見るのが好きだ。眼鏡越しに、わたしにはあなたたちがこんな風に見えている。12星座ひとつひとつに宛てて、水瓶座からのラブレターを送る。

牡羊座のみなさんへ

 動きっこ。わたしから見ると、牡羊座の足はずっと止まらずに動き続けている。眠っている間も、たぶんわたしの眠りとは違うことが起こっているようにすら思える。気がついたらいつもどこか遠い場所にいて、なのに、日常と変わらない笑顔であそんでいる。彼らは飄々と時空を超える。とても人間だと思う。人間をやってる!という感じ。お祭りみたいに人間タイムを満喫している子どものような人たち。
 怖い場所にも、危ない場所にも、平気で飛び込んでいく。もちろん本人にとっては平気じゃないのかもしれない。でも、わたしから見るとおひつじ座さんのエゴの危険センサーはやや壊れている。それはエゴの危険センサーだから、別に壊れていてもいい。その方が冒険に飛び出しやすいから。例えばおひつじ座の中でも「堅実だね」「慎重だね」と言われている人たちであっても、なんだか不思議な部分がぶっ壊れている。わたしにはそう見える。
 いつもわたしを動かしてくれてありがとう。でも、そういう「役割」をなにひとつ持たない身軽さもおひつじ座さんの魅力だと思う。係も役割も使命もなにもなしに、手放しであそぶ姿を見るのが好きです。


牡牛座のみなさんへ

 ゆったりのんびりと定評のある牡牛座のみなさん。臆病で、慎重で、かつどっしりといつもそこにいるような感じがする。今日この場所で牡牛座さんを見かけた。すると、明日も同じ場所で同じ格好でなにかに取り組んでいる。その「存在感」みたいなものが心地よくて愛おしい。多分牡牛座のみなさんは、たくさんの人に愛おしいと思われているような気がする。しっかり者でもどこか可愛らしい。
 「サービス精神」という感じもする。自分が美味しいと思ったものを振る舞いたいとか、良いと思ったものを紹介したいとか。でも、そこにもなんだか「重さ」みたいなものがあって、速度が遅くなる。軽やかに放ったつもりの言葉が飛んでいかない。飛ばした紙飛行機が、想像したよりも手前で落っこちてしまうみたいに。それでもめげずに紙飛行機を拾う。今度はどんな風に折ろうかなと考えながら。途中で、おやつ休憩を挟みながら。
 あなたがいると安心する。時々ばたばたしている姿すら、なぜか安心を引き起こす。あなたはきっと誰かのかけがえのない存在で、心の底ではそうだとわかっていると思う。揺るぎない絶対のあんしん。それがあなたの存在。


双子座のみなさんへ

 言葉と空気の仲間。おしゃべりが上手な妖精みたいな人たち。例えば「冷蔵庫」という言葉ひとつ与えただけでも四方八方に連想の紐をつないで、ユーモアが飛び交っていく。頭の回転が速いんだよな。
 トリッキーなこと、独特な表現、単純に面白い話。そういうものを見つけた時にあなたに知らせたくなる。わたしが好きな詩集に線を引いて、付箋をつけて、ラッピングをして手渡したくなる。そうしたら、あなたはきっと手紙を返してくれる。無邪気な笑顔と賞味期限の短い言葉があなたのチャームポイント。そう、賞味期限の短い言葉。そして繰り返す言葉。
 双子座さんの頭の中では、言葉は発酵しない。いつもフレッシュで新しい言葉に交換されていく。例えば10年考えつづけているトピックがあったとしても、いつも新品のピカピカの言葉を話すことができる。
 少し宇宙人。でも、人間と輪になって立っていられる。飛んでいられる。いつも面白い古着のファッションみたいな、虹色の涙みたいな、同級生。


蟹座のみなさんへ

 心。水。やわらかい。わたしから見て、蟹座のみなさんは本当に水!川の水!やさしいことが好きで、人を助けることが好きで、清く浄化してくれる。そういう意味で、一緒にいるといつも大丈夫な気がする。傷つくことすら許してくれるような大きなまるい地球と、宇宙の膜。
 言葉にならないことをこんなにも信頼できるなんてすごいな、といつも思っている。ただ心の中にあることを、そのまま置いておいてくれる。すぐに説明をしたり、意味を知りたくなったりするわたしにとって、それはとても怖いことだ。そういう意味で勇敢な蟹座さんたち。感じることを、感じるままに。わからないことを、わからないままに。
 みんなよりもゆっくりで、目を離すと消えてしまっていることがある。大切に扱わなくちゃと思う。わたしの中に、育む心みたいなものが生まれている。あなたにやさしくすることが、わたしは嬉しいんだ。

獅子座のみなさんへ

 パフォーマーとか、主人公とか、そんな風に言われる獅子座さんを見ていて「あなたは本当に獅子座らしいよね!」と思ったことはあまりない。みんな控えめで、穏やかで、猫みたいに可愛い。多分それは目立っちゃいけないこの日本で訓練されてきたからじゃないかなと思っている。
 それでも、あなたが目立ちたいと思えば目立っていい。目立つってどんなことなのか、一度じっくり考えてみたらいいと思う。獅子座の反対側は水瓶座で、反対側というのはいつもヒントにあふれている。もしよかったらこのラブレターだけじゃなくて、すべての星座へのラブレターを読んでみてほしい。そうすればあなたの反対側が理解できるような気がする。
 舞台に立つことはもうそんなに怖いことではなくなっている。誰でも主人公になれる時代になった。その環境で、本当に輝くとはどういうことなのか見直してみる必要がある。あなたの輝きは人と違うことではなくて、むしろどのくらいみんなと同じか、なのかもしれない。
 わたしが冷静に見つめるほど、炎が大きくなっていく。その明かりを人々のために使う姿はめちゃくちゃかっこいい。


乙女座のみなさんへ

 細かく繊細にものを見る目があって、本当に心がやさしい。わたしの憧れの乙女座さんたち。(わたしの月星座は乙女座である)一番心がやさしくて、親切で、情があって、あたたかいのは乙女座さんかもしれないとわたしはよく考える。それと同じくらいの気がつく力と正義感と平等さがあるから、時に厳しいと思われてしまうのかもしれないけれど、それも含めてやっぱりあなたはやさしさの塊だと思う。
 がんばりすぎるのはいざという時周りの人を助けたいと思っているからで、「自分にやさしく」とか「自分を大切に」とかそういう言葉がしっくりこないまま、疲れ果てるまでやりつづけてしまう。どこかの誰かが見ているのでは物足りないと思うかもしれないけれど、それでもわたしは「わかってるからね」と言いたくなってしまうのだ。
 乙女座さんの保護する力はレベチだ。それは決して目先だけのことではなくて、この家族を守るためにはこういう地域が必要で、そのためにはこういう社会、世界、地球、宇宙が・・・と、それくらいの規模で身近な人を守ろうとする。心が大きい。尊敬の気持ちを伝えたくなる。

天秤座のみなさんへ

 あなたがいるから世界は美しく、人びとは円滑にコミュニケーションをとることができる。こんなにも主軸に「相手」とか「他人」がある人をわたしは知らない。どうしてもみんなわたしがわたしが!と話をしたがるし、自分のことを考えつづけている。天秤座さんが他人のことを考えるのは、自分軸がないこととイコールではない。そう、話はそれるけれど、天秤座はイコールの力が強い。
 イコールとは人間だけが理解する概念だ。だから人間は言葉を使うことができる。同じだと思うから相手の立場でものが考えられる。これは養老孟司さんの受け売りである。「同じ」に敏感であることは時々疲れる。ひとりひとりの感覚は全く違っているから。
 天秤座とわたしは、風の仲間だ。交換する言葉はスムーズで軽やかで楽ちん。わたしが伝えたいことを違和感なく理解してくれているような気がする。だから、わたしもあなたの話が聞きたい。誰かではなくあなたが何を考えていて、どう思っていて、どんなことに傷ついたのか教えてほしい。世界を一緒に作ろう。


蠍座のみなさんへ

 わたしはこの手紙を、一番最後に書いている。蠍座さんへの手紙はきっと書きたいことがいっぱいで、わたしの心は溺れてしまうと思ったから。あなたになにかを伝えようとする時、うわべを滑る言葉では通用しない。「言葉」ではとても敵わないかもしれない。あなたが感じ取るのは言葉以上のもので、言葉以前のもので、体と心に沁みついた、わたしにも見えていなかったあざのようなものばかりだから。
 蠍座さんは、わたしの中に闇を見つけてもそれを治そうとはしない。闇は治すものでも、排除するものでもないとよく知っている。あなたといると、それが美しいものにすら見えてくる。孤独がかっこいいものみたいに見えてくる。
 どうしようもない気持ちとか、わからないこととか、そういうものをそのまま抱きかかえて、「仕方ないじゃないか」ときっぱり諦める。それはわたしには到底わからない深い愛情だと思う。潜っても潜っても目には見えない根っこには、尻尾には、どんな宝石があるのかと、懐中電灯をもって飛び込んでみたくなる。


射手座のみなさんへ

 あなたのスピードに憧れています。笑 わたしはいつでも腰が重くて、頭が遅くて、気がつくと射手座のみなさんはいつもどこか遠くにいる。海老みたいな硬い丈夫なスーツを着て、スーパーマンみたいに宇宙を飛び回っている。そういうユーモアみたいなものが、なんだかわたしを安心させてくれるのです。
 誰も考えつかないようなことを一生懸命やっている。没頭する姿勢が羨ましくて羨ましくて、今この瞬間に何を考えているのかインタビューしてみたくなる。だけど、そんなことをわたしが考えている間に、射手座さんはもうとっくに新しいことを考えている。わたしは50周遅れでそのあとを追いかける。
 あなたは身軽に旅をするから、わたしにも身軽に旅をすることを許してくれる。もたもたしているわたしに、必要なものが詰め込まれたリュックを手渡してくれる。わたしが何度か失敗しても大丈夫だと言ってくれる。わたしからは、あなたが流れ星みたいに見えている。


山羊座のみなさんへ

 わたしはとてもあなたのようになれない。もっと言えば、わたしにはあなたが必死で積み上げたものを崩してしまいたくなる衝動がある。だけど、たとえわたしがそれを崩したとしても、あなたはまた同じものを作り上げる。いや、もっと大きく、立派で、役に立つものを作ってしまうと思う。結果、その恩恵をわたしが受けることになっても許すことができる大きな器を持っている。
 あなたが言うことは、必ず達成される。あなたが嫌なことは、社会のどこかのほころびである。そしてわたしに言われなくても、あなたには自分自身を信じる強い力がある。それでも水瓶座のわたしがあなたにこっそり伝えたいのは、失敗しても、ボロが出ても、前言撤回しても、別にいいんだよということ。もっと適当にしても、弱くても、諦めても、損をしても、生きることはできるよ、と伝えてみたい。
 このラブレターは、あなたが元気がないときだけ読めばいい手紙。誰かに助けてもらってもいいと思い出せるように、ここに置いておくね。


水瓶座のみなさんへ

 すべての言葉をテレパシーで伝えたい。各自、自分の担当部署で、ただそのまま生きていることでしょう。あなたは目の前の問題をあらゆる角度から見ることにすっかり慣れてしまっていると思うし、自分自身でしか答えを導き出すことはできないと、散々理解しているはずだ。
 それでも伝えたいのは、やっぱり人間っていいやつだと思うよ、ということ。人間って結構頼れるし、やさしいし、愛情っていいもんだし、共感も依存も面白いってこと。遅い遅い言葉を誤解されながら使うことも、しょっちゅう壊れる肉体の中に入っていなきゃいけないことも、結末がわかっているのに無駄なプロセスを体験することも、あと何十年しか体験できないってことを思い出してほしい。世界がバカみたいに見えることはしょっちゅうあるけど、その世界を構成する一部である自分を感じてみてほしい。
 わたしはあなたが大好き。壊すときは、一緒に壊そう。遠く離れていても常にひとつの生き物みたいに、協力し合える仲間より。


魚座のみなさんへ

 未知なること、絶望すること、混ざり合い境目がないこと。わたしはこういうことがずっと怖くて、なるべく境界線をひき、カテゴリ分けをして、生きていることがちゃんと大丈夫なんだと思いたかった。だけど、あなたが生まれた時から理解しているように、世界には境界線なんてなかった。だからわたしが懸命にグループ分けをしても、カオスな世界は広がっていくばかりだった。
 魚座さんが教えてくれることは「結局大丈夫なんだ」ということ。そういう根拠のない説明になぜか納得してしまう。それはあなたがのびのびと楽しそうに生きて、愛することにも愛されることにも躊躇なくダイブしている姿をいっぱいみたからかもしれない。愛は水のようで、いくらでもあって、じゃぶじゃぶ浴びてもなくならないんだということが、あなたをみているとなんとなくわかる。時々窒息しそうになりながらも、あなたはずっとそういうやさしさを信じ続けている。
 信じ続けることができるのは強さだ。それは体がなくなってからも持っておける宝物のようにも見える。その全てがまやかしだったとしても、それを信じるイマココのわたしの心はホッとするから、それでいい。


水瓶座 うえかわ 聡美より

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